富山のニュース 【4月27日00時57分更新】

高岡市が本格搬入 震災がれき、きょうから1700トン焼却へ

震災がれき近くで空間放射線量を計測する市職員=高岡市長慶寺の市環境クリーン工場
 高岡市は26日、東日本大震災で発生した岩手県山田町の震災がれきの本格搬入を始め た。富山県内で震災がれきの本格受け入れを行うのは初めて。木くずなど可燃物8・3ト ンが搬入され、放射線量測定の結果はいずれも基準値を下回った。27日から焼却が始ま る。市は12月末までに約1700トンを処理する計画だ。

 搬入先の高岡市長慶寺の市環境クリーン工場に午後4時半ごろ、JR貨物高岡駅から震 災がれきを積んだコンテナを積載したトラック2台が到着した。県は工場内でがれきのサ ンプルを取り出して放射線量を測定した。

 30秒間隔で5回測定、がれきの遮蔽(しゃへい)放射線量は毎時0・002マイクロ シーベルトなどだった。災害廃棄物処理実施計画の毎時0・01マイクロシーベルトの基 準以下で安全性が確認されたとし、高岡市に引き継いだ。

 続いて市が空間放射線量を測定。搬入1時間半前の毎時0・08マイクロシーベルトに 対し、スクーリング後は毎時0・07マイクロシーベルトとほぼ同量だった。トラックか ら1メートル離れた4地点の測定は毎時0・07〜0・08マイクロシーベルト、取り出 した木片に近づけた場合でも毎時0・08マイクロシーベルトと、いずれも一般可燃廃棄 物の線量とほぼ変わらなかった。

 測定後、がれきは「ピット」と呼ばれる貯留場所に入れられた。26日夜から一般廃棄 物と混ぜられ、27日午前8時ごろから焼却される。

 市は焼却時の排ガスや焼却灰の放射能濃度、周辺の空間放射線量、土壌放射能濃度を確 認し、埋め立て処理を行う。

 環境クリーン工場の入り口前には、がれき受け入れに反対する住民数人が看板を掲げて 抗議行動を行ったが、混乱はなかった。

 震災がれきの広域処理に反対する「高岡の未来を考える会」は26日、高岡市と同市議 会に対し、17日に提出した震災がれきに関する公開質問状の回答が不十分だとする抗議 声明書と、がれき受け入れの再考を求める要望書を提出した。


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