小児科病棟

ばばじろう日記 2013.4.22

ブログランキング・にほんブログ村へ

 

 医学生のころ、小児科について次のようなことをよく聞いた。

 

 子供は注射を嫌がって泣き喚くし、

 親御さんは、子供のこととなるとついつい要求が高度になる。

 だから、小児科は大変な診療科だ。

  

 しかし、小児科で研修(病棟医)を始めてみると、

 そうでもない。

 

 わが子が救急搬送され入院となったとき、

 当然のことながら、親御さんは不安げにしている。

 その親御さんに状況を説明し、治療計画を説明し、

 毎日、病室をのぞいては経過を説明し、

 やがて、、、

 子供たちは元気になってきて、

 ベッドの上ではしゃぐようになってきて、

 笑顔を見せながら帰って行く。

 

 退院するときの、子供たちの嬉しそうなしぐさが、毎回まことに喜ばしい。

 

 難治の病も多い。

 もちろん、不治の病もある。

 親御さんの心労を慮りながら、医師としてできる限りのサポートをしようと

 入院中、患者さん家族に寄り添う。

 

 いずれにしても、真摯にご家族に接することで、

 お互いの間に信頼が生まれ、

 ご家族と医療従事者とのチームワークも可能となる。

  

 小児科医になろうかな。

 今のところ、産婦人科医志望だけど。

 

 今日は、慢性疾患の女の子がひとり、軽快して退院となった。

 今後はベテランの専門医先生が外来でフォローアップをしてくれる。

 冒頭のお手紙は、その女の子が退院する時に、はにかみながら僕にくれたものだ。

 

 「あれ? お医者さんじゃなくて、看護師さんになりたいんだね?」

 

 と尋ねると、

 間髪いれずにお母さんが、

 

 「医学部に入るだけの頭がないと思いますので」

 

 と……。

 

 患者を思いやる気持ちをもった医療従事者になるのであれば、

 医者も看護師も関係ない。

  

 病棟では、看護師のほうが医者よりも患者に近く、

 思いやりを発揮できるにはふさわしいかもしれない。

 

 先日は、ぼけなすについて書いたが、

 まことに素晴らしい看護師もたくさんいるわけで、

 特にしっかりした大病院では、優秀な看護師たちにサポートされながら、

 医師業務を行うことができる。

 

 いま、小児科研修をしている病院は、

 小児の救急対応をしている立派な病院で

 たった一ヶ月しかいない僕にも

 たくさんの医師がご指導してくださり、

 たくさんの看護師がサポートしてくれる。

 

 小児科はとても忙しいけども、

 とても働きやすい病院だ。

 

 医療スタッフが働きやすいということは、

 それだけ質の高い医療を提供でき、

 それだけ患者さんの安心や満足につながると思う。

    

ブログランキング・にほんブログ村へ 

コメントを送る

おなまえ 

コメント

公開コメントに する しない

(公開コメントにする場合、このページの最下欄に表示されます。

 公開コメントにしない場合、ブログ管理人宛てのメールとなり、公開されません)

 

戻る

ばばじろう日記