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5つ星のうち 4.0
気にしない、気負わない、まあ良いんじゃないのという「テキトー力」が大切, 2011/12/25
PHP研究所の月刊誌THE21の連載がベースになっているそうだ。1テーマが数ページ単位でまとまっており読みやすい構成になっている。
他人には「気にしない、気にしない」と言いながら、自分のことになると「気にしろ、気にしろ」と迫っている状態になりがちで、多くの場合は悪循環に陥ってしまい、なかにはうつ病になってしまう場合もあるようだ。一番良い解決法は「最初から気にしないようにすること」で、その方法をまとめたのが本書である。
ポジティブであることが良いことであって、それを要求され常に前向きで成長し続けることを由とする風潮は、いまだに高い経済成長を求められる日本経済と重なって見える。
以下気になった/気に入ったポイント。
・東日本大震災を機に日本全体、日本人全員が何らかのストレスを感じている。このような非常時や限界を示された時の決断は間違うことがある。吊り橋効果、閉店時刻効果という。
・目標は立てるべきものではなく立ててもいいものくらいに考えておけば良い。普通に生きるだけでも大変なことだ。
・計画や目標を達成できなかったことで自分を責めてはいけない。マイナスの感情のループにはまってはいけない。
・功利主義的・効率的読書=速読術は不要だ。何げなく手に取った一冊に名著があることもある。実用書と人生を豊かにする本は分けて考えたい。
・テキトーがなぜ悪い。厳格なルールは相手を信用していない証拠。その傾向を強めているのが会社という組織である。その結果うつ病、労災、パワハラなどが増えていると思われる。
・「まあいいんじゃないの」と許しあえるテキトー力を身につけたい。
・人は実生活の中では役回りにふさわしい「演技」をしている。
・駅伝人気は絆を作りたいことの象徴。成果主義などによりぎすぎすした職場になっていることの表れ。