'13/4/28
米「聖域化」けん制 日本のTPP合流で
【ワシントン共同=春木和弘】米通商代表部(USTR)高官は26日、共同通信のインタビューに応じ、日本の環太平洋連携協定(TPP)交渉合流をめぐり「日本には高水準の貿易自由化を耐え抜く決意があると確信している」と述べ、コメなど農産物の重要5品目を関税撤廃の例外とする「聖域化」を貫こうとする日本側をけん制した。
また「交渉が終盤にあることは日本も認識している」と述べ、日本参加で妥結時期が遅れることはないと強調した。
日本は7月下旬に開催する方向の交渉会合から合流する構えだが、先行国は年内妥結を目指し既に交渉を加速している。高官の一連の発言で、日本が重要農産品を関税撤廃の例外とする主張を通すのは容易でないことが浮き彫りとなった。
高官は「全ての国がそれぞれの重要品目を交渉対象としている」と指摘。重要品目の扱いは「交渉を通じて決まる」との立場を繰り返した。
また日本の参加をめぐり、近く米国民から広く意見を募り、公開ヒアリングも開くと表明。米国をはじめ加盟国の国内手続きが全て完了しなければ、日本は交渉に加われないと説明した。自動車と非関税障壁に関する日米間の並行協議はTPP交渉と同時に始めるとした。
日本からの輸入に対する関税の当面維持が決まった自動車分野では「日本で公平な競争条件が確保された後に関税撤廃の話になる」とし、撤廃時期が大きく後ろにずれ込む可能性を示唆した。日本で、公的医療保険制度の変更を余儀なくされるとの根強い懸念があることについては「事実無根で、TPPは各国の医療保険制度を対象とはしない」とした。
USTRは米国でTPP交渉など通商交渉を担当する機関。