猪瀬知事 五輪招致巡る発言訂正し謝罪4月30日 15時29分
2020年夏のオリンピック招致を巡り、東京都の猪瀬知事が「イスラム諸国はけんかばかりしている」などとライバル都市を批判する発言をしたと、アメリカの新聞ニューヨーク・タイムズが報じたことについて、猪瀬知事は発言を認めたうえで、「不適切な発言があったことについておわびしたい」と述べ、発言内容を訂正するとともに謝罪しました。
今月26日に掲載されたニューヨーク・タイムズのインタビュー記事は、猪瀬知事が、ライバルとなる2つの都市との比較に言及したほか、「イスラム諸国で人々が共有しているのは唯一アラーだけで、互いにけんかばかりしている」などと、ライバル都市のトルコのイスタンブールを批判する発言をしたと報じました。
これについて猪瀬知事は30日午前、記者団に対して、インタビューを受けた際、ほとんどの時間を東京の開催計画などのPRに時間を割いたあと、東京とイスタンブールを比較する質問が出たため、それに答えたと説明しました。
そのうえで、報道されている発言内容を事実だと認め、「イスラム圏でけんかしているのもあると言いました。不適切な発言があったことについておわびしたい。イスラム圏の方に誤解を招く表現であって、申し訳なかった」と述べ、発言内容を訂正するとともに謝罪しました。
また、ライバル都市と比較したりイメージを損ねたりする行為をIOC=国際オリンピック委員会が固く禁じていることについての認識を問われると「甘かったといえば甘かった」と述べ、みずからの認識の甘さを認めました。
さらに、今後の対応については「これからの招致活動は、ほかの都市の招致活動に敬意を払っていきたい」と述べました。
発言一変の背景は
今回、ニューヨークタイムズが報道した発言について、猪瀬知事は29日夜にコメントを発表し、「私の真意が正しく伝わっていない。ほかの都市を批判する意図は全くなく、インタビューの文脈と異なる記事が出たことは非常に残念だ」と述べました。
一夜明けて、猪瀬知事の発言は一変し、「不適切な発言があったことについておわびしたい」と述べ、全面的に謝罪しました。
この背景には、報道されている発言が事実である以上、早めに謝罪をしたほうが事態を収拾し、招致活動への影響を最小限に抑えることができると判断したとみられます。
都庁内では、猪瀬知事が「真意が伝わっていない」などというコメントを出した29日夜のうちから、今後正念場を迎える招致活動に決定的な影響を及ぼすことを心配して、記事の内容について争うことは避けるべきだという意見が複数出ていました。
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