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鎌倉は登録困難に 地元は
5月1日 5時39分

ユネスコの世界文化遺産への登録を目指している富士山について、ユネスコの諮問機関は、「登録がふさわしい」とする勧告をまとめ、富士山は6月にも正式に世界遺産に登録される見通しになりました。一方、神奈川県の鎌倉については、世界遺産への登録がふさわしくないと勧告したため、登録は難しくなり、文化庁は今後の対応を検討することにしています。
今回の勧告について、関係する神奈川県知事と、鎌倉市や横浜市、それに逗子市の合わせて3つの市の市長は「これまで国と連携しながら共同して準備を進めてきた中で、非常に残念な結果となりましたが、国とも相談し、今後、どのような取り組みを進めていくのかについて検討してまいります」というコメントを共同で出しました。

このうち鎌倉市役所には、30日午後11時半ごろ、神奈川県を通じて今回の勧告の内容について連絡が入り、待機していた担当職員が手分けして関係する寺や神社に電話やメールで内容を伝えていました。
職員たちは、電話で「残念な結果になってしまいました」とことば少なく告げていました。
鎌倉市世界遺産登録推進担当の吉田浩担当次長は「イコモスの現地調査でも一定の理解が得られたという感触を持っていたのに、勧告の内容には正直とても驚きました。世界遺産の候補として暫定リストに記載されてから20年余りの間、登録に向けた取り組みを続けてきたので非常に残念です」と重い口調で話していました。
そのうえで「今後の取り組みは国や県と相談して考えていきたいが、世界遺産の登録にかかわらず、鎌倉でたくさんの歴史的な遺産が守られてきたことには変わらないので、これからも守り続けていきたい」と話していました。

保存会「非常に残念」

鎌倉の世界遺産の登録に向けて景観の維持活動などに取り組んできた公益財団法人「鎌倉風致保存会」の野田充博事務局長は「イコモスがどのような答申をしたのかまだ報道しかみていないので分かりませんが、長年取り組みを進めてきてこのような結果は非常に残念です。今後はイコモスから出された答えを分析し、みんなと話し合って今後の活動を決めていきますが、歴史的な景色を次の世代に残すという目的は今後も変わりませんので、今までと同じように活動を続けていきたいです」と話していました。

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