
産業能率大学客員教授 西野嘉之
慶応義塾大学大学院博士課程理工学研究科修了。07年に企業価値検索サービス『Ullet(ユーレット)』を開発。現在は産業能率大学の客員教授として教鞭をとるとともに、新聞・雑誌などで執筆活動を行うなど、多方面で活躍中。

ユーレットとは?
上場企業約4000社の決算書(財務諸表)や関連ニュース、大株主などの情報を、ワンクリックで表示。各企業の財務データをビジュアル的に把握できる、無料のサービスだ。 |
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ユーレットで学ぶ情報資源の管理
4月23日、NHKの「首都圏ニュース」と「ニュースウォッチ9」で、産業能率大学の就活の取り組みが取り上げられた。世の中にはたくさんの企業があるのに、まだまだ知られていない企業が数多くあるため、ユーレットの企業分析を使って、学生と企業のミスマッチを解消しようという、2年以上前から行われている授業である。この取り組みは、コンピュータ利用教育学会において、2011年優秀論文賞を受賞している。
どの大学においても、就活支援に関しては大きな課題となっている。有価証券報告書を見て企業を少しでも調べるということは、経営学部や商学部であれば一度くらいは経験しているだろう。しかし、上場会社約3800社や、未上場企業16万社のデータに触れるということはなかっただろう。しかし、ユーレットが登場し、誰でも無料で使えるため、今まで不可能であったことが可能になったのだ。産能大の小野田先生がニュースの中で「ユーレットは企業データを可視化しているため、見るだけで簡単に理解できる。」とコメントされているように、有価証券報告書を最初から読むよりは、まずユーレットでざっくりとイメージを掴み、必要なところはより詳細に有価証券報告書をチェックすると効率が良いだろう。
また、就活という一生に一回、人生を真剣に考えるチャンスにおいて、情報を資源と考え、整理し管理することを少しでも身につけて欲しいと思う。ユーレットで講演をさせて頂くとき、企業をどう調べるかということ以上に、「情報をどう紐付ければ、情報の根拠を増すのか」ということが重要であるとお話するようにしている。高度情報化社会においては、情報を収集することよりも、削ぎ落とす方が大事ではないだろうか? 是非、ユーレットを使ってみて、情報資源管理されていることを体感して頂ければと思う。
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