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【政治】

大同団結 市民の手で 脱原発「緑茶会」 衆院選教訓に

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 市民グループが二十四日に設立した政治団体「脱原発政治連盟」(緑茶会)。自民党は、原発維持路線をとり早ければ今秋にも再稼働させる見通し。対抗する政治勢力を結集するため、参院選に向けた大同団結を政党に任せるのではなく市民側から迫る方針だ。 (城島建治、宮尾幹成)

 脱原発勢力にとって昨年十二月の衆院選は、悔やんでも悔やみきれない結果だった。

 各種世論調査では脱原発を求める声が強く、本紙が衆院選公示直前に行った調査でも、約60%が支持していた。

 しかし脱原発を標ぼうする政党は民主党、日本未来の党、公明党、共産党、みんなの党、社民党、新党大地、新党日本の八党に分散。三百小選挙区のうち、脱原発政党三党以上が候補を出した「脱原発乱立区」は百五十にのぼった。

 その結果、自民党が漁夫の利を得た。例えば、埼玉1区では民主、みんな、共産、社民各党の候補の総得票率は60%を超えたが、議席は得票率が40%にも満たない自民党が獲得した。最終的には比例代表も含めて全体の六割を超える二百九十四議席を自民党が占めた。

 脱原発を求める世論は、いまも高い。本社加盟の日本世論調査会が二月中旬に実施した調査では、脱原発を求める回答は70%近くに達している。

 しかし、国会では「衆院選の反省」から連携する動きはなかなか進んでいない。生活の党、みどりの風、社民党の三党は三月に脱原発基本法案を参院に共同提出。しかし、民主党と共産党は、脱原発を実現する時期が違うとして足並みをそろえなかった。

 参院選での共闘も進んでいない。このまま政党に任せていては、衆院選の二の舞いになるという危機感が緑茶会の発足につながった。

 脱原発を後押しする団体はこれまでも少なくなかったが、緑茶会の特徴は(1)支援する候補に離党を求めず、所属政党のままでの立候補を認める(2)選挙資金や脱原発賛同者の名簿を提供して「直接支援する」−ことだ。

 参院選に立候補するには選挙区が三百万円、比例が六百万円の供託金を納めなければならない。資金が潤沢とは言えない中小政党や無所属で出馬する新人にとっては、緑茶会が出馬のハードルを下げる役割を果たすことになり得る。緑茶会側は「物心両面」で支援をしながら緩やかな連携を迫ることで、政党側にも大同団結の機運が高まることを期待している。

◆推薦する立候補予定者(敬称略)

【選挙区】

▼民主党

松浦大悟(秋田) 岡崎トミ子(宮城)

金子恵美(福島) 藤田幸久(茨城)

谷博之(栃木) 大河原雅子(東京)

川上義博(鳥取) 武内則男(高知)

松野信夫(熊本)

▼みんなの党

行田邦子(埼玉) 米長晴信(山梨)

▼生活の党

森裕子(新潟) 佐藤公治(広島)

▼みどりの風

舟山康江(山形) 亀井亜紀子(島根)

▼無所属

糸数慶子(沖縄)

【比例代表】

▼民主党

相原久美子、大島九州男、神本美恵子、ツルネン・マルテイ、藤谷光信

▼みんなの党

川田龍平、平智之

▼生活の党

はたともこ、広野允士、藤原良信

▼共産党

井上哲士、紙智子、山下芳生

▼みどりの風

谷岡郁子、山田正彦

▼社民党

又市征治、山城博治

▼緑の党

須黒奈緒、長谷川羽衣子、杉原浩司、大野拓夫、松本なみほ、田口まゆ

▼新党今はひとり

山本太郎

 

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