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「権力の犠牲者」を「英霊」と美化する目くらまし- ゲンダイネット(2013年4月29日07時00分)

  安倍内閣の閣僚や国会議員の靖国参拝が、また、中韓両国に日本批判の材料を与えている。

 

  安倍首相は「どんな脅かしにも屈しない」と強気だが、わざわざ両国との対立を激化させる必要はないだろう。毎年、同じ問題で関係を冷えさせるのは知恵がない。そろそろ問題の解決に向けて動くべきだ。

 

  これを恒例行事にするのは、愚かなことである。

 

  安倍首相の言い分も理解できない。

 

  24日の参院予算委で、「英霊に冥福を祈ることを批判されても痛痒(つうよう)を感じず、おかしいと思わないのがおかしい」と強調したが、靖国神社に祀(まつ)られているのは権力の犠牲者にほかならない。強権力によって戦争に動員され、命を落とした人たちである。それを英霊と呼び、英雄視するのは、権力の暴走を美化する目くらましだ。日本の近代史を塗り替える発言である。

 

  日清戦争、日露戦争、太平洋戦争は、いずれも他国の侵略に対抗するための防衛戦争ではない。日本が海外に打って出た戦争だ。

 

  それを主導した連中によって亡くなった犠牲者を英霊とあがめるのは、国を危うくした政治指導者の間違った行為を正当化するものである。到底受け入れられないし、靖国神社には、過ちを犯した指導者も一緒に祀られているのだからなおさらだ。

 

  教育再生実行会議は先日、首長に教育長の任命(罷免)の権限を与え、教育行政の責任者を合議制の教育委員会から教育長に移す改革案をまとめた。

 

  軍部が介入した戦前の反省から、政治からの独立性や中立性を重んじてきた教育制度が、根底から覆ろうとしている。道徳の教科化も検討されているし、教科書検定のあり方にもメスが入る公算は大きい。

 

  こうした教育改革が、近代の日本の戦争を反省せず、当時の政治指導者も否定しない首相の下で進められようとしている。

 

  果たして、その行き着く先はどうなるのか。歴史を塗り替えて過去を正当化するために、戦争まで再チャレンジなんてことになりかねない。

 

  昨年の衆院選で自民党は、「日本を取り戻す」と訴えた。これが意味するところは何だったのか。戦前回帰だったとしたら恐ろしい。

 【高橋乗宣】

 (日刊ゲンダイ2013年4月26日掲載)

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