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2013年5月1日(水)付

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日ロ領土交渉―再出発の土台はできた

再スタートを切る土台は、ひとまずできた。将来の日ロ関係を見すえ、交渉を着実に進めなければならない。ロシアを公式訪問した安倍首相が、プーチン大統領と会談した。長らく実質的[記事全文]

猪瀬知事発言―五輪の逆向く非常識

五輪のホストとしてふさわしいのか。その資格を疑わせる、非常識な発言である。東京都の猪瀬直樹知事が米ニューヨーク・タイムズ紙のインタビューで、2020年五輪招致をめぐり、[記事全文]

日ロ領土交渉―再出発の土台はできた

 再スタートを切る土台は、ひとまずできた。将来の日ロ関係を見すえ、交渉を着実に進めなければならない。

 ロシアを公式訪問した安倍首相が、プーチン大統領と会談した。長らく実質的な協議が中断してきた北方領土交渉を再開すること、その加速化を図ることで合意した。

 共同声明は、戦後67年間も平和条約が結ばれていない状態を「異常」と指摘。両首脳が、両国外務省に「相互に受け入れ可能な解決」に向けて定期的に指示を出す仕組みができた。

 両首脳が指導力を発揮し、政治の責任で交渉を前に進めようという意欲は評価したい。

 領土交渉の停滞で冷え込んだ両国関係は、昨年春に大統領に復帰したプーチン氏が「引き分け」による領土問題打開を主張したことで風向きが変わった。

 だが、領土問題での立場の隔たりは大きい。

 北方四島の返還を求める日本に対し、ロシア側は「第2次世界大戦の結果、ロシアへの帰属が確定した」との立場を崩していない。プーチン氏も、歯舞、色丹二島の引き渡しで決着を図る意向を示してきた。

 一方、今回の会談は、四島の帰属協議を明記した2003年の「日ロ行動計画」を含む過去の文書、合意に基づき平和条約交渉をすることを再確認した。

 10年前に戻っただけとはいえ、最近のロシア側の言動からみれば、前向きな変化と取れる。会談でプーチン氏は、面積等分方式によるロシアの領土問題の解決例にも言及した。

 今後の交渉では、国後、択捉も含めた四島帰属の実質的な協議へとつなげたい。

 重要なのは、領土交渉と並行して、経済など利害を共有できる分野の協力を拡大していくことである。

 会談では、福島第一原発事故後に需要が急増した天然ガスのロシアからの輸入のほか、日本への電力供給、再生可能エネルギー開発など多様な分野での協力の可能性が指摘された。

 ロシア側が関心を示している医療、都市環境、省エネなどでの対ロ協力は、日本の成長戦略にも寄与する。

 安全保障面では、強大化する中国や、北朝鮮の核問題などをめぐり、日ロが連携を深めることが急務だ。今回、立ち上げが決まった外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)の枠組みを大いに活用したい。

 関係が質的に高まれば、国民同士の距離も近づく。将来、指導者同士が政治決断をする環境づくりにもつながろう。

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猪瀬知事発言―五輪の逆向く非常識

 五輪のホストとしてふさわしいのか。その資格を疑わせる、非常識な発言である。

 東京都の猪瀬直樹知事が米ニューヨーク・タイムズ紙のインタビューで、2020年五輪招致をめぐり、他の立候補都市を中傷するような発言をした。

 「イスラム諸国が共有しているのはアラー(神)だけで、お互いにけんかをしている。そして階級がある」。イスタンブール(トルコ)が初のイスラム圏開催をめざしており、そこを念頭に置いていたのは明らかだ。

 問題発言は、インタビューの終了間際の雑談中に出たようだ。批判を受けた知事は「誤解を招く不適切な表現で、おわびしたい。認識が甘かった」と謝罪し、発言を撤回した。だが、それで片付くものではない。

 そもそも、五輪精神を持ち出すまでもなく、多文化社会の価値への配慮を欠いている。

 知事は「トルコに行ったこともあり、イスタンブールは個人的にも好きな都市である」と釈明した。実際に現地を訪れて、米紙の質問にこたえたのと同じように語れるだろうか。

 親日の国で知られるトルコ国民をはじめ、イスラム教を信じる人々の感情を逆なでする失言が、国際都市東京のトップから飛び出すとは何とも情けない。

 20年五輪招致を引っぱる立場であることを考えると、その逸脱ぶりは、なおのことだ。

 国際オリンピック委員会(IOC)は招致の行動規範で、立候補都市が他都市の批判や比較をしないよう定めている。それに抵触する可能性が大きい。

 五輪のシンボルマークは、5大陸の団結と世界中のアスリートが一堂に集うことを表している。五輪憲章は「人種、宗教、政治、その他の理由にもとづく国や個人に対する差別と相いれない」とうたっている。

 昨夏のロンドン五輪は、国連加盟の193カ国を上回る、204カ国・地域の選手たちが競いあった。東京で開催することになれば、さまざまな違いをもつ人たちを招く立場になる。

 20年五輪の開催都市は9月7日のIOC総会で決まる。東京への招致のハードルは一段と高くなることだろう。

 失言の矛先はもうひとつの候補都市、マドリード(スペイン)にも向けられた。

 「選手にとって一番いい場所はどこか。インフラが整っておらず、洗練された施設もない二つの国と比べて下さい」と、東京の優位性をアピールした。

 五輪精神の逆を向くような発言は、招致の成否にかかわらず、日本にマイナスである。

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