【阪神】藤浪、松坂超えの４月３勝！ドラフト制後、高卒新人初

６回３失点で、３勝目を挙げた藤浪

　◆ＤｅＮＡ３―５阪神（２８日・横浜）　阪神のドラフト１位・藤浪が、ドラフト制導入後では西武・松坂を超え、高卒新人で初となる「４月３勝目」を挙げた。ＤｅＮＡ戦（横浜）に先発し、２回に松本に１号２ランを浴びるなど６回を５安打３失点。直球はプロ入り後の最速より２キロ遅い１５０キロどまりだったが、４回以降はカットボール中心に切り替え、９６球でビジター初勝利。３、４月の月間ＭＶＰの有力候補に躍り出た。

６回２死一塁、右中間にプロ初安打を放つ藤浪

　真っ向勝負だった。藤浪は１点を勝ち越した直後の６回無死一塁、４番のブランコを迎えたが、逃げなかった。真ん中高めへこん身の１４９キロ直球を投げ込み、たった１球で左飛に抑えた。

　「昨日はチェンジアップを打っていた。変化球で逃げると厳しいコースでもいかれる。思い切って腕を振ろう」。２７日の試合で８回にチームメートの加藤が浴びた本塁打を教訓にした。３連戦中の試合前、助っ人の打撃練習を凝視。カウントを取りにいく中途半端な直球は危険と判断し、両リーグトップの１３本塁打を放っている助っ人に真正面からぶつかった。続く中村も球威抜群の１４８キロで、三ゴロ併殺打に仕留めた。

ナインと笑顔でハイタッチを交わす藤浪（左）

　「高校生離れしている。若い頃のダルビッシュに似てるよ」。プロ２１年目の中村が、藤浪をメジャー右腕になぞらえて絶賛した。２回には松本に２ランを浴び、連続無失点は１４イニングでストップ。今季ワーストの３失点を喫したが、ハーラートップタイの３勝目だ。「本人はスライダーでごまかしたと言ってたけど、ごまかせるのはすごい。日曜は勝てると思って送り出している」と和田監督は舌を巻いた。

　バットでも６回２死一塁から右中間を破る二塁打でプロ初安打をマーク。「甘いコースに来たので振ったら、たまたまいい所に飛んでくれた」と笑ったが、逆方向への打球でも非凡さを見せつけた。

　スーパールーキーの息抜きは、フジテレビ系人気ドラマ「ガリレオ」だ。毎週日曜に先発している藤浪のオフは登板翌々日の火曜日。月曜夜の放送を録画して、火曜の朝に見るのを楽しみにしている。「非常に面白い。ガリレオの福山（雅治）さんは好きです」と、マウンドを降りれば普通の１９歳だ。

　ドラフト制導入後、初の「４月３勝」を達成し、９９年の西武・松坂をあっさり超えた。「個人の記録には興味がない。チームの勝ちにつながるように投げたい」。有力視される３、４月の月間ＭＶＰも眼中にない。５月以降も目の前の勝利を、貪欲に追い求めていくだけだ。