米国債(26日):上昇、GDPの伸びが予想下回り逃避需要
4月26日(ブルームバーグ):米国債相場は上昇。10年債利回りは2週間ぶりの大幅低下となった。1-3月(第1四半期)の米経済成長率が市場予想を下回ったことで、逃避需要が高まった。
10年債利回り は約4カ月ぶり低水準に接近した。4月の消費者マインド指数の低下も手掛かりとなった。米国債のボラティリティ は前日、過去最低に低下している。金融当局による資産購入プログラムの縮小観測が広がる中、米連邦準備制度理事会(FRB)は来週、連邦公開市場委員会(FOMC)の会合を開催する。
JPモルガン・アセット・マネジメントの共同マネジャー、ダグラス・スワンソン氏は「本当の意味で安心感を抱き始めるのは、経済が順調に進み始めてからだ」と指摘。金融当局については、「資産購入規模の縮小についてはさまざまな観測が出ているが、時期尚早に動くことはなさそうだ。このところの経済指標を見れば、年内に規模縮小に動く公算は一段と小さくなったといえる」と述べた。
ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回り は前日比5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.66%。終値ベースでは下げ幅は12日以来で最大。利回りは23日に1.64%と、昨年12月12日以来の低水準を付けている。同年債(表面利率2%、2023年2月償還)価格は13/32上げて103 1/32。
30年債利回りは4bp下げて2.86%。
先物取引米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、ヘッジファンドなど大口投機家の30年債先物の持ち高は、23日に終了した週にネットショートからネットロングに転換した。
CFTCによれば、シカゴ商品取引所(CBOT)での大口投機家の30年債先物の持ち高はロング(買い持ち)がショート(売り持ち)を1337枚上回った。前週はネットショートが8968枚だった。
10年債先物では、ロングがショートを12万640枚上回った。ネットロングは前週比で1万4732枚減った。
ニューヨーク連銀はこの日、2020年8月から23年2月に償還を迎える米国債33億8000万ドル相当を買い入れた。
当局のデータによれば、この日買い入れた7-10年債のうち10年債の購入額は15億5100万ドルで、全体の46%を占めた。
バーナンキ議長は積極的JPモルガン・アセットのスワンソン氏は「バーナンキ議長の姿勢は非常に一貫しており、市場の予想よりも積極的だ」と述べた。
米商務省が26日に発表した第1四半期の実質国内総生産(GDP、季節調整済み、年率)速報値は前期比2.5%増加した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値は3%増だった。昨年第4四半期は0.4%増だった。
BTIGのチーフ・グローバル・ストラテジスト、ダン・グリーンハウス氏(ニューヨーク在勤)は「投資家は現在のところ、米国債を大きく売る理由があるとは確信していない」と分析。「成長ペースは依然として、望ましい水準を下回っている」と続けた。
4月のトムソン・ロイター/ミシガン大学消費者マインド指数 (確定値)は76.4と、前月の78.6から低下した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値73.5は上回った。速報値は72.3だった。
ボラティリティの指標とされるメリル・オプション・ボラティリティ・エスティメート(MOVE)指数は50.24bpと、前日付けた過去最低の49.39bpから上昇した。
原題:Treasuries Gain as U.S. Economic Growth Is Slower ThanForecast(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Susanne Walker swalker33@bloomberg.net
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更新日時: 2013/04/27 06:41 JST