大相撲名古屋場所（７月７日初日、愛知県体育館）から現役に復帰する幕内蒼国来（２９＝荒汐）が、両国国技館で開かれた力士会に出席。八百長問題で解雇された一昨年以来、他の関取衆と顔を合わせ、「皆が温かく迎えてくれてホッとしました」と感慨に浸った。

　その一方で、やはり２年間のブランクを埋めるのは簡単ではないようだ。蒼国来は現時点での自身の実力について「今の力は番付で言うと、何とか幕下に残るくらい。５月は関取との稽古はできないと思う。どうしても６月になってしまう」と冷静に分析する。現在の稽古相手は部屋の幕下力士。ここから十両、さらに幕内までレベルを上げるのは至難の業だ。

“ハンディ”は体力面や相撲勘だけではない。八百長問題による大量引退や世代交代で対戦する関取衆の顔触れが大きく入れ替わってしまったからだ。蒼国来は「知らない力士がいっぱいいる。そのへんは夏場所（取組の映像）をしっかり見て勉強しないといけない」。２年間という期間の長さをあらためて実感している。

　土俵復帰まで１場所の“猶予期間”が与えられたとはいえ、実質的には「ぶっつけ本番」で名古屋場所に臨む格好となりそうだ。