開発を関西の大きな起爆剤にしたいと話す積水ハウスの和田勇会長【拡大】
積水ハウス和田勇会長
--グランフロント大阪が街開きを迎えた
「都市計画の段階から含めるともう10年。開発計画の話を受けたのは、社長になりたての頃だった。当時はこれほどデフレ状態が続くと思っていなかったが安倍晋三政権が発足し、完成時に少し先行きが見えてきたのは良かった」
《最高価格(3LDK)が4億円を超える超高級マンション「グランフロント大阪オーナーズタワー」は525戸を完売。インターコンチネンタルホテル大阪のサービスが付属する》
--グランフロント大阪で手がけた分譲マンションも2月に完売した
「駅近の一等地を意識し高級感を出したせいか、売り出しから好調だった。インターコンチネンタルホテルのサービスも受けられるため、ゲストルームや長期滞在用の施設として使う人も多いだろう」
《企業、大学の研究機関を備え、一般の人が研究を体験できる「ナレッジキャピタル」には積水ハウスも研究拠点を設置した》
--産学連携拠点、ナレッジキャピタルの研究開発拠点「住ムフムラボ」の狙いは
「住に対する考えを発信することだ。視覚障害者のサポートで暗闇を体験する『ダイアログ・イン・ザ・ダーク』では、障害者が健常者と同じことができるのを住まいから提案する。健康や環境をテーマにしたコーナーも体験してほしい」
--ナレッジキャピタルの可能性とは
「そもそもの狙いはアジアのゲートウェイ。外国人を呼び込み、東アジアとの接点にしたい。例えば中国の大気汚染問題などでも、日本の環境技術を伝えることで改善が期待できる。技術や情報が集まる交流の場となれば、新しい文化の発祥地になりうる」
--うめきたは梅田だけではなく、関西全体の活性化につながるか
「大阪は日本第2の都市でありながら、地盤沈下しすぎていた。梅田一極集中という声もあるが、グランフロント大阪ができることで大阪全体が進化する。何か仕掛けないと世の中は良くならない。アベノミクスを活用し、この開発を関西の大きな起爆剤にしたい」(田村慶子)
わだ・いさみ 関西学院大法卒。昭和40年積水ハウス。平成2年取締役。専務、社長を経て20年から会長兼最高経営責任者(CEO)。72歳。和歌山県出身。