27日、米ホワイトハウス記者会が主催する夕食会で、笑顔でスピーチするオバマ大統領(ロイター)【拡大】
オバマ氏がジョークを発するたび、出席者の笑い声が会場に響いた。
「最近、鏡を見ると実感する。もう以前のように若くて元気なイスラム教徒の社会主義者じゃないんだなってね」。キリスト教徒の同氏に対し、国内保守派の一部には以前から“イスラム教徒疑惑”が根強い。それを逆手に取ったジョークだ。
米国内には、同氏が米国生まれではないという誤情報(実際はハワイ出身)から大統領にふさわしくないと主張する一派もいるが、それを当てこすってこんな話も。「検討中のオバマ記念館は故郷に建てるべきだと助言されるが、自分としては米国内に建てたいんだ」
年1回の夕食会では、大統領がジョークを盛り込んでスピーチするのが慣わしで、歴代大統領も個性あふれるジョークを披露してきた。
この日、俳優のマイケル・J・フォックスや映画監督のスティーブン・スピルバーグ氏ら出席者の前に立ったオバマ氏は、初の黒人大統領ということからか、宗教や人種といった少々ヤバめのネタも取り込んだ。
映画「リンカーン」を監督したスピルバーグ氏が次回作に「オバマ」を企画中、というジョーク映像ではスピルバーグ氏本人が「オバマ大統領を演じられるのは(リンカーン役の)ダニエル・デイ=ルイスしかいない」と真顔で語る場面も。
英国出身の白人にオバマ氏を演じさせるという人種ネタ。しかも、映像の後半ではオバマ氏自らがダニエルになりきって登場、鏡の前で「メーキャップが大変だ」と言いながらせりふの練習をする、ひねった趣向で会場を沸かせた。
(紙面から)