'13/4/29
自民・江島氏が初当選 参院山口補選、平岡氏らに大差
第2次安倍政権初の国政選挙となった参院山口補選は28日、投開票され、自民党新人の前下関市長江島潔氏(56)=公明党推薦=が、無所属の元衆院議員平岡秀夫氏(59)=民主党、みどりの風推薦=ら新人3人を破り、初当選した。各党が夏の参院選の前哨戦と位置付けた補選。大勝した自民党は参院選に向け衆参両院の「ねじれ解消」に弾みをつけた。
江島氏は下関市を拠点とする安倍晋三首相(衆院山口4区)の高い支持率を追い風に自民党支持層を固め、無党派層にも浸透。平岡氏や共産党の元周南市議藤井直子氏(60)、政治団体「幸福実現党」の党県役員河井美和子氏(50)を突き放した。
参院では第1会派の民主党系会派の議員の離脱が相次ぎ、江島氏の議席獲得で事実上、自民党系会派と84議席で勢力が並ぶ。野党は夏の参院選に向け、党勢や選挙戦略の立て直しが急務となる。
江島氏は、安倍首相の強い意向を受け自民党山口県連が昨年末に擁立。下関市長を4期務めた実績をもとに産業振興を軸に訴えた。党県連は安倍首相のお膝元で「圧勝」を命題とし、県内56地域支部がフル回転。推薦団体は80に上り、大型選対を組んだ。
民主党政権で法相を務めた平岡氏は、自民党に対抗する幅広い政治勢力結集を目指し、無所属で立候補。脱原発や憲法9条堅持を訴えたが、立候補表明が3月下旬と出遅れたことや野党共闘が広がりを欠いたのが響いた。藤井氏と河井氏は浸透できなかった。
同補選は、昨年末の衆院選に転身した自民党参院議員の辞職に伴う選挙で、江島氏の任期は2016年7月まで。当日有権者数は118万9665人。投票率は38・68%で、10年の参院選山口選挙区(61・91%)を23・23ポイント下回った。(金刺大五)
【写真説明】当選を決め、万歳をして喜びを分かち合う江島氏(中央)=午後8時5分、山口市湯田温泉のホテル(撮影・山本誉)