「社会不満勢力が韓国にうっぷん晴らし」 日本ジャーナリストが語る日本ネット右翼の実態
.
APRIL 30, 2013 08:18.
.
最近、日本の政界の右傾化現象が加速化し、ネット右翼勢力も「水に得た魚」のように活発に動いている。ネット右翼の活動に弾みをつけたのは「右向け右」の政界だけでなく、彼らを結束させるインターネットの力と指摘されている。
日本のフリージャーナリストの安田浩一氏は29日、「最近のネット右翼の主張は度を越えている」とし、「一般の人々の無関心の中、ネット右翼団体の会員が増えているうえ、彼らの主張にブレーキをかける装置もなかったためだ」と指摘した。安田氏は同日、東京の東亜(トンア)日報支社で、現在のネット右翼団体の動きをこのように診断し、安倍晋三首相の右寄りの言動も影響を及ぼしたと指摘した。靖国神社参拝、日本軍慰安婦強制連行の否定、独島(ドクト、日本名・竹島)領有権の主張などは安倍首相だけでなくネット右翼団体も主張するお馴染みの内容だ。
安田氏は、「ネット右翼勢力はネットで力を育てたが、かえってネットのために崩れる可能性もある」と見通した。ネット右翼団体の集会の様子がネット上に流され、国内外でネット右翼を嫌悪し、彼らの主張に反対する人々が生まれているためだという。
――最近の日本のネット右翼の動きは尋常でない。
「その通りだ。最近のデモでは、『韓国人を殺せ』、『レイプしろ』、『抹殺しろ』、『首をはねろ』といった背筋がゾッとするスローガンを叫んでいる。昨年も一部のデモ隊がそのようなスローガンを叫んではいたがごく少数だった。今はマイクを使って堂々と主張するほど過激になった」
――なぜ過激になったのか。
「李明博(イ・ミョンバク)前大統領の竹島上陸、対馬市への仏像返還問題などを掲げるネット右翼が結集している。一般の人々は巻き込まれたくないので無視している。メディアも批判しなかった。ネット右翼が過激になるのは必然的だ」
――誰がそのようなデモをするのか。
「ほとんどが在特会(在日特権を許さない市民の会)会員やその支持者だ。ネット右翼団体は多いが、大半は会員の数が片手で数えられるほどだ。しかし、在特会は現在1万3000人の会員を持つ大きなネット右翼団体だ。会員数も増え続けている」
――在特会の会員について詳しく説明してほしい。
「年齢、性別、職業は様々だ。中学生から70才までいる。無職が多いが、東京大学を卒業したサラリーマン、主婦もいる。共通点が2つある。『社会が生きづらい』と感じ、心が病弱(脆弱)な人々が集まった。不満を持つ人々は、その不満を在日韓国人に吐き出す」
――彼らに韓国はどう映っているのか。
「2つの姿がある。一つは、未開の韓国だ。韓国に行けば、殴られたりレイプされたりすると信じている。もう一つは、偉大な韓国だ。在日韓国人が日本の優秀な職場(職位)を占め、日本を支配していると考える」
この話をして、安田氏は在特会が最近配布したビラを見せた。「日本人差別をなくそう」というタイトルの下に在日韓国人の特権として、△仕事をしなくても年間600万円(約6800万ウォン)の収入、△税金を納めない、△医療、水道料金の無料などを挙げた。すべて事実ではない。在特会は、在日韓国人が特権を享受している反面、日本人は差別を受けていると感じている。
――どうしてそのような話にならないことを信じるのか。
「在特会の会員に不満の対象を尋ねると、韓国、北朝鮮、中国、そしてメディアだという。彼らは、日本のメディアが皆左翼で、『情報を隠している』と感じている。その代わりにネットを信頼する。自らネットに情報を流したりする。例えば、韓国人が日の丸を燃やす映像があるとしよう。在特会は素早くその映像をネットに流す。それを見た在特会の会員たちは韓国人が皆そんなことをすると信じてしまう。断言するが、ネットがなければ在特会もなかった」
――一般の人々は在特会の蛮行を見ているだけなのか。
「昨年まではそうだった。しかし、今年に入って新しい動きが出てきた。『在特会は日本の恥だ』という意見がネットで形成され始めた。日本を去るべきは韓国人ではなく在特会の会員ということだ。彼らは、在特会がデモをすれば対抗集会を開く。最近、新大久保では在特会の会員約200人が集まったが、反対者が300人も集まった。反対者の中には韓国を嫌う保守派もいる。しかし、彼らでさえ「在特会は度が過ぎる」という考えを持っている」
――政界では動きがないのか。
「微妙だ。一部の政治家は在特会に便乗している。ネット世論を意識して『竹島』問題、憲法改正問題などを強硬に語っている。『在日外国人に生活保護費を与えてはならない』という主張もある。一方、一部の政治家は在特会の動きにブレーキをかけている。民主党の有田芳生議員ら約10人の議員は、在特会のデモの場所に行って問題だと判断し、このような活動を阻止するための法案を準備している」