名古屋グランパスは28日、愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで控え組が矢崎バレンテFC(東海社会人リーグ1部)と練習試合を行い、6−0で勝った。故障で戦線離脱中のMF藤本淳吾(29)が約1カ月ぶりの実戦復帰でいきなりゴール。次戦のJリーグ9節・川崎戦(5月3日・等々力)での先発復帰を強くアピールした。
藤本が約60分間の試運転で上々の仕上がりを示した。
「どのくらいできるのかを試す絶好の機会だった。プレーしているときはケガのことを忘れていた」。実戦は右太もも裏の肉離れに見舞われた3月20日のナビスコカップ・C大阪戦以来だったが、アマチュア相手にレベルの差を見せつけた。
味方とポジションチェンジを繰り返し、前線を激しく動き回る。当初は前半で退くはずだったが、後半も志願出場し、後半10分には十八番のループシュートを沈めた。「ボールタッチの感覚やドリブルの仕掛けを試した。足はもう大丈夫」。自信たっぷりに言い切った。
回復の手応えを得られた以上、藤本のターゲットはおのずと次戦の川崎戦での公式戦復帰へと向かう。「あとは運動量や攻守の切り替えが問題。これは練習で改善できる。次はスタメンでやる自信がある」と早くも先発出場を熱望した。
攻撃陣は玉田、小川、矢野、田中輝の4人に加え、ケネディが長期欠場から復帰したばかり。ここに藤本が戻れば、強力な陣容が完成する。久米GMも「藤本はアクセントになりうる」と公式戦最近2試合1得点のチームに活力を注入する存在として期待する。
欠場中はスタンドから試合の様子をつぶさに観察。藤本は「みんな足元でボールを受けにいく時間帯がある。一人一人が動くんじゃなく、連動性が出てくるようにしたい」と課題を指摘する。攻撃をつかさどるレフティーが、個人技頼みのサッカーに血を通わせる。 (木村尚公)
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