◇つるやオープン<最終日>
18番でバーディーを決めガッツポーズをする松山。2戦目でのプロ初優勝=兵庫県川西市の山の原GCで
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▽28日、兵庫県・山の原GC山の原C(6793ヤード、パー71)▽晴れ、気温17・3度、風速3・1メートル▽賞金総額1億2000万円、優勝2400万円▽71選手▽観衆9325人
松山、プロ最短V達成! 首位と2打差から発進した松山英樹(21)=東北福祉大=が終盤の4連続バーディー奪取などで6バーディー、1ボギーの66をマークし、通算18アンダーに伸ばして逆転Vを飾った。アマチュア時代の1勝を含めてツアー通算2勝目。プロ転向後2戦目での優勝は、1999年に日本ゴルフツアー機構(JGTO)発足後では薗田峻輔と藤本佳則の5試合を抜いて最短記録となった。
壮絶なデッドヒートの末、怪物ルーキーが歴史的偉業を達成した。通算17アンダーでD・オー(米国)と並んで迎えた最終18番グリーン。ピン右手前1・5メートルのバーディーパットは軽いフックライン。「外したらどうしようとか、プレーオフだなとか考えてました。それまではあの距離が微妙だったので余計ドキドキしちゃって。入って良かったです」。ウイニングパットを沈め、松山が右拳で力強いガッツポーズを決めると、ギャラリーから盛大な拍手が送られた。
怒とうの4連続バーディーは、トップのオーを1打差で追う15番パー5から始まった。バンカーからの3打目をベタピンに寄せ、16番では8メートルをねじ込んだ。オーも5メートルを入れ返して一進一退が続くが、「もしかしたらいけるんじゃないかと感じた。それまでパットが入っていなかった。入れたことで自信が持てた」。終盤に感じたパット復調。見事に生きたのが17番だ。
3打目をカップ横につけたオーに対し、松山は手前カラー3メートル。外せば優勝が遠のく緊張の一打だったが、これを見事に決め、思わずガッツポーズだ。そして最終18番では第1打でドライバーを使わずユーティリティーを使用。「セカンドショットを先に打って(相手に)プレッシャーをかけられたのが良かった」。試合巧者ぶりも発揮し、4連続バーディーで勝負を決めた。
プロ転向2試合目での最速Vに「これだけショットとパットがうまくいかない中で勝てたことは自信になります」と今後に手応え。表彰式の前にはジャンボ尾崎から声を掛けられ、「すごくうれしい。緊張しました。偉大な人から認めてもらったのかな、という気持ちは少しあります」と喜んだ。それでも「開幕戦で10位に入って、そして優勝できて。これで(次の試合)予選落ちするといただけないので、今日のことを忘れず調整して、調子に乗らないように頑張りたい」とあくまで謙虚だ。前週の賞金を含め獲得賞金は2714万6000円。アジアでの2試合を含め今季4試合目にして賞金ランキング首位に立った。
次なる目標は「ない。一戦一戦、一打一打を一生懸命にやっていけば自然と結果にもつながってくると思うので、明日からまた頑張ります」。早くも気持ちは5月2日開幕の中日クラウンズへ。松山はきょう29日、名古屋ゴルフ倶楽部和合コースで練習を始める。 (櫛谷和夫)
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