なぜ、私は就職先に“小泉純一郎”を選んだか
私は秘書を辞めてからの5年間、客員教授として駒沢女子大学にお世話になってきたが、この3月末で退任することになった。アフリカ、中東、ロシア、中南米など海外での活動の場が増えたこともあり、前期15回、後期15回の一講義90分という授業のスケジュールを確保するのが難しくなってきたのだ。
大学側からは「飯島さんの授業で、学生の目が覚めてきている。新聞を読み、ニュースを知り、授業を聞く態度が変わり、質問も活発にするようになった。こういう授業は珍しい。何とか続けてほしい」と、いまでも慰留されている。短期の集中講義なら、と検討しているところだ。
駒沢女子大での私の講義は3年生以上が対象で、プレジデントの連載をテキストにしている。卒業に必要な単位を取り終えているのに、まだ聞きたいという学生もいて、朝9時からの講義がいつも満席だった。不思議なことに、学内では「飯島の講義を受けると就職できる」と評判になり、毎年90人の枠が抽選になるほど人気を博した。
今回は、就職活動について述べたい。
私の講義を受けられるのは3年生以上で、すでに就職活動を始めている時期だから、就活に直接的な効果はない。私の講義内容が生かされるとしたら、皮肉にも、内定を取るのに苦労した学生だけということになる。
大学では1、2年生で一般教養の必須科目の授業を受けることが多い。本当に自ら希望する分野を学び始めるのは、3年生以上になってからだ。しかし、そのときにはすでに、就職活動を始めなければならなくなっている。