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「教科書検定意見撤回を求める県民大会」開催。参加者12万人

宜野湾市海浜公園で行われた「教科書検定意見撤回を求める県民大会」に参加してきた。
会場での主催者発表で、最終参加者は12万人に達したとのこと。
(おやおや、18時台のTV各局ニュースでは約11万人といってますね。なぜ1万人の差が出たかな。同時開催の八重山会場2500人・宮古会場2500人の人数も含めたのかも)

 ※3会場合計で11万6千人でした。内、八重山会場は3500人(09月30日追記)

労働組合に所属していた頃、何度も屋外集会というものに参加したが、これだけの規模で、かつ、参加者の熱意を感じたものは初めてである。

(NHKや沖縄タイムスがテントを設営していたし、上空にはヘリが2機、小型機1機が飛んでいた。大型クレーン上にTVカメラマンが一人。炎天下、動くこともままならない一時間半は大変だったろう)


主催者目標の5万人を遥かに超える参加者となった。
これで政府・自民党も、ほっとける状況ではなくなってきただろう。

高校生代表で演壇に登った二人がすばらしいことを言ってくれた。

-私たちのおじい、おばあが、嘘をついていると言いたいのですか-

その通りだと思う。

日本軍のいなかった所で集団自決が起こらなかったこと
「集団自決」の多くが手榴弾(=軍備品)によること

以上のことから、軍が集団自決に関係していたであろう可能性は非常に高い。
たとえ軍の誰かが、「その時」直接自決を命じなくても、それ以前に、何かあったらこれで自決しろ、と言っていたら、それは「命令」であろう。
ましてや、「集団自決」のなか、生き残った方々が、軍の命令だと証言している。
これ以上の証拠はあるまい。

だから、軍の関与が無かったと受け取られるような記述こそ、事実を記述すべき教科書の文言として不適当だといえる。

文部科学省は、さっさと不行届きを認めて、検定意見を撤回すべきだ。

「続き」に大会決議全文と次第を記述。

9.29教科書検定意見撤回を求める県民大会決議

 去る3月30日、文部科学省は、平成20年度から使用される高等学校教科書の検定結果を公表したが、沖縄戦における「集団自決」の記述について、「沖縄戦の実態について誤解するおそれのある表現である」との検定意見を付し、日本軍による命令・強制・誘導等の表現を削除・修正させている。
 その理由として同省は、「日本軍の命令があったか明らかではない」ことや、「最近の研究結果で軍命はなかったという説がある」ことなどを挙げているが、沖縄戦における「集団自決」が、日本軍による関与なしに起こり得なかったことは紛れもない事実であり、今回の削除・修正は体験者による数多くの証言を否定し、歪曲しようとするものである。
 このため、これまで口を閉ざしていた多くの体験者が、子どもたちに誤った歴史を教えることの危機感から、辛い体験や真実をようやく語り始めている。
 また、去る大戦で住民を巻き込んだ国内唯一の地上戦を体験し、一般県民を含む多くの尊い生命を失い、筆舌に尽くしがたい犠牲を強いられた県民にとっても、今回の削除・修正が到底容認できるものではない。そのことから、激しい怒りを示し、そのうねりは県内全体を揺るがす力となって、沖縄県議会での二度の意見書決議、41の市町村議会全ての意見書決議へと結びつき、さらには県内地方4団体や民間団体が相次いで文部科学省へ要請するなど、県民が一丸となって取り組む結果となった。
 これに対し、文部科学省は「教科用図書検定調査審議会が決定することであり、理解していただきたい」との回答に終始し、検定意見の撤回と「集団自決」に関する記述の回復を拒否し続けている。
 また、今回の教科書検定に際して、文部科学省はあらかじめ合否の方針や検定意見の内容を取りまとめた上で同審議会に諮問していること、諮問案の取りまとめに当たっては係争中の裁判を理由にし、かつ、一方の当事者の主張のみを取り上げていること、同審議会では「集団自決」の議論が全くなされていなかったことなど、新たな事実が相次いで判明したのにもかかわらず、依然として対応を改めようとしていない。
 教科書は未来を担う子どもたちに真実を伝える重要な役割を担っている。だからこそ子どもたちに、沖縄戦における「集団自決」が日本軍による関与なしに起こり得なかったことが紛れもない事実であったことを正しく伝え、沖縄戦の実相を教訓とすることの重要性や、平和を希求することの必要性、悲惨な戦争を再び起こさないようにするためにはどうすればよいのかなどを教えていくことは、我々に課せられた重大な責務である。
 よって、沖縄県民は、本日の県民大会において、県民の総意として国に対し今回の教科書検定意見が撤回され、「集団自決」記述の回復が直ちに行われるよう決議する。

 平成19年9月29日
     9.29教科書検定意見撤回を求める県民大会実行委員会

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大会次第

司会:比嘉正詔(沖縄平和祈念堂管理事務所長)

1.県民へのアピール(開会の挨拶)
 諸見里宏美(沖縄県PTA連合会会長)
2.「平和の火」リレーの入場・点火
3.大会実行委員長挨拶
 仲里利信(沖縄県議会議長)
4.沖縄県知事挨拶
 仲井眞弘多
5.沖縄県教育委員会委員長挨拶
 中山 勲
6.各団体代表等挨拶と発言
(1) 地方四団体
 翁長雄志(沖縄県市長会会長・那覇市長)
(2) 高校生
 津嘉山拡大(読谷高校3年生)
 照屋奈津美(読谷高校3年生)
(3) 戦争体験者
 吉川嘉勝(渡嘉敷村教育委員会委員長)
(4) 戦争体験者
 宮平春子(座間味村字阿佐)
  代読:宮里芳和
(5) 女性代表
 小渡ハル子(沖縄県婦人連合会会長)
(6) 子ども会代表
 玉寄哲永(沖縄県子ども会育成連絡協議会会長)
(7) 青年代表
 照屋仁士(沖縄県青年団協議会会長)
7.大会決議採択
 西銘生弘(沖縄県高等学校PTA連合会会長)
8.ガンバロー三唱(閉会の挨拶)
 仲村信正(連合沖縄会長)

来賓として民主党菅直人代表代行など各党から出席者あり。

コメント (11)

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県民へのアピール:諸見里宏美(沖縄県PTA連合会会長)

砲弾の豪雨の中へ放り出され
自決せよと強いられ
死んでいった沖縄人(うちなーんちゅ)の魂は
怒りをもって再びこの島の上を
さまよっている

いまだ砲弾が埋まる沖縄の野山に
拾われない死者の骨が散らばる
泥にまみれて死んだ魂を
正義のために殉じたと
偽りをいうなかれ

歴史の真実をそのまま
次の世代へ伝えることが
日本を正しく歩ましめる
歪められた教科書は
再び戦争と破壊へと向かう

沖縄戦の死者の怒りの声が
聞こえないか
大和(やまと)の政治家・文科省には届かないか
届かなければ 聞こえなければ
生きている私たちの声を一つにして
押し上げ 訴えよう

9.29教科書検定意見撤回を求める県民大会実行委員会

(沖縄タイムス9月30日付朝刊)

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大会実行委員長挨拶:仲里利信(沖縄県議会議長)

 集団自決が日本軍の関与なしに起こり得なかったという歴史的事実が捻じ曲げられることは、去る大戦で筆舌に尽くしがたい犠牲を強いられた県民にとって絶対許すことはできない。軍の命令や強制、誘導によって親兄弟、親類、知人同士が殺し合う集団死があったことは隠しようも無い事実だ。日本の将来を担う子供達に史実は史実として正しく伝え、悲惨な戦争を再び起こさないようにすることは私達に課せられた最大の責務だ。
 私は八歳で戦争を体験し、親兄弟を亡くした。六十二年間ずっと心の奥底に封印していたあの忌まわしい記憶をとくことはないと思っていたが、今回の教科書検定の結果が私の気持ちを揺るがすきっかけとなった。多くの体験者が、私と同様、思い起こすのも辛い当時の記憶を証言されたことに思いを致すと胸が痛む。中にはいまだに口に出したくても出せない方もおられる。文科省の検定意見はこれらの思い証言を軽々しく扱っているとしか思えない。
 大会は住民を巻き込んだ悲惨な地上戦の惨禍に見舞われた沖縄が全国に発信する警鐘だ。
「軍隊による、軍命による集団自決」だったか、文科省の言う「自らすすんで死を選択した」とする殉国美談を認めるかが問われている。
 全県民が一丸となって立ち上がり「軍隊による強制集団死の削除」に断固「ノー」と叫ぼう。

(沖縄タイムス9月30日付朝刊)

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沖縄県知事挨拶:仲井眞弘多

 沖縄県は先の大戦で史上稀にみる激烈な地上戦の場となり、二十万余の貴い命と多くの文化遺産を失い、緑豊かな島々は焦土と化した。
 筆舌に尽くし難いその悲惨な体験は、県民の心に戦争の恐怖と醜さを焼き付けており、最愛の家族や友人を失った悲しみは戦後六十余年を経た今日でも癒えることは無い。
 私は文科省の教科用図書検定結果の発表直後から一貫して「何故今まで教科書に記述されることになっていた事が削除・修正されることになったのか。文科省は記述を削除・修正するため、県民を納得させるだけの検証を行ったのか。その検証内容を明らかにすべきだ」と申し上げてきた。
 集団自決の日本軍の関与については、当時の教育を含む時代状況の総合的な背景や手榴弾が配られるなどの証言から覆い隠すことのできない事実だ。
 文科省は県民の度重なる要請行動や平和に対する深い思いを未だ真摯に受け止めることなく、検定意見の撤回要求に応じていない。その態度は極めて遺憾だ。
 今私達に求められているのは、子供達を平和で豊かな国家や社会の形成者として育てるために声を上げていく事だ。
 県民を代表する者として、今回の文科省の検定意見に対して強く抗議し、遺憾の意を表明するとともに、検定意見が速やかに撤回され、記述の復活が為される事を強く要求する。

(琉球新報9月30日付朝刊)

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沖縄県教育委員会委員長挨拶:中山 勲

 沖縄戦の悲惨な経験を通し、我々教育に携わる者は、戦争の悲惨さや平和の尊さを後世に伝え、戦争を二度と繰り返さないと心に誓い、平和教育を積極的に推進してきた。今回、文部科学省から発表された検定結果は、このような歴史を歩んだ県民として到底納得できるものではない。
 教科書の記述は、公正かつ正確さが求められる。その教科書から今正に歴史の真実が削除・修正されようとしていることに強い憤りを感じる。我々県民が今回の検定意見を許すことになれば、学校現場で沖縄戦の実相を正しく教え、伝えることができなくなる。
 ここに県教育委員会は、今回の文科省の検定意見に対し、遺憾の意を表明、強く抗議すると共に、検定意見が速やかに撤回され、記述の復活が為される事を強く要求する。

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地方四団体代表挨拶:翁長雄志(沖縄県市長会会長・那覇市長)

 来年度から使用される高校教科書の沖縄戦における「集団自決」の記述について、日本軍による命令、強制、誘導などの表現が削除・修正されている事は、悲惨な戦争体験を有する県民にとって極めて遺憾で到底容認できるものではない。沖縄戦の「集団自決」が日本軍の関与無しに起こり得なかったのは紛れも無い事実で、生き証人の証言は生きた教科書だ。
 文部科学省の頑なな姿勢を転換させる事ができなければ後世に大きな禍根を残す事になる。今こそ、国は県民の平和を希求する思いに対し、正しい過去の歴史認識こそが未来の道標になる事を知るべきだ。
 沖縄戦の実相を正しく後世に伝え、子供達が平和な国家や社会の形成者として育つ為にも県民一丸となって強力な運動を展開しよう。

(琉球新報9月30日付朝刊)

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高校生代表挨拶:津嘉山拡大(こうだい)(読谷高校3年生)
        照屋奈津美(読谷高校3年生)

「沖縄戦での集団自決に日本軍の強制があったという記述は、沖縄戦の実態について誤解する恐れがある表現である」
 ある日の朝、私の目に飛び込んできたこの新聞記事。私は“誤解”という検定意見書の言葉に目を奪われました。この記述を無くそうとしている人達は、沖縄戦を体験したおじぃ、おばぁ達が嘘をついていると言いたいのでしょうか。
 私達は戦争を知りません。ですが、一緒に住むおじぃ、おばぁ達から戦争の話を聞いたり、戦跡を巡ったりして沖縄戦について学んできました。おじぃおばぁ達は重い口を開き、苦しい過去を教えてくれました。死体の山を越え、誰が敵で誰が味方か分らなくなる恐ろしさ、大事な人を目の前で失う悲しさ、そして悲惨な集団自決があった事を。
 なぜ沖縄戦で自ら命を絶ったり、肉親同士が命を奪い合うという残酷な事が起こったのでしょうか。
 住民は事前に
「敵に捕まる位なら死を選べ」
「米軍の捕虜になれば男は戦車で轢き殺され、女は乱暴され殺される」
という教育や教育や指示を受けていたといいます。更に手榴弾が配布されました。極限状態に置かれた住民達はどう感じたでしょうか。手榴弾を配った日本軍は明らかに自決を強制していると思います。
 私達が住んでいる読谷村には、集団自決が起こった「チビチリガマ」があります。ガマの中は、窒息死の為に火を点けた布団の煙が充満し、死を求める住民が毒の入った注射器の前に列を為しました。母が我が子に手をかけたり、互いを刃物で刺し合い八十人以上もの尊い命が奪われました。その中には年寄から五歳にもならない子供までもが含まれていたのです。

 集団自決や教科書検定の事は私達高校生の話題にも上がります。
「教科書から集団自決の真相の事が消されるなんて考えられない」
「たくさんの犠牲者が実際に出ているのにどうしてそんな事をするんだろう」
私達は集団自決に軍の関与があったということは、明らかな事実だと考えています。
 なぜ、戦後六十年以上を過ぎた今になって、記述内容を変える必要があるのでしょうか。実際にガマの中に居た人達や、肉親を失った人達の証言を、否定できるのでしょうか。
 私は将来高校で日本史を教える教師になりたいと思い勉強しています。このまま検定意見が通れば、私が歴史を教える立場になった時、教科書の記述通り事実でない事を教えなければいけません。分厚い教科書の中のたった一文、たった一言かもしれませんが、その中には失われた多くの尊い命があります。二度と戦争は繰り返してはいけないという沖縄県民の強い思いがあるのです。
 教科書から集団自決の本当の記述が無くなれば、次は日本軍による住民虐殺の記述まで消されてしまう心配があります。

 嘘を真実と言わないで下さい。
 私達は真実を学びたい。
 そして、次の世代の子供達に真実を伝えたいのです。

 教科書から軍の関与を消さないで下さい。
 あの醜い戦争を美化しないで欲しい。

 たとえ醜くても真実を知りたい、学びたい、そして伝えたい。

(沖縄タイムス9月30日付朝刊)

録音(JANJAN): http://202.90.10.24/janeye/shiminkisha/0709303201/02/0709303201_zamami_a.html

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戦争体験者:吉川嘉勝(渡嘉敷村教育委員会委員長)

 私は渡嘉敷島北山(にしやま)の「集団自決」の生き残り。米軍艦からの艦砲射撃、地上からの迫撃砲で「鉄の暴風」が飛び交う中、たどり着いた渡嘉敷島北方、北山の雑木林が我々の自決場だった。村長の天皇陛下万歳の合図とともに、手榴弾の爆発を記憶している。
 家族八人と親族約二十人が円陣を組んで義理の兄と実兄勇助の手榴弾爆発を待つが、爆発しない。従兄弟が息子を抱きかかえるのが見えた。それを見た母が「勇助。手榴弾や、してぃれー(捨てろ)」と叫んだ。近くに爆弾が落ちたと思うと同時に、父が唸って伏せた。首筋から血が噴き出ていた。
 なぜ慶良間諸島で忌まわしい「集団自決」が起こったのか。海上挺身隊が特攻艇を配備し島に駐留した。渡嘉敷、座間味島に日本兵が居なければ「雌雄団自決」は決行されていない。(渡嘉敷島で)赤松(隊長)の命令で北山に人々が集められなければ一夜にして二百人の人が死んで行く筈は無い。(渡嘉敷島では)集団自決で三百二十九人が命を亡くした。
 軍隊の弾薬、手榴弾が民間人に渡らなければ「集団自決」は決行されない。手榴弾は日本軍から渡された。「いざという時はこれで自決せよ」と。軍隊である地元防衛隊員が北山で自決に駆り出されなければあれ程の惨事にならない。どうして防衛隊員がいたのか。軍の関与を明白に裏付ける証拠だ。
 「集団自決」の背景は皇民化教育、軍国主義教育、戦陣訓の住民への宣撫(せんぶ)、島人に対する差別、閉ざされた環境。「集団自決」が「日本軍の命令、誘導、強制、指示、宣撫、示唆などの関与が無ければ、あのような惨事は起こらない」と結論付ける事実は山積している。事実の歪曲を許してはならない。

(琉球新報9月30日付朝刊)

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戦争体験者:宮平春子(座間味村字阿佐)
  代読:宮里芳和

  忘れもしない、昭和十九年九月十日に千五百人の日本軍が座間味島にやって来た。翌二十年三月二十三日、米軍による容赦ない空襲が座間味島に開始され、更に海からは艦砲射撃を受けた。鬼畜米英の捕虜になって辱めを受けるより玉砕すべしと教育を受けていた私達にとって、米軍の上陸は死を意味するものだった。
 当時座間味村の助役だった兄の盛秀は(二十五日の)夜、私達家族や親類が居た壕にやって来て、「米軍が上陸するのは間違いないので、玉砕するよう軍から命令があったので潔く死のう」と父に話していた。
 私達は午後十一時半に合わせ、住民の集合場所の忠魂碑に向かったが、米軍の艦砲射撃を受け、座間味区民全員での「集団自決」は失敗に終わり、各壕に戻った。私達は兄の居た産業組合壕に入るつもりだったが、既に多くの人で一杯で入れなかった。兄の家族はそこで四人が亡くなり、私達は生き延びることができた。
 六十二年が経った今でもあの時を思い出すと涙が止まらず、無念の思いがこみ上げて来る。今回の歴史教科書の検定結果は沖縄戦の実相を歪め、戦争の本質を覆い隠すもので絶対に許すわけにはいかない。
 事実は正しく伝え、悲惨な戦争を再び起こさないことが私達に課せられた最大の責務と考えている。

(琉球新報9月30日付朝刊)

録音(JANJAN) : http://202.90.10.24/janeye/shiminkisha/0709303201/01/0709303201_yomitan_a.html

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女性代表:小渡ハル子(沖縄県婦人連合会会長)

 戦争体験者が年々減るのをよいことに戦争を風化させ、軍隊を美化する動きが感じられる。集団自決に軍が関与したことは多くの証言者によって明白。なぜ日本政府は沖縄の歴史の真実を消し去ろうとするのか。事実は事実として教えるべきだ。
 戦前の皇民化教育を受けた私が今も解せないのは、住民は自決したのに、敵と戦うべき筈の軍隊が隊長から兵士まで安全な壕に逃れて生き残り、捕虜になって帰国したことだ。戦争とはこういうものだと青少年にしっかり教えるべきであり、歴史の歪曲は許すわけにはいかない。
 沖縄の悲惨な戦争の事実をしっかり教えてこそ歴史教科書である。戦争体験者の義務として、子を産み育てる母親集団として、次世代への誤った教育は絶対に阻止する。

(琉球新報9月30日付朝刊)

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子ども会代表:玉寄哲永(沖縄県子ども会育成連絡協議会会長)

 今、文部科学省は実際に体験をしてきた軍命による「集団自決」の「集団・・」の方だけを残して、軍命を削除させてしまおうとしている。これをやると、沖縄県における六十二年前のあの事件の実相は、政権の変わる度に、あちらに揺れ、こちらに揺れしてしまう。
 今こそ、私どもが皆さんと共にしっかりと六十二年前の実態を地に打ち付けようではないか。
 私は今、沖縄県の実態を伝え、沖縄県の平和を訴える実感を大きくしている。真実を皆さんと一緒に伝えたいと願っている。
 前文部科学大臣の伊吹さんは、審議会の決めた事に口を挟めないと言う。どうか皆さん、この文部科学省の嘘の証言を十万人の力で、沖縄県民百三十万人の力で一蹴しようじゃないか。

(琉球新報9月30日付朝刊)

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青年代表:照屋仁士(沖縄県青年団協議会会長)

 歴史的事実が消され、学んできた歴史が変えられようとしている。沖縄の青年は怒っている。
 沖縄の青年会は、先輩が残してきたエイサーや郷土芸能を継承し、発展に取り組んできた。この活動ができるのも、戦争で犠牲になられた方々と、戦後復興を支えてこられた先輩のおかげだ。
 今まで習った事と違う歴史が伝えられる事は、沖縄の歴史や文化を否定するものだ。
 十六日に行われた日本青年団協議会の全国理事会で、教科書検定の意見撤回を求める決議が為された。
 この問題は全国の問題で一緒に頑張ろうと多くの仲間と決意した。歴史的事実は、私達が繋げないといけない。会場に来られなかったが、思いを一つにする県民と共に、検定意見撤回を求める運動を頑張ろう。

(沖縄タイムス9月30日付朝刊)

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2007年9月29日 20:40に投稿されたエントリーのページです。

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