日銀新緩和策:予想外の「満額回答」 驚く市場

毎日新聞 2013年04月04日 21時56分(最終更新 04月05日 00時46分)

黒田日銀の「量的・質的金融緩和」の狙い
黒田日銀の「量的・質的金融緩和」の狙い

 日銀の新たな金融緩和策の決定を受け、金融市場には「市場の期待を上回った大胆な緩和だ。市場にレジームチェンジ(体制変換)を大きく印象づけた」(菅野雅明・JPモルガン証券チーフエコノミスト)と驚きが広がり、円安、株高、債券高(金利は低下)が急激に進んだ。

 長期金利は、指標となる新発10年物国債利回りが一時、0.425%に低下(価格は上昇)し、過去最低だった03年6月の0.430%を約10年ぶりに更新した。「緩和の大きさといい、政策を小出しにしないところといい、すべてサプライズ」(小野木啓子・大和証券シニアJGBストラテジスト)で、市場で国債に大きく買いが入ったためだ。ただ、今回の緩和で、日銀が買い入れる長期国債は、政府が毎月発行する国債の7割に相当する。日銀は、政府の財政を金融政策が支える「財政ファイナンスではない」と説明するが、市場では「緩和内容は、もう元には戻れない規模で、価格急落を含め、リスクを感じざるを得ない」(SMBC日興証券)と、懸念する声も上がっている。

 「予想をくつがえす『満額回答』」。大和証券の野間口毅・株式チーフストラテジストは日銀の決定をこう評価し、「株式市場は上昇基調に戻るのではないか」と期待をみせた。日経平均株価は、午後1時40分過ぎの金融政策発表直後から取引終了までの約80分間で300円超上昇し、前日比272円34銭高の1万2634円54銭で取引を終え、今年の最高値(1万2635円69銭)に迫った。

 東京外国為替市場は、円安・ドル高が急進し、一時は前日終値比2円超円安の1ドル=95円68銭にまで進んだ。SMBC日興証券の野地慎・為替ストラテジストは「事前に予想された金融政策を内容的に上回ったことに市場が素直に反応した」と指摘。日銀は長期国債の保有残高を年約50兆円ずつ増やすよう買い入れるとしており、野地氏は「実現すれば金利は下がり、米国との金利差などで円安は進む。日銀の円安に込める思いは市場に理解された」と話した。みずほ証券の鈴木健吾FXストラテジストは「来年までを見通せば1ドル=100〜110円の可能性もある」と語った。【高橋慶浩、浜中慎哉】

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