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5つ星のうち 5.0
塩害という発想には驚いたが、おもしろく読んだ, 2013/2/12
「 阪急電車 (幻冬舎文庫)」や「 フリーター、家を買う。」の著者のデビュー作であること、自衛隊三部作の第一作であること(なぜか角川文庫では第3弾だが)などの予備知識を持って読み始めた。 宇宙から飛来落下した巨大な塩の結晶により、人が塩の結晶となり絶命(塩害という)し、その結晶化が結晶を見ることによって伝染していくという発想に驚いた。 また、このようなショッキングな内容にもかかわらず、恋愛ものという側面を持っているところも面白いところだ。 主人公の一人秋庭は、トップクラスのパイロットだが何らかの理由により自衛隊を離れているときにこの塩害が起こった。もう一人の主人公真奈は塩害で両親を失うが秋葉に助けられた。秋葉はパイロットとして活躍し人類を塩害から救うが、人類のためにやったのではなく、愛する人が塩の柱になるのを見たくないからというのが本当の理由だった。 自衛隊ものという割には自衛隊の話はあまり出てはこないのだが、自衛隊内部の事情に詳しい記述が多くみられた。 引き続き、残りの三部作「 海の底 (角川文庫)」「 空の中 (角川文庫)」を読破中。
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5つ星のうち 4.0
ブラジルへの親近感を抱かせる, 2013/2/7
まえがきにも書かれているが、ブラジルには独特の流儀があり、ブラジル社会には必ずどこかに余裕(ハンドルの遊びのようなもの)があるそうだ。これは、ポルトガル領だったため、ポルトガル人が先住民や黒人と同化しゆったりした優しさをもつ国民性が培われたことによるという。人種のるつぼで形成されたブラジル人は熱狂とサウダージが同居するようになった。外国人に対しても寛容で日本からの移民が多く活躍していることもよく知られている。もし、他の南米諸国と同じく、支配・被支配がはっきりしていたスペイン人に支配されていたら、今のようなブラジルは存在しなかったのかもしれない。 外交面では毅然とした対米姿勢を有し、中新国のリーダーという立場をとる。経済的にも世界第8位である。工業面では、1984年からフレックス車というアルコール車が主流で、世界の中では珍しくトヨタのシェアが低いということだ。 戦争をしたことがないということも特筆すべきことだ。ブラジルの発展に関しては、ルラ大統領という指導者の功績が大きいということも本書で初めて知った。
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5つ星のうち 5.0
2008年の本だが全くいまにも当てはまる, 2013/2/5
「職場がおかしい、何かさめた感じのする職場、ぎすぎすした職場が増えている。」で始まる。 共通の心理連鎖が起きているという。各人の仕事は細分化され1人1人に独立した役割が与えられている。仕事は自分で抱え自分でやり切るものだという強迫観念が唱えられている。ームとしてより個人の成果結果が大きく評価される。報酬にも大きく反映される。周囲の人の人となりや考え方を知る機会が著しく少ない。ミーティングは進捗報告中心で議論や考えたりする機会はない。 自分以外の人間との関係が希薄化した状態では、自分を守ろうとする心理が強く働き、自分の殻に閉じこもり自分の心と体を守るために、自分の領域に踏み込まれないようにする。これは、企業だけでなく社会全体に増えている。協力の問題は組織の問題であり社会の問題である。協力を阻害する要因の一つとしてインセンティブ「馬ニンジンではない広い意味での動機づけ」を挙げている。かつては長期安定雇用が多数だったが、リストラにより就労者が会社を信用できなくなった、転職が当たり前になり短期的インセンティブを重要視するようになった。このようにして長期的な協力のインセンティブが失われてしまった。「その仕事は私のためになるのですか」という言葉がそれを如実に表している。
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5つ星のうち 5.0
日本の新聞・テレビはジャーナリズムにあらず, 2013/2/5
著者はニューヨークタイムス東京支局長の肩書を持つ新聞記者である。東日本大震災での日本の大手メディアの報道姿勢(政府や官僚からの横流し報道に終始するばかりだった)に我慢がならず本書を書いたものと思われる。 ニューヨークタイムス東京支局の記事がピューリッツァー賞ファイナリストに選ばれた。著者はSPEEDIデータの隠ぺいに対する怒り(a sense of moral outrage)が燃え盛ったという。そしてこれが一連の調査記事に結びついた。「良いジャーナリストには正義感(悪に対する人間的な怒り、義侠心)が必要だ」ということだが、著者は日本の記者には正義感が感じられないと言い切る。 また「はじめに」を読むと、野党第一党代表小沢一郎へのバッシング報道のあまりのひどさにも怒りを感じていたようだ。記者クラブメディアが、日本の民主主義を棄損しており、正しい「権力の監視」や「権力への批判」が行われていないということだ。 このような報道の温床となっている記者クラブの弊害については、従来から他書( 官僚とメディア (角川oneテーマ21 A 62)、 報道の脳死 (新潮新書))でも指摘されていることだが一向に改善される動きはない。これは、メディア側も権力側も同じ穴の狢だからである。 テレビや全国紙(つまり記者クラブメディア)の記者は東大・京大・有名私立新卒者が採用されるが、キャリア官僚も全く同じである。つまり大学で席を並べていたものが、官僚とメディアの"同期入社組"となり出世していく。結果として権力を監視する立場の記者が権力側と似た価値観を持ち「国民を良い方に導いている」という官尊民卑の思想を持っていくことになると思われる。 記者クラブという連合体を作り、官僚機構の一部に組み込まれる形でプレスリリースやリーク報道に終始する。これは「発表ジャーナリズム」であってジャーナリズムの本来の役割「権力の監視」ではない。ジャーナリストとは、権力と市民の間に立ち当局を監視し不正を糺していく専門職であり、決してサラリーマンではないはずだが、日本においてはそうではないのだ。 このような中でかつての亀井金融大臣が記者クラブに所属しない記者のために大臣室で会見を開いていたこと( 亀井静香が吠える 痛快言行録)は大きな快挙だが、このような事実も報道されることはない。
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5つ星のうち 4.0
大変お買い得なパッケージ, 2013/1/24
Amazon Vine 先取りプログラム™ メンバーによるカスタマーレビュー (詳しくはこちら)
この商品にはバリューサポート(サポートプログラム)1年分が付属して大変お得なパッケージとなっている点を評価したい。また消費税の改正にも対応しているので安心である。
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5つ星のうち 5.0
結婚祝いに贈ってとても喜ばれた, 2013/1/12
私自身はこの旧モデルを使っていて、保温性の良さにとても満足していました。このたび親類が結婚することになりコーヒーメーカーを欲しがっていると聞いたので、この商品を送ったのですが、とても喜んでくれて贈った方もうれしくなりました。価格のディスカウントも大きいのでコストパフォーマンスの高い良い商品だと思います。
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5つ星のうち 4.0
政治リテラシーについて考えるきっかけ, 2013/1/4
ポピュリズムという言葉の定義(あるいは使われ方)が時代とともに変わってきてるということがわかった。本来の定義はこうなのに、著者は違った意味で使っておりけしからんなどと考えると本書を読む意味はなくなってしまう。 著者は開講の辞で「ポピュリズムとは、大衆のエネルギーを動員しながら一定の政治的目標を実現する手法」と言っている。多分これは間違っていないのだと思うが、「大衆のエネルギーの動員の仕方」が大きな問題なのではないだろうか。 例えば、小泉政権は、構造改革、規制緩和、民営化という聞こえの良いキャッチフレーズを並べ、マスゴミを利用し、大衆を扇動し実現した。扇動されて浮かれてしまった国民に責任があるが、その間で宣伝役になったマスゴミの責任がもっとも重いと思われる。本書でも「政治の商品化」という意味の言葉が使われているが、マスゴミにとって政治が商品になっており、部数を伸ばすため、視聴率を上げるための商品になっていることは間違いがない。 さらに最近では、インターネット、ツイッターなどのメディアが政治の場にも台頭してきている。これらの新しいメディアを政治にどう使っていくのか、国民はこのような扇動的情報に惑わされず正しい判断をしなければならない。
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5つ星のうち 4.0
初心者にはなかなか「かんたん・やさしい」というわけにはいかない, 2012/12/27
Amazon Vine 先取りプログラム™ メンバーによるカスタマーレビュー (詳しくはこちら)
確かに、初心者のための「かんたん・やさしい」機能が付いているのだが、そもそも初心者には仕訳(貸方、借方)などがわかりにくいのも事実だ。それでも実際に会計業務をやらなくてはいけないわけなので、こういうソフトが必要ということになるのだ。
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最高裁の罠
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志岐 武彦著
エディション: 単行本 |
価格: ¥ 1,575 |
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48 人中、47人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
小沢事件に関する最高裁事務総局の関与を事実として指摘している, 2012/12/16
森ゆうこ氏の「 検察の罠」の続編とも思えるタイトルだが、小沢一郎に対する罠を仕掛けた張本人が最高裁事務総局であることを、情報公開などによって地道に集めた事実を積み上げて明らかにしている。さらに、驚くことに小沢氏に対する強制起訴議決は架空議決だった可能性が高いことまで指摘している。 国民としてあきれることは、法に則った情報公開を求めても、官僚の判断でいとも簡単に「非開示」とされて、重要な情報を得ることができないということだ。国会での答弁についても、まさに慇懃無礼としか言いようのないわざと的を外した答弁で逃げている。 本書では、著者らが実際に経験したこれらの事実を忠実に記している点でも貴重である。官僚は国民のために働いているのではなく、自分たちの既得権益を守り、天下り先を確保し、責任逃れをするために働いているのだということがよくわかる。 志岐氏の活動はブログなどを通じて知ってはいたし、実際に検察審査会を仕切っているのは最高裁事務総局であることも分かっていたが、書籍としてまとめ上げられ発行されたことの意義は大きい。
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6 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
ちょっと昔の若者の姿をうまく描いている, 2012/12/6
毎日新聞夕刊に1年間連載された新聞小説ということだ。かなり分厚い文庫本だったが、一気に読み終えた。 かつて東京ではないが大学生になって一人暮らしを始めた頃のことを懐かしく思い出した。適切な良い表現かどうかは分からないが、洒落た小説だと思う。 映画化されるという話題になっていたため購入したのだが、目次を見ると、4月から3月までとなっていて主人公の1年間を描いたものだと分かる。しかし、実は所々に世之介が関わった登場人物の後日談が書かれている。いずれも大学1年生の世之介のことをはっきりと覚えているわけではないのだが、良い思い出としてその心に残っていることが分かる。また誰もが自分の人生を真面目に生きていることを伺わせるところが良い。 JRの新大久保駅のホームで線路に落ちた人を助けるため線路に飛び降りて亡くなった韓国人留学生と日本人カメラマンがいたが、そのカメラマンがモデルというかこの作品のきっかけになっていることをウェブ上で公開されている某バラエティ番組の対談録で知った。 ストーリーとは関係ないが、何気ない描写に、昔の日常が呼び覚まされて懐かしく思った。そういえば学生の必需品は丹前だったし、未整理の写真はひよこの菓子箱の中に雑然と入れられていたものだ。 また、長崎人の「なんかさー」という口癖を、さくらが口にしていたところも懐かしさを感じた。
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