Updated: Tokyo  2013/04/29 11:50  |  New York  2013/04/28 22:50  |  London  2013/04/29 03:50
 

米国債:続伸、小売売上高の減少で緩和継続観測が強まる

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  4月12日(ブルームバーグ):米国債相場は続伸。3月の小売売上高が減少したため、金融緩和が早期に終了することはないとの見方が強まった。

10年債利回り は終値ベースで6週間ぶりの大幅低下となった。生産者物価と消費者マインド指数が予想を下回ったことも支援材料。米商品取引委員会(CFTC)のデータによると、シカゴ商品取引所(CBOT)の先物市場で投機筋の買越幅は9日終了週に12万779枚と、前週から9%拡大し、昨年12月17日以来の高水準となった。

グッゲンハイム・パートナーズ(ニューヨーク)の米政府債トレーディング担当ディレクター、ジェーソン・ローガン氏は「利回りを押し下げる材料が全てそろっている。欧州に始まり、日本、米金融当局ときて、今は弱い米経済指標がある」と指摘。「米国では悪いデータが続いており、国債に弱気な見方を抱かせるような材料はあまりない。最終的に米金融当局が債券を購入し続ける理由となる」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りは7ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.72%。同年債(表面利率2%、2023年2月償還)価格は5/8高の102 17/32。

ニューヨーク連銀はこの日、2036年2月から43年2月に償還を迎える14億8400万ドル相当の国債を購入した。これは月850億ドルの米国債と住宅ローン担保証券(MBS)を購入する量的緩和第3弾の一環。

経済指標

バンク・オブ・モントリオール傘下BMOキャピタル・マーケッツの政府債トレーディング責任者、スコット・グレアム氏(シカゴ在勤)は「経済指標は弱い景気を示しており、米国債に継続的に買いが入る要因になっている。世界的に中央銀行が積極的に行動していることから、利回りを上昇させるのは経済指標の好転にほかならないが、まだそうなってはいない」と語った。

3月の小売売上高(速報値)は、季節調整済みで前月比0.4%減少と、マイナス幅は昨年6月以来の最大。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は前月比横ばいだった。百貨店や電気製品販売店の弱さが目立った。

3月の生産者物価指数(PPI)全完成品は前月比0.6%低下した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は0.2%低下だった。前月は0.7%上昇。

4月の米トムソン・ロイター/ミシガン大学消費者マインド指数 (速報値)は72.3と、前月の78.6から低下した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は前月から変わらずの78.6だった。

クレディ・スイス・グループの金利ストラテジスト、アイラ・ジャージー氏(ニューヨーク在勤)は「経済指標は非常に悪かった。そのため、量的緩和の早期縮小観測は遠退いた」と述べた。

原題:Treasuries Climb on Slow Growth as Bullish Bets Reach 2013High(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Cordell Eddings ceddings@bloomberg.net;ニューヨーク Daniel Kruger dkruger1@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:Dave Liedtka dliedtka@bloomberg.net

更新日時: 2013/04/13 07:06 JST

 
 
 
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