July 8, 2009
2009年7月7日、日本。20歳になるメスのアカウミガメの“悠(ゆう)ちゃん”は、サメの被害に遭い、両前肢(前ヒレ)を失った状態で保護された(写真左)。しかし2009年6月、悠ちゃんは新しいヒレを手に入れる。新しい義肢(同右)が試作されたのだ。
2009年7月7日、日本。20歳になるメスのアカウミガメの“悠(ゆう)ちゃん”は、サメの被害に遭い、両前肢(前ヒレ)を失った状態で保護された(写真左)。しかし2009年6月、悠ちゃんは新しいヒレを手に入れる。新しい義肢(同右)が試作されたのだ。
悠ちゃんの義肢を作製したのは川村義肢株式会社。「悠ちゃん義肢プロジェクト」を推進する日本ウミガメ協議会の協力企業である。神戸港に程近い海水池「神戸空港人工ラグーン」で、同社が試作した人工ヒレの装着試験が行われた。
日本ウミガメ協議会が毎日新聞社発行の英字紙「Mainichi Daily News」に語ったところによると、悠ちゃんはヒレを失った状態では本来の60%程度しか推進力がなく、サメの攻撃にさらされる危険性がいっそう高まるという。新しいヒレを悠ちゃんが気に入った暁には、再び海に放される予定だ。
「今回のプロジェクトが上手く行けば、カメの義肢としては“世界初”の成功例になる」と、保護関係者らは期待を寄せている。これまでにもアメリカの“アリソン”というウミガメのために義肢が試作されたことはあったが、結局は基部に人工部分を支えるだけの大きさがなかったため、成功には至らなかった。
近年では人工ヒレから人工クチバシまで、ケガをした動物にさまざまな補装具が取り付けられるようになっている。
Photographs courtesy Kawamura Gishi