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絶滅ニホンカワウソ 高知・須崎市ゆるキャラで生き返る

28日に発表された高知県須崎市のゆるキャラ「しんじょう君」
28日に発表された高知県須崎市のゆるキャラ「しんじょう君」
Photo By スポニチ

 昨年、絶滅種に指定されたニホンカワウソが、ゆるキャラになった。生きた姿が最後に目撃された高知県須崎市が、市民の“総選挙”などを経て選び、28日発表したもの。市の担当者は「ニホンカワウソは生きているかもしれない。いつ姿を現してもいいように、新キャラクターと環境保全に励みます」と説明。今年のゆるキャラグランプリにも出場し、優勝を目指す。

 選考を担当した市の元気創造課は「ニホンカワウソと須崎名物の鍋焼きラーメンを取り入れた部分が採用の決め手となった」と説明した。

 ニホンカワウソらしく、顔の下半分から腹部にかけて白く、それ以外は茶色。ぷっくりと出たヘソが可愛らしく、頭部には鍋焼きラーメンの黄色い麺と、タマゴなどの具材が乗っている。キャラクター名は「しんじょう君」。高知市民がデザインした。今後は市内外のイベントに参加し、B級グルメの日本一を決める「B―1グランプリ」などにも参加する。

 須崎市はニホンカワウソの最後の目撃地で、79年8月に新荘川(しんじょうがわ)を泳ぐのが確認されている。このことから、市は02年から「しんじょう君」の名で、ニホンカワウソをモチーフにしたマスコットキャラを使用してきた。

 市は昨春、活動期間が10年を超えたことから見直しを検討。そんな中、昨年8月、環境省がニホンカワウソを、棲息が30年以上確認できていないとして「絶滅種」に指定した。市は困惑したが、「ニホンカワウソは須崎の文化の象徴」として予定通り、同10〜11月にデザインを公募。406点の応募があった。

 今年1月に市民を対象に“総選挙”を実施し、上位35作品が選ばれた。ここから市職員らが今作を選び、この日発表した。元気創造課の担当者は「ニホンカワウソは市内のどこかで生きているかもしれない。しんじょう君と一緒にカワウソが棲みやすいような環境づくりに励みたい」と抱負を話した。

 今年8月以降に開催される、ゆるキャラの人気順位を決める「ゆるキャラグランプリ」にも出場する予定。担当者は「優勝?出る以上はいい成績を狙いますよ」と語った。

 ▽ニホンカワウソ 食肉目イタチ科。体長1メートル前後、体重4〜10キロ程度。長い尾と短い足が特徴で、足には水かきがある。二本足で立つことからカッパのモデルとも言われた。夜行性でウナギ、アユなどの魚類やエビ、カニなどを捕食。かつては北海道から九州の日本全域に棲息、明治時代中期までは都内の荒川でも目撃情報があった。

 ▽ゆるキャラグランプリ 全国の町おこしで活躍する「ゆるキャラ」の人気トップ10を決める大会。ゆるキャラグランプリ実行委員会が主催。10年に滋賀県彦根市で試験的に行い、11年の「ゆるキャラさみっと in 羽生」(埼玉県羽生市)で第1回大会を実施。投票はインターネットで行う。11年を制したくまモンは12年大会を辞退。

[ 2013年4月29日 06:00 ]

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