名古屋グランパスの2年目MF田鍋陵太(20)が定位置獲得へ猛アピール中だ。28日の矢崎バレンテFC(東海社会人リーグ1部)との練習試合で2得点2アシストと大暴れした。ライバルとして認め合うMF田中輝希(20)が今季飛躍しており、負けてはいられない。スピードスターが覚醒する。
大器が一皮むけた姿を披露した。若手主体の控え組で臨んだ28日の練習試合で、田鍋が4得点にからむ規格外のパフォーマンスを示した。「まだまだです。自分らしくドリブルで仕掛ける場面が少なかった」。アマチュア相手で本人の喜びは控えめだったが、アタッカーとして文句がつけようがない結果だ。
成長の跡は随所に。後半10分には自らシュートを打てる状況で、フリーの藤本へ落ち着いてパス。「今までは自分で打って怒られていた。監督からは『リスクの少ない選択をするように』と教えられてきた」。エゴを抑えた冷静なパスで、ゴールをお膳立てした。
後半21分のCKではステップでマークを外し、ヘディングをたたき込んだ。「ヘディングの得点というのは、あまり記憶にありませんね」。スピード自慢が新境地を開拓したシーンだった。
ライバルの活躍が発奮材料になっている。今季2得点で出場機会を大幅に増やしている田中輝は、三菱養和SC(東京)で1学年上の先輩。「小学校のころから知っている間柄です。ずっと競い合ってきたし、刺激になっています」と語る。
田鍋は「先に活躍されたのは悔しいですが、大切なのはこれから」と強調する。次節の川崎戦(3日・等々力)でのベンチ入りは濃厚。出世争いの遅れを取り戻すためにも、そろそろJ初ゴールがほしい。 (木村尚公)
この記事を印刷する