ビジネスで「点と点を線で結ぶ」方法
顧客の情報は集めただけでは意味がない。集めた個々の情報をつなげることから意味ある情報が生まれる。ここでは、使える情報収集の8か条を紹介する。
2009年のクリスマスに起きた航空機爆破未遂事件で、米国の諜報機関はナイジェリア人の下着爆弾犯に関して、明らかに「点と点を線で結ぶ」ことができていなかった。今回のブログでは、同一人物、組織、あるいは事業体に関するさまざまな情報の断片をつなぎ合わせたい場合に何が必要となるのか、という点について説明しよう。こうした取り組みの難しさと価値の両方を再認識していただければ幸いである。点どうしを結びたいというニーズは幅広い。点というのはビジネスにおける顧客、諜報活動におけるテロリスト、医療における患者、あるいは医薬品開発における分子に関する情報などさまざまなものがある。これを実現するために行うべき項目は以下の通りである。
1. データベース内の重要用語(氏名、属性など)を、データ入力時に厳格に管理する。あるいは、同じ用語でも異なる綴りや意味を持つものを関連づける一種のセマンティック・レイヤーを設定する必要がある。
2. 自分が探している事象が何かを明確にしなければならない。顧客の購入可能性なのか、それとも顧客の離反率なのか。テロ事件の可能性、薬物間相互作用など何であれ、何を特定しようとしているのかはっきりさせる。
3. 変数やデータ値が予測する事象のパターンを示すモデルが必要となる。モデルは人間の頭の中に潜在しているかもしれないが、その場合、パターンを見つけ出すためにデータを検索しなければならない。コンピュータでパターンを特定したい場合は、モデルやすべての変数を明確にし、データが曖昧でないようにする。
4. 調査にかかわる全員が、共同でデータを入力しなければならない。CIA(米中央情報局)の局員がテロリストに関する情報を調査したり、営業担当者が不満を抱く顧客と話をしたりする際、それぞれの内容をデータベースに入力する必要がある。
5. 上記で「データベース」と述べたことに注意してほしい。重要な情報の入力先は、複数ではなく1カ所のデータベースでなければならない。分散型データベース環境を構築し、関連情報を同期したり更新したりすることも可能だが、技術面で悪夢のような状態になりかねない。
6. データベースの照合を継続的に行い、新しい重要な情報が追加されているかどうか確認する必要がある。
7. あるパターンが特定され、重要な事象が目前に迫っている場合、関係当事者全員が何をすべきかについて明確な行動計画が必要である。ここでは、意思決定に関する規則が非常に重要となる。潜在的なテロリストを搭乗拒否リストに載せるべきか。去ろうとしている顧客に対し、大幅な割引をするべきか。
8. 計画を行動に変えるための仕組みが必要である。テロであれビジネスであれ、レスポンスタイムは非常に重要だ。
この他にもいくつかの手順が考えられるだろうが、これらを実行するのは容易ではないことを認識していただけただろう。当然ながら、いくつかの手順はより難易度が高い。たとえば米国政府は、潜在的なテロリストに関する単一データベース(TIDE:テロリスト・アイデンティティーズ・データマート・エンバイロンメント)の開発において相当な進歩を遂げているが、クリスマスに発生した爆弾事件を見ると、上記手順の4、6、7、8について十分な対応ができていなかったことがわかる。人間の行動を変えることは、ITのシステムを変更するよりも難しい場合がほとんどだ。
みなさんの組織はいかがだろうか。米国の諜報コミュニティよりも進んでいるだろうか、それとも遅れているだろうか。たとえば顧客に関して、上記8つの手順をすべて実行しているだろうか。もし実行しているのであれば、ぜひお話をお聞かせいただきたい。ぜひとも、そのような組織の顧客になりたいものである。
原文:How to "Connect the Dots" in Your Business January 26, 2010
- 第7回 企業内でソーシャルツールを上手に活用する方法 (2013.02.13)
- 第6回 情報の提供をスピードアップする方法 (2013.02.06)
- 第5回 必要な情報を、必要な時に受け取っているか (2013.01.30)
- 第4回 ビジネスで「点と点を線で結ぶ」方法 (2013.01.23)
- 第3回 データ・サイエンティストがいなくても、企業はやっていけるのか (2013.01.16)