[PR] 無料でHTML5ウェブサイトを作るなら「wix」

“Internet of Things”。ソーシャルメディアは「WEB」を超える

2009/12/11



追記(2012/5):本記事2009年に書いた記事なので、大分内容が古くなっています。最新の事例を交えて、より詳しく書いた記事もあるので、こちらもぜひお読みください。


「Internet of Things(モノのインターネット)」とは?


最近ソーシャルメディアマーケティング(SMM)にどっぷり浸かっているので、やもするとソーシャルメディアバカ、ソーシャルメディアギークになりそうなので、自戒の意味も込めて。たまに吐き出したくなる長文ポストです。

先日参加したTRONSHOWという技術系の展示会で、EUの主導する技術開発についての講演がありました。技術方面の著名人も多く来るかなり専門的なセミナーだったのですが(全然付いていけず…)、「Internet of Things(モノのインターネット)」というテーマの、すごく感銘を受けた話があったのでまとめ。


Internet of Things(モノのインターネット)が全盛を迎える時代が5~10年先にやってくる

・EUは「モノのインターネット」の時代を拓くべく、技術開発を支援している。

・モノのインターネットとは、センサーや無線タグ技術によって実現される世界。私たちの社会の機能を、ドラスティックに変革するポテンシャルを持っている。

モノのインターネットが拓く未来、それは例えば…

高度な交通システム。車同士がお互いに通信し合い、渋滞を緩和、事故を防ぐ。地面に取り付けられたセンサーはメンテナンスの時期を教えてくれる。CO2排出削減にも効果。

樹木が通信する。生育状況や周辺環境を知ることで、森林の減少を止める。

店頭での高度な商品管理。売上げ・在庫管理、商品の位置管理、万引検知、など。

パーソナライズされた空間。小さなICカードを持ち歩くだけで、自動でエアコンが好みの温度に働く、好みの音楽が自動でかかる、イスが自動で調整される。

健康モニタリングシステム。各種センサーで体調を管理。必要があれば医者の診断。

・問題は個人情報・プライバシーをどう保護していくか。


一見夢物語のようですが、技術はまさにこういった方向に進化すると確信しています。あらゆるものが「つながる」時代、それがモノのインターネットの時代です。

こういった動きが来る、と確信する根拠は複数ありますが、もっとも指摘したいのは、「つながる」技術は商品を差異化する、ということ。

例えばiPhoneとiPod touch。基本的な作りは同じですが、市場での意味合いは大きく違います。それは勿論iPhoneが「つながる」から。通信機能を備えているかどうか、ということはそれに掛かるコスト以上の価値を生み出します。

現在自動車分野で進められているITS(高度道路交通システム)などは、注目すべき動きです。「モノのインターネット」で指摘されているような、渋滞の少ない、事故の起きない交通システムを、ITSは実現しようとしています。さて、消費者としては当然ITSに対応した車に価値を見出すでしょう。「つながる」車の方が、ある程度の価格差を許容できるなら、どう考えても魅力的なわけです。何せ事故りにくいんですから。

この流れは当然家電にも降りてきます。例えば「つながる」冷蔵庫。中身を自動で検知して、恐らく必要であろう商品を検索し、最寄のスーパーのクーポンを画面に表示する。賞味期限が切れそうだよ、というアラートも表示することができるでしょう。クックパッドから人気のレシピだってダウンロードできます。

さらに。例えばマウスやディスプレイは勿論、腕時計、財布、服、最終的には人体に埋め込まれる日も来るはずです。家庭用ロボットという新しい商品ジャンルも誕生するでしょう。これが「モノのインターネット」の世界です。


「モノのインターネット」を実現するのは、無線タグやセンサー、そしてインターネットという要素技術です。しかし、根本的にはこれらの要素技術がもたらす「つながる」という状態こそが、「モノのインターネット」の革新と普及をドライブする要因となっていると考えます。なんぞ分かりにくいですが、「つながる」ものの方がどう考えても便利ですし、何より売れるんです。だから企業は技術開発するし、一般に普及するんです。

そして僕は、ソーシャルメディアは「モノのインターネット」が実現するような未来の端緒だと考えます。いずれ、あらゆる商品にソーシャルテクノロジー=「つながるテクノロジー」が組み込まれ、人々の生活は安全に・快適になり、経済は効率的になるのです。

しかしながら、日本はまだまだソーシャルテクノロジーについては後進国です。それは、現在多くの日本企業がソーシャルメディアに対応できていないことからも明らかです。

過去には、パーソナル・コンピュータの可能性を信じたマイクロソフトが、検索データの可能性を信じたGoogleが、つながる端末の可能性を信じたAppleが、圧倒的な成功を収めました。日本企業がこのままソーシャルテクノロジーに疎いままでは、あらゆる製品分野で劣勢に立たされる可能性があります。ソーシャルテクノロジーに対する無知は、国益の損失に繋がるのです。

なんぞ荒っぽくて大仰な言いぐさですが、僕がこんなブログ、日本にソーシャルメディアの風を!としつこく言い続けている(といっても数ヶ月ですが)のは、冗談抜きにそういった危機感も一つです。このままでは日本は、また、遅れてしまうのです。杞憂なら良いのですが。

遅れないためには、まずクライアント企業がソーシャルテクノロジーの可能性を、ソーシャルメディアを通して体感するべきです。はじめはWEB担当やPR、マーケティング部のためだけのテクノロジーですが、いずれはソーシャルテクノロジーが商品開発レベルにまで落ち込んでくるのは明白です。その時に備えなくてはなりません。

ソーシャルメディアは端緒に過ぎません。これからの未来は、Internet of Things、という言葉に代表されるような世界、あらゆる製品がつながり、キーボードとディスプレイによる「WEB」という概念が過去のものとなる、そんな世界です。人と人、人と企業、人とデータ、人とモノが結びつき、世界はフラットに、効率的になるのです。

その未来を切り開いていくためには、当然端緒であるソーシャルメディアについて知る必要があります。それなくては、商品開発ができないんですから。ソーシャルテクノロジーの知識なしに、iPhoneが作れたでしょうか?

製品の「良さ」を決める要素として「意味的価値」というものに比重が移っている、という話は有名です。例えばPS3はWiiより優れた技術を使っていますが、Wiiはそのインターフェイスや操作方法で、PS3以上の価値を持っています。スペック重視の時代は、コンシューマ製品レベルではとうに終わっているのです。それよりも人は美しいGUI、操作感、「つながる」かどうか、を重視するのです。まだまだ日本はスペック重視、ツール重視の感が否めません。

…と、漫然と、とうとうと、ざっくりと語ってしまいましたが、まとまらないのでここで止めます。このエントリでは、ソーシャルメディアの未来は決してWEBとキーボードの世界で閉じるものではない、近視眼的になってはいけないよ、ましてやソーシャルメディア=ツールという発想では本質を見損なう恐れがあるよ、ということを、自戒を込めつつ言いたかったのでした。
また、細かい現状はよく知りませんが、特に今は「ツールから」入ろうとする企業と、自社製品を売るべくそう仕向けるコンサルタントが多いように感じられたので…(偉そうですみません)。お読みくださった方、有り難うございました。


追記(2012/5):本記事2009年に書いた記事なので、大分内容が古くなっています。最新の事例を交えて、より詳しく書いた記事もあるので、こちらもぜひお読みください。


「Internet of Things(モノのインターネット)」とは?

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...
このエントリーをはてなブックマークに追加




[PR] 無料でHTML5ウェブサイトを作るなら「wix」

解説記事書きました→無料で高品質な静的サイトが制作できる「Wix」の使い方





無料メルマガ始めました