(1)テーブル席の設置
両氏が指摘するのが、牛丼店のほとんどが設置しているU字型カウンターについてである。
「従業員が作業するスペースを客席が取り囲むかたちのU字型カウンターは、対面に座っている客の顔が見える。自分が食べている顔が向かい側の人から見えることに、女性客は抵抗を感じるのではないでしょうか」(重盛氏)
そう言えば、回転寿司の場合はレーンが目隠しになっており、対面でもお互いの顔が見えづらい。またラーメン店では、L字型やI字型のカウンターが多い印象がある。それに対して、牛丼店に特徴的なU字型カウンターは、最も他人の顔が見えやすい配置と言える。
この点については、各社とも対策を練っている。女性集客の工夫について、吉野家ホールディングス、すき家を運営するゼンショーホールディングス、松屋フーズ(以降、3社)に聞いたところ、全社から「テーブル席の設置・拡大」という回答が返ってきた。
「カウンター席の他にテーブル席を用意して、女性でも食事をしやすいようにしています。また壁紙や照明、従業員の制服にもこだわり、牛丼店というよりもファミレスやカフェにいるような雰囲気も感じられるような工夫をしています」(ゼンショーホールディングス)
テーブル席は、女性客だけでなくファミリー層、シルバー層を取り込むためにも有効だ。今後もテーブル席を拡充する牛丼店は増えることが推測される。
大手3社の価格とカロリーを比較
「ミニサイズ」の有無は意外に重要
(2)メニューのサイズ
3社とも、主要メニューの牛丼(牛めし)については、3サイズ以上を展開している。しかし、女性客の集客に必要なのは「ミニサイズがあるかどうか」(笹木氏)という。