六回、三浦から右中間を破る二塁打を放った藤浪。打ってもすごい(撮影・白鳥恵)【拡大】
(セ・リーグ、DeNA3-5阪神、6回戦、阪神4勝2敗、28日、横浜)ディズニーランドやハワイ旅行もいいが、ゴールデンウイークの「フジナミランド」も顧客満足度トップクラスだ。3勝目をあげた藤浪が、プロ初安打も記録。投げてヨシ、打ってヨシでは二刀流の大谷(日本ハム)も真っ青だ。
「初球に甘いコースにきたんで。振ったらタマタマいいところに飛んでくれたんで、抜けてくれてよかった」
投打で沸かせた19歳が謙遜しながら振り返ったのは、1点を勝ち越した直後の六回。二死一塁から番長三浦の真っすぐを強振した。阪神戦通算45勝を誇る虎キラーを粉砕。打球は中軸打者のようにどんどん伸びて、右中間を真っ二つに割った。得点には結びつかなかったが、大型新人が灯したプロ9打席目での初Hマークに、球場全体が揺れた。
「たいしたもの」と投手としての“本業”にはうなった和田監督だが、記念の1本に関しては「(藤浪が)振ったところに三浦が投げてしまったな」と偶然を強調した。高校通算3本塁打の藤浪本人は「打撃センスはない」と話すが、うち2発は連覇を達成した春と夏の甲子園で、それぞれ放ったもの。高校時代は打順は9番がお決まりだったが、大舞台ほどパワーがみなぎる。スターの証だ。