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CYCLINGTIME.com

2013/3/9 23:03

Rabobank Doping

ラボバンク暗黒時代の真相は日の目を見るのか?それとも永遠の闇に葬られるのか?ボーヘルトの告白が広げる波紋、USポスタルに続くスキャンダルの序章となってしまうのか?


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先日オランダのテレビインタビューで往年の名選手マイケル・ボーヘルトが現役時代の長期間に渡るドーピングを告白した。詳細を告白するように迫られた彼は、現役14年間の内10年間、1997年から2007年に渡りEP、自己輸血、そしてコルチゾンによるドーピングを行っていたことを告白した。


『ボーヘルトの汚れた栄光』
現役時代は強豪選手として常に優勝候補に挙げられた選手であり、1999年のアムステル・ゴールドレース、パリ〜ニースで優勝、オランダナショナルチャンピオンに1997、1998、2006年に輝き、またツール・ド・ロンバルディアとリエージュ・バストーニュ・リエージュでそれぞれ2度、アムステル・ゴールドレースでは4度も2位に入るなど、安定した強さをクラシックで発揮し続けた。

しかし今、その栄光のすべてがドーピングによるものだったと告白したのだ。ツール期間中はドーピングを避け、ドーピングクリーンで挑んだが、それ以外のレースの合間やトレーニング時には積極的に利用していたことを認めたのだ。

1997年に禁止を知りながらEPOを使い始めたが、検査などに引っかかるリスクが高いと判断して自己輸血へと切り替えたことなど、事細かに証言した。しかし一体他に誰がドーピングをしたのか、誰がそれを指示、指導したかなどはアームストロング同様に語ることはなかった。

「間違っていることが分かっていても、ドーピングをいう選択をしたのは僕自身の責任なんだ。」

そうボーヘルトは語ったがこれでは結局何の解決にもならないだろう。もしほんとうの意味で後悔をしているのであれば、自転車レース界を心から愛し、ドーピングを根絶したいのであればその仕組みや関係者を証言するべきだろう。それこそがドーピングを行い、ファンとロードレースを欺き侮辱したことへの責任だろう。結局自分が罪を認めるという自己満足、自己陶酔と言うレベルでは、今後何かペナルティーが課せられたにしても、現役を引退した人間にとってはさほどの意味のある制裁にはならないだろう。

また自分だけがスケープゴートにされるのが怖いから話さないと言っているが、逆に言えばここまで告白しておきながら黒幕を語らないことで心象は悪くなり、さらなる非難の的になるのではないだろうか。ドーピングを行いすぎた人間は思考まで鈍るのだろうか?もっとよく考えて認めたのであれば、きちんと闇を暴いていくための協力をしたほうが、自らのこれからのためにもなるとそろそろ気づくべきだろう。でなければ結局誰かが暴き続け、それから誰かが逃げ続けるという悪循環は途絶えること無く続き、負の連鎖はこれからも断ち切ることは出来ないだろう。

当時ラボバンクに所属していたダニー・ネリッセン、マーク・ロッツ、トーマス・デッケル、リーヴァイ・ライプハイマー、ミカエル・ラスムッセン、グリシャ・ニアーマン、そして当時の監督セオ・デ・ローイがすでにドーピングを認めており、USポスタルや他のチーム同様にラボバンクでも組織的ドーピングが行われていたのは間違いないだろう。

そしてこれらが大きく表沙汰になった昨シーズン後半になり、唐突に2013年シーズンからのスポンサーを撤退したラボバンクの行動が、皮肉にも組織的ドーピングを立証してしまっている。ラボバンクと言うスポンサー自体がドーピングを指示してはいないだろうが、スポンサーの期待に応える結果を出すために運営団体が組織的にドーピングを行ったと言う事実は、結果においてスポンサーは間接的にドーピングに資金提供したことになり、黙ってスポンサーを撤退するよりは、真相をはっきりさせることこそが責任でありイメージ回復につながっていくだろう。

全てがあやふやにされようとしているドーピング暗黒時代、「あの時代はね〜」では片付けられない大きな問題となっていることを認識して、今こそ未来のことを考えてきちんと真相を表舞台に引きずり出すべき時だ。

H.Morine
SRM

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