超幻想交差 (英語が苦手な人)
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第2話 開始

侑斗SIDE

始業式が終わり、教室に戻った俺たちは、思い思いの友達と雑談していた。

すると、

「席に着け。HRを始めるぞ!!」

突然教室の扉があいたと思うと、鉄人が入ってきた。

うわ、鉄人が担任なのか。

「Fクラスの諸君、進級おめでとう。初めにだが、少しお前たちの誤解を解いておこうと思う」

誤解? 俺たちが何を誤解してるんだろう。

「貴様たちの中には、『自分たちはFクラスだから落ちこぼれだ』と思っている奴がいるかもしれない」

あー………まあ、確かにそうだね。

振り分け試験の点数は、座学半分と魔法の実技半分で採点されている。

座学が苦手でも実技で、実技が苦手でも座学で挽回すれば、下位クラスに来ることなんてほとんどない。

つまり、Fクラスに来るってことは、そのどちらもあまりよろしくない人たちってことだ。

鉄人が俺にBクラス程度には入れる、と言ったのはこのためで、俺は実技なら満点近くとれるはずだし、座学も平均くらいならとれる。

ちなみに、雄二は、座学、実技ともに8割方とれる。

確かに、自分のことを、おちこぼれだと思っている人が多いかもしれない。

俺と雄二みたいに、わざわざ下位クラスに来た人もいないとは言えないけど。

「だがな、それは間違いだ。いいか、お前たちはまだ、俺から見れば、小さい子どもなんだ。まだまだ将来に無限の可能性がある。それなのに、努力することをやめてしまっては、せっかくの可能性を潰してしまうことになる。………もちろんここにはまだ、そんなことはきれいごとだと思っている者もいるかもしれん。そう思っている者は、『アインクラッド』の第1層の攻略結果を見ろ。考えが変わるはずだ」

『アインクラッド』

この単語が出た瞬間、俺の顔―――――おそらく雄二の顔も――――強張った。

『アインクラッド』こそが、俺たちが上位クラスになるための、方法の一つである。

っていうか、鉄人、俺たちの方をちらっと見たけど、俺たちの考えに気付いているのか?

…………それはないよな。

校門で会ったときは、気付いてないみたいだったし。

たぶん、本当に雄二と同じクラスになるためだけに、テストで手を抜いていたと思っているんだろう。

まあ、気づいていても、気づいていなくても、どっちでも教師には実害ないけどさ。

「それでは、それでは次だが…………」

その後は、淡々とHRの時間が過ぎて行った。


三人称SIDE

さて、ここは校長室。

ここには今2人の人物がいた。

1人は翔と雄二の学年主任『高橋 洋子』。

知的メガネをかけたクールな美女である。

もう1人は『妖怪ババァ長』この部屋に住んでいる妖怪で、夜な夜な人を襲っているというたちの悪い化け物………ではなく、この学園の学園長である『藤堂 カヲル』である。

「では、HR時にこれを生徒に配布いたします。あと何か不備はありますでしょうか」

高橋女史が、1枚のプリントを学園長に見せる。

学園長はそれにさっとめを通した。

「ふむ、いいね。あとあと付け加えることはあるが、まあ、第一層のルールはこれでじゅうぶんさね」

「分かりました。それでは失礼いたします」

高橋女史はきれいなお辞儀をして、学園調質から出て行く。

「さて、と」

1人残った学園長は、今度は今年の中等科3年生のクラスリストを眺める。

この老いぼれのババァは、こう見えてもこの学園の学園長だ。

つまり、その気になれば、この学園の全生徒のデータを閲覧することができる。

そんな学園長が今思うことは、

「今年のガキどもは粒ぞろいだねぇ」

と、いう事だ。

実際、今年の生徒のレベルは高い。

Bクラスの中堅ほどの生徒でも、去年のAクラス並みの成績である。

さらにAクラスには、今の段階で『天才』と言える生徒がたくさんいる。

そして、Fクラスのリストを見る。

そして、とても教育者とは思えないような顔で笑う。

「さて、今年のガキどもはどんなことをしてくれるんだか」

学園長が見ていたのは―――予想ではAクラスのトップレベルになると思っていた『坂本 雄二』と『櫻井 侑斗』の名前だった。


侑斗SIDE

クソ退屈なHRが、やっとのこと終盤に入った。

ここまで眠らなかった俺を、ほめてもらいたいね。

雄二は、開始20分で眠り始めたわけだし。

「さて、最後になるが、『アインクラッド』の攻略の最終確認のプリントを配るぞ。入る前に十分読んでおくように」

おっと、『アインクラッド』のプリントか。

雄二起こした方がいいな。

「おい、雄二起きろ」

「…………んあ?」

のっそりとした動きで、雄二が目を覚ます。

「なんだよ、侑斗」

「『アインクラッド』のプリントだってさ。雄二のそのスカスカの頭に、少しでも情報を詰め込んだ方がいいんじゃない?」

「なんだ、そんなことか。どうせ、分かってる情報しか来ねえだろ」

「ま、そうかもしてないけどさ。一応見ておいた方がいいんじゃないの?」

俺は、前から配られてきたプリントを雄二に渡す。

「ちっ………めんどくせえな」

「あからさまに舌打ちするなよ………えーっと、なになに」

うん、確かに知ってることばかりかな。

そもそも、『アインクラッド』が何かという事を説明しておこうと思う。

そのためにはまず、わが母校である『国立管理局付属特別養護学校』のカリキュラムの仕組みを説明してければならない。

基本的な仕組みは一般校と同じで、6歳から入学し、その後も中学、高校と続いていく。

一般校と違うのは、『魔法』をより実践的なレベルで学習するという事だ。

一般校にも『魔法』という科目はある。

が、しかし、そこでは基本的なことしか教えない。

だが、この『国立管理局付属特別養護学校』では、一般校では習わないような専門的な知識も学習する。

具体的に言うと、まず、初等科は一般校の小学校と同じである。

しかし、中等科になると、基本魔法の学習が一般校よりも早く始まる。

基本魔法の説明はそのうちするとして、その練習が、2年の夏まで続く。

その間、さらに選択制で武道の練習もある。

そして、夏が過ぎると、今度は自分だけが持っている技能『希少能力(レアスキル)』の練習になる。

『自分だけが持っている技能』って言ったけど、同じ能力を持っている場合もかなりある。

ポピュラーなのは、魔力変換の炎熱とか発電だ。

まあ、俺と雄二のは、本当にオンリーワンな感じがするけど。

っと、話がそれたかな、その『希少能力(レアスキル)』の訓練を2年生いっぱいまでやって、そして今から始まるのが、養成訓練の最終段階である実戦仮想シュミレーター『アインクラッド』である。

『アインクラッド』は、魔法技術によって実現したバーチャル空間で、そこではすべてが本物と遜色ないレベルで再現されている。

そこで作られた敵と戦う実戦訓練というわけだ。

『アインクラッド』色々な『層』に分かれていて、後の方の層ほど、敵は強くなっている。

さらに『アインクラッド』はクラスの格上げにも、重要な意味がある。

クラスの格上げには3つの手段が存在する。

1つは定期テストでの点数。

もう一つはクラス間戦争という、クラス同士での点数の奪い合い。

最後の一つが、『アインクラッド』内で倒した敵に応じて点数が加算されるというものだ。

こうやって加算された点数が、上位クラスの持ち点を超すと、クラスが入れ替わるというわけだ。

ちなみに今の持ち点は、振り分け試験のときの点数である。

「『アインクラッド』は1時から解放されるぞ。それでは話は以上だ。解散!!」

鉄人の野太い声とともに、HRが終わりを迎える。

この時を待っていた。

「行くか雄二」

「ああ」

俺と雄二は立ち上がる。

「坂本と櫻井はこっちにこい」

鉄人に呼び止められる。

なんだよ、せっかく勢いに乗ってたのに。

しぶしぶ俺たちは鉄人のとことまで行く。

「お前たちは今日、掃除当番だ」

やれやれ、しょうがないな。

「逃げるぞ、侑斗!!」

「おうよ!!」

「待たんか貴様らぁぁ!!!」

俺達と鉄人との耐久マラソンが始まった。



~2時間後~
「畜生、鉄人のせいで時間を取られちまった」

「しょうがないよ、それじゃあ、今度こそ行くか雄二」

時刻は2時47分、俺たちは『アインクラッド』に入った。



感想待ってます。

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