しばしば子供への悪影響が問題になるビデオゲーム。暴力性、攻撃性を増長する、人間関係がうまく築けなくなり社会的に孤立させる等、弊害ばかりがクローズアップされがちだが、実は、良い効果をもたらす要素もあることも分かってきた。
●空間記憶力を高める効果
シンガポール・ナンヤン工科大学による最新の研究結果(2013年3月に発表)によると、ビデオゲームには空間記憶力をよくする効果があるという。
空間記憶力とは、周囲の環境と方向に関する情報を記憶する能力で、例えばこれがあるから、住んでいる町のどこに何があるのかを覚えていて、目的の場所に行くことができる。
ビデオゲームをしている最中は、画面のどこに何があるのかを集中して見ているから、その記憶力が増すと言われても不思議ではない。
●ビデオゲームをしたら、ミスが減った
米国アイオワ州立大学の研究では、1週間に最低3時間ビデオゲームをした医師は、手術中のミスが減ったという。前出のナンヤン工科大学の研究でも、ビデオゲームには集中力を高める効果があるという結果が出ている。
●読解力を改善
また、イタリアのパドヴァ大学の研究者は、「読字障害の子供たちに、ラビッツパーティーのようなゲームをさせると読書スピードが上がり、注意持続時間が長くなった」としている。
こういった、ビデオゲームの「良い効果」は、画面上で動く物やキャラクターを目で追いながら、ゲーム展開についていくには、高レベルの認知・反応能力が要求されるため、脳が刺激されるからではないか、と研究者は推察。
とはいえ、研究はまだ初期の段階であり、子供たちが「今日から堂々ビデオゲーム三昧!」と喜ぶ日が来るのは、まだ先のようだ。
※当記事は、ハイブリッド翻訳のワールドジャンパー(http://www.worldjumper.com)の協力により執筆されました。
参考
Video games tested as treatment for dyslexia
http://www.nhs.uk/news/2013/03March/Pages/Video-games-tested-as-treatment-for-dyslexia.aspx
(著:マイナビウーマン編集部)