安倍晋三政権の勢いが止まらない。昨年末の発足以来、初の国政選挙となった参院山口補選で、自民党新人候補が、民主党推薦候補にダブルスコア以上の大差をつけて圧勝したのだ。永田町では、昨年末の衆院選を「無効」とする一部高裁の判決を受け、安倍首相が7月の参院選に合わせて、衆院選も断行する「衆参ダブル選挙」がささやかれている。選挙プランナーの松田馨氏による獲得議席予測では、自民党が衆院では319議席を得て単独で3分の2以上となり、参院でも公明党と合わせて過半数を獲得し、歴史的圧勝を収めるという。
「経済や外交・安全保障、教育など、山積する国家的な課題への政権の姿勢と4カ月の結果に、国民から評価を頂いた。日本を取り戻す戦いはまだ道半ば。さらに身を引き締めて力強く政権運営に当たりたい」
安倍首相は28日夜、地元・山口での補選勝利を受け、こうコメントした。自民党新人で元下関市長の江島潔氏(56)が約29万票を獲得した一方、民主党などが推薦した元法相の平岡秀夫氏(59)は約13万票止まり。開票直後に「当確」が出る大差だった。
GWが終われば、永田町は参院選一色になるが、連休突入前の国会では、衆院の「1票の格差」是正をめぐり与野党が激突した。
昨年末の衆院選を「無効」とする一部高裁の判決を受け、自民、公明与党は、選挙区定数の「0増5減」に基づき区割りを改定する公職選挙法改正案を可決、今国会中の成立が確実となった。
選挙プランナーの松田氏は「『0増5減』を早期実現し、『違憲ではない衆院選を行い、(憲法改正を見据えて)正統性のある安定政権をつくりたい』として、安倍首相が衆院解散に踏み切れば説得力がある。あり得るのではないか」と語る。
松田氏が、昨年末の衆院選の結果や、最新の選挙区情勢、地方選や世論調査の結果を加味してはじき出した議席予測は別表の通り。
自民党の議席がすさまじい。衆院では「小選挙区246、比例区73の計319」。衆院での法案再可決や憲法改正発議が可能な3分の2議席(317議席)を突破する。昨年獲得した296議席を大きく上回り、2009年衆院選で民主党が獲得した308議席も超えている。