◇ヤクルト12−3DeNA
2回表2死、左越えに2打席連続の本塁打を放ち、天を指さし生還するバレンティン=横浜スタジアム
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ヤクルトがバレンティンの3本塁打など今季最多の12得点で6連勝。バレンティンは1−0の1回に3試合連発の2ラン。2回に2打席連発のソロを放ち、8回にも2ラン。松岡が6イニング1失点で2季ぶり勝利。DeNAは土屋が乱れた。
巨大な放物線を描いた白球が外野スタンドの向こうに消えた。それを見届けてから、ヤクルトの主砲バレンティンはようやく歩き出した。
3発の本塁打を打ち上げ、うち2発を場外に放り出した。3日連続本塁打で、ここ5日間で計6発。来日以来3年連続計4度目となる1試合3本塁打をマークし、そのうち3度はこの横浜スタジアムで放った。「この球場で打席に立つと、なぜかすごく打てる感じがするんだ」とご満悦だ。
前日(28日)の巨人戦の最終打席で2ランを放ち、この日は1、2打席で連続本塁打。4回の第3打席でも続けば、王貞治(巨人)らが持つ4打席連続アーチの日本記録に並んだが、結果は詰まって左飛。「記録は知ってたから挑戦したけど。スミマセン」と残念がった。が、最後まで集中は切らさなかった。8回にも2ランを放ち、1試合3本塁打を5回マークしている王の記録にあと1回に迫った。
こんなビッグな『アーチスト』が横浜まで電車通勤している。ミレッジ、ロマンと3人で地下鉄の東京メトロ銀座線外苑前駅から乗車。渋谷駅で東急東横線に乗り換え、最寄り駅のみなとみらい線日本大通り駅まで電車に揺られる。ただし、昨季とは状況が一変した。これまで東急渋谷駅は始発駅だったため、座って通勤できたが、3月に地下鉄副都心線が乗り入れたことで満員で座れなくなってしまった。
この日も初めてつり革につかまり、30分以上立ちっぱなし。試合前には近藤通訳に「疲れたよ。今日はもう休み、休み!」と、冗談交じりにこぼしたが、試合では通勤疲れを感じさせないパワーを見せつけた。
絶好調男のおかげでチームは6連勝。ミレッジも2号2ラン、畠山も4号3ランと引っ張られ、初の3人そろい踏み。3年連続本塁打王に向けては「タイトルはブランコにプレゼントするよ。それより優勝したいんだ」とバレンティン。フォア・ザ・チームを強調した。
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