北朝鮮ミサイル:自衛隊に破壊措置命令 予告なし発射警戒
毎日新聞 2013年04月07日 21時18分(最終更新 04月07日 23時32分)
小野寺五典(いつのり)防衛相は7日、北朝鮮による中距離弾道ミサイル発射の可能性が高まっているとして、自衛隊法に基づく破壊措置命令を発令し、自衛隊にミサイル防衛(MD)の態勢を整えるよう指示した。北朝鮮による正式な発射予告は確認されていないが、政府はミサイルが日本領土・領海に飛来したり、部品などが落下したりする事態への対応が必要と判断。当面は海上配備型迎撃ミサイル「SM3」を搭載した海上自衛隊イージス艦を日本海に展開させる。
発令は2009年3月、昨年3月、同12月に続き4回目。過去3回の破壊措置命令は、いずれも北朝鮮がミサイル発射を「人工衛星の打ち上げ」名目で国際海事機関(IMO)へ通告した後に出しており、通告がない段階での発令は今回が初めてとなる。
北朝鮮はすでに、中距離弾道ミサイル「ムスダン」を載せたとみられる移動式発射台を日本海側に移動。米軍が防衛態勢を強化するなど緊張が高まっている。このため、日本政府は不測の事態に「万全の態勢で対応」(菅義偉(よしひで)官房長官)できるよう、予告の有無にかかわらず破壊措置命令を発令することを決めた。
政府は過去3回の発令時とは異なり、首相や関係閣僚による安全保障会議は開催せずに命令を出した。また、日本の情報収集能力や部隊の運用方法が相手に知られるのを避けるとして、発令の事実を公表しないことも決めた。迎撃態勢をとるSM3搭載のイージス艦の展開を相手に知られないようにする狙いもあるとみられる。海上に展開するSM3とは違い、態勢をとったことがすぐに知られてしまう地上配備型迎撃ミサイル「PAC3」の展開は当分、見送る方針だ。
政府関係者は、発射の時期や意図が不明確としたうえで、発令を公表しない理由を「北朝鮮の出方をうかがう必要があり、日本が先に表立った行動をすべきではない」と説明した。
ミサイルが実際に発射された場合、全国瞬時警報システム(Jアラート)などで自治体・国民に警戒情報を提供する。【青木純】