五輪と韓国ドラマに興奮
今年、私が大興奮したものはアテネ五輪と韓国ドラマ。日本選手のメダルラッシュにワクワクし、野口みずきさんがゴール後「幸せです!」と言った笑顔が胸に焼きついています。夢中になって買い込んだ韓国ドラマのDVDは、部屋の隅に山を作っています。(ただし、「冬のソナタ」は三井住友海上の鈴木秀夫監督に貸し出し中!)
また韓国というと思い出す人がいます。約4年前に酔って駅のホームから転落した日本人を助けた韓国人留学生の李秀賢さんのことです。自分は命を落とされてしまいましたが、彼のした行為を忘れる人はいないでしょう。あの後、ホームには落下防止の柵や緊急停車ボタンをつくる会社が増えました。彼がしてくれたことが、私たちの中に困った人がいたら勇気を持って行動することと、二度と彼のような人を亡くさないようにという思いを植えつけてくれたように思います。
それとは違いますが、今年のアテネ五輪でも「行動する勇気」を見せてくれた人がいます。ハンマー投げの室伏広治選手。彼はドーピング疑惑について再審査を求めました。それによって、二度と同じことが起こらないように国際オリンピック委員会(IOC)は防止策に努めるに違いありません。もしもあの時に室伏選手が疑惑を自分の中に閉じ込めてしまっていたら、同じように疑惑を持たれる選手が出てくるようになったかもしれません。スポーツ選手がこうして声をあげると、自分の結果ばかりおいもとめているのではないかと思われることもありますが、声をあげる人がいるからこそ、次につながるフェアな道が作られていくのです。
今年は本当に「災」という文字に象徴される1年でしたが、来年に向かってより良い道をみんなで創っていけますように。
(共同通信/2004年12月22日配信)
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