2回 本塁打を放つ阪神・新井良=甲子園球場(撮影・森田達也)【拡大】
“予告通り”の一発だった。試合前の打撃練習。兄・貴浩と並んで行ったフリー打撃では約20分間、バットを振り続けた。そして、最後の締めの一打。「ラスト!!」と声を張り上げると、左投手の高田打撃投手に外角の球を要求。右手で右翼席を指さした。1球目はとらえきれなかったが、おかわりして右翼ポール際に叩き込んだ。
まさに「練習でやっていることができた」という一発だった。前日は守備の乱れで敗れたが、嫌な流れを吹き飛ばしてみせた。ただ、3本の指を立てて喜びを表すポーズは先にホームを踏んだ福留がしてしまい、できなかった。「あとでナリ(今成)と小さくやりましたし、それはそれでOKです」と苦笑い。だが、これも良太がチームのムードメーカーという証拠。その笑顔はベンチを明るくする。
「いいときもあれば、悪いときもあるので。練習でできることの積み重ね。これからもああいうふうに打てるようにしたい」
打順もいまは7番だが、4番も打てる。背番号「32」のバットから響く快音が、猛虎の快進撃の合図だ。 (西垣戸 理大)
(紙面から)