【第96回】 2013年4月26日 保田 隆明
なぜ北海道の歌登に
タイ人観光客が大挙しているのか?
北海道に住んでいる人ですら、「歌登(うたのぼり)?地名は知っているけど、さてどこだっけ・・・?」と地図を見ないと場所の見当がつかない。札幌に住んで丸3年の私の場合は、その地名すら聞くのが初めてであった。そんな場所にタイ人観光客が宿泊をして大満足をしているという。いったい、どういうからくりがあるのだろうか。
テレビ北海道の「けいざいナビ北海道」という番組では、毎週北海道の経済ネタをもとに構成しており、私はそのメインキャスターを務めている。毎回興味深いネタが登場するが、なかでも今回のタイ人観光客の話は本州のほかの観光地にも参考になる部分が大きいと思われるので紹介したい。
北海道の観光地と聞いて思い浮かべるのはどこであろうか。小樽、函館、旭山動物園、札幌、ニセコ、富良野、美瑛、網走監獄、流氷見学ツアーなどがパッと思いつくはずだ。
今回取材したタイからの観光客のご一行も小樽、札幌、旭山動物園は観光ルートとして組み込んであった。宿泊地には札幌、層雲峡(旭川に近い場所にある温泉街。首都圏の箱根、関西圏の有馬温泉のイメージであろうか)、そして歌登となっていたのである。
歌登について確認しておくと、地図を見てわかるが、周りに代表的な観光地はない。以前は歌登町であったが、今では隣の町と合併しており町でもない。合併後の枝幸町でも人口は1万人いない。