はじめに
せっかくのイベントですから、レトロPCの実機を展示したいところです。 私は68ユーザーなので、68しかも初代を展示したいところ。 うちのあるのはACEなのでなんとかならないかなぁと思っていたところ、 ツイッターつながりのK様より、実家から発掘したという初代をお借りすることが出来ました。 さっそく展示…と行きたいところですが、もう25年前のハード、当たり前ですが壊れているとのこと。
そこで本イベントの開催を記念して、「素人がどこまでやって直せるかなX68000」をやろうと思います。 本体はともかく、モニター修理は死に直結します。まずは放電の仕方などをネットで調べつつ 少しずつ、できればイベント開催の6月8日までにできるとこまでやってみようと思います。 最初に、私などに修理の許可を頂いたK様に心から感謝致します。
4月20日(土)
この日は地元のボーイスカウトのお手伝い。帰ったところでまずモニターが到着しました。
かなり厳重に梱包されております、送り主の方の68への愛情を感じます。
貼ってあるシールもカッコいい!
段ボールを開けるとチルトスタンドが同梱されていました。これがあるとカッコ良さが増すのですね。
とりあえずモニターを取り出したところ。私にとってはほぼ20年近い純正モニターとの再会です。
(昔の自分はちょっと調子が悪くなっただけで、新しいモニターを買ってポイしてました。
なんてもったいない!)
CZ-600DE。3モード対応はもちろん、アナログRGBとデジタルRGBの切り替えも出来る優れものです。
私はファミリーベーシック→X68000と来たので(飛びすぎ)デジタルRGBを使ったことはないのですが…。
背面。アナログTV入力やデジタルRGBの端子も見えます。
とりあえず症状を確認しましょう。コンセントをつないで電源ON!
いわゆる「横一」の状態です。確認が終わったので、コンセントを外して当分放置。
4月21日(日)レトロエクスプレスまで残り48日
朝から雪だよ…。10cmは積もりました。まさかゴールデンウィーク前に雪景色を
楽しむはめになるとは思わなかった…。
午前中に本体の方が届きました。キーボードもあり。マウスは欠品とのこと。
ちょうどうちにグレーのマウスが余っていたので、これを使います。
懐かしい段ボール。なかなか取っておくのって難しいんですよね。
出ました!CZ-600CE!
背面。初代って裏にもDISK EJECTボタンがあるのですね。初めて見ました。
内部でどうFDDとつながっているのだろう。
さて、本体に関しては動作確認は致しません。
もう動作がおかしいということは先方から伝わっている以上、何はともあれ
電源を修理することが先決です。無駄に電源を入れても悪化させることしか
できないので。
さっそく左タワー背面の黒いネジを3カ所外します。
あれ、2カ所はネジがありませんでした。代用できるものがないか探しておきましょう。
さて左タワーのカバーを外します。
カバーの三カ所にツメがあるので、その部分を押します。
開けたことがない場合、結構固いので焦らずに何回も押して行きます。
だんだん開いてきました。
ツメが折れると元も子もないので慎重に行きます。見えない部分なので困りはしないですが
特に人様のものなので、慎重に慎重に…。ぐいぐい。
「ぴきっ」…ギャー!
何と言うことでしょう!左タワー本体側が欠けてしまいました。
ACE以降にはない出っ張りが、4つ目の引っかかりになっていたようです。
とりあえず作業を中止し、持ち主様に連絡。謝るしかありません。ぺこぺこ。
場合によっては返却しないといけないかも…。
返事を待つこと数分、すぐ返答を頂きました。「気にしないで、続けていいです」とのこと。
感謝と申し訳ない気持ちでいっぱいですが、作業を続行することにします。
欠けた部分は拾ったので、あとで補修することにします。
さて左タワーのカバーを開けると、ACE以降とは全く異なった様相を呈していることが分かります。
まず電源ユニットがACE以降で言うところのHDDの位置にあります。こりゃHDD増設できない訳だ。
またコネクタ周りが1つの基板になっています。
とりあえず目指すものは電源なので、電源周りの4つのネジを外します。
これで電源が…外れません。どうなってるんだ?
仕方がないので、周りのコネクタ基板とFDDも外しました。残るは電源だけ。
こいつ…、浮いてるぞ…。
結局ネットで検索すること数分。初代の分解方法が見つかりました。
それによると、なんともう1つのネジが裏側から止まっており、これを取るには
右タワーの分解が必要とのこと。結局ほとんど全部ばらさないといけないのね…。
くじけずに右タワーに取りかかります。
黒いネジを外して、カバーを後ろにずらす…。今度は3つのツメ以外には何もなくきれいに取れました。
まずシールド板を外します。外側から見て見える位置のネジを外します。
そろそろ外したネジの数が増えてきたので、外したネジはシールド板にテープで貼っておきます。
右タワーの内部も当然異なります。
下半分は基板が2重になっていますが、これはこのまま外せます。
あとはケースと基板をつないでいるネジ、具体的には基板に銀のシートが貼られているところの
ネジを全て外します。あとはこじこじ。ビデオ周りが引っかかりやすいですが、少しずつずらして
基板を外します。この作業は結構大変でした。何も引っかかってないことを確認しながら作業を数分。
そして、取れた〜!
底面基板とつながっている電源線とフラットケーブルを外して、本体基板を取り去ります。
取った後の風景。
最後にようやく、電源を外します。右タワーから見て、写真の位置にネジがあります。
これを外すと、ようやく電源が取れました。やれやれ。
ひとまず休憩を入れます。
4月24日(木)レトロエクスプレスまで残り45日
ちょっと風邪でくたばってしまいました。咳をすると胸が痛いの。うひぃ。あえなく医者送り。 さてさて、残り時間はあまりありません。スピードを上げて行きましょう。 いよいよ、電源の分解に取りかかります。
ここでポイント。取り外したネジはなるべく元の穴につけたり、パーツの出所も シールを貼るなどして覚えておきましょう。よくあるのは「分解は出来たけど元に戻らない」ことです。 カパッと開くと…むむむ。
特に液漏れらしいものは発見できません。コンデンサの防爆弁も見た感じ問題なし。 貸し主様曰く「とりあえず起動はできる」とのことなので、ゆる〜く劣化しているのかも知れません。 しいていえば高圧側のデカいコンデンサの頭がペコペコしていることくらいでしょうか?
裏側のパターンも腐食などなく、きれいなものです。ちょっと一安心。 それがわかったところで、さっそくコンデンサのリストアップをします。 電解コンデンサだけに注目すると…。
位置 | 容量(μF) | 耐圧(V) | 温度指定(℃) | お店 | 価格(円) |
C706 | 470 | 200 | 105 | 秋月 | 350 |
C709 | 22 | 25 | 85 | 共立 | 15 |
C710 | 4.7 | 50 | 85 | 秋月 | 10 |
C714 | 4700 | 10 | 105 | 共立 | 126 |
C715 | 3300 | 10 | 105 | 共立 | 110 |
C716 | 3300 | 10 | 105 | 共立 | 110 |
C717 | 2.2 | 50 | 85 | 共立 | 15 |
C718 | 2200 | 6.3 | 85 | 共立 | 146 |
C719 | 680 | 16 | 105 | 秋月 | 40 |
C720 | 47 | 6.3 | 85 | 共立 | 21 |
C721 | 2700 | 35 | 105 | RS | 197 |
C724 | 470 | 16 | 105 | 共立 | 84 |
C725 | 470 | 35 | 105 | 共立 | 63 |
C726 | 22 | 25/td> | 85 | 共立 | 15 |
C728 | 47 | 10 | 85 | 共立 | 15 |
お店はすべて通販サイト、RS=RSコンポーネンツです。一番高くつくのは送料なのであんまり各社 振り分けたくはなかったのですが、在庫がないことにはお話にならず…。
発注完了。金曜日に到着…とのことでしたが、残念ながら30日まで研修のため不在にします。 修理の方はしばしお待ちを。