1
「ねえ、麻衣姉さん、今日の晩ご飯はなに?」
流し台の前で料理の下ごしらえをする木ノ内麻衣の肩越しに、義弟の修司が顔をのぞかせた。
「やだっ、くすぐったいわ、修くん」
まるで猫がエサを欲しがってまとわりつくように、義弟はショートカットの軽やかな麻衣の髪に顔を擦りつけてくる。
「後でかまってあげるから、ちゃんと勉強してなさい」
黒のセーターに赤のミニスカートという出で立ちにエプロン姿の麻衣は、ジャガ芋の皮を剥きながら背後に張りついた修司に言った。
上半身にぴったりと貼りついたセーターは、二つの魅力的な乳房を露骨に浮きあがらせ、真っ白でスラリとした美脚は、女のラインとして芸術的なほど完璧な姿を弟の前にさらしていた。
「だって、おなか空いちゃって、勉強なんか手につかないよ」
そう言いながら、修司はいつになく必要以上に体を密着させてくる。
(やっぱり裕美姉さんの結婚がショックだったのかな……。裕美姉さんが家を出ていってから私に甘えてくるようになったわ……)
麻衣は義弟が寂しさをまぎらわすために、自分に甘えているのだと思った。
なぜなら、普段の修司が必要以上に甘えていたのは、長女である裕美のほうだったからだ。
「そうだ、裕美姉さん結婚しちゃって、麻衣ちゃんが一人で料理を作るの大変だから、明日からは僕も交替で料理作ってあげるよ」
「遠慮しとくわ。修くんの手料理なんてどうせカップラーメンでしょう」
「案外おいしいんだよ」
唇を尖らせ、修司は少し不満そうに麻衣の柔らかな頬に顔をすり寄せてくる。
どちらかと言うと小柄な麻衣と、修司との身長差は十センチはあるだろう。
それでなくても小顔なうえに、ショートカットという髪型が、彼女の美貌をひどく幼い印象に仕上げてしまっている。
最近では、外を仲よく一緒に歩いていると、兄妹に間違えられてしまうことも一度や二度ではなかった。
「修くんは勉強のことだけ考えていればいいのよ。受験生なんだから」
麻衣はジャガ芋の皮を剥きつつ、お姉さんぶった口調で修司の提案を一蹴した。
修司に家事ができないのは、姉である彼女が一番よく知っていた。
幼い頃から義姉二人に面倒を見てもらって暮らしてきたのだ。
ある意味、修司の家事能力をゼロにしたのは、麻衣と裕美ということになるだろう。
なんにしても、修司が自分で作れる料理はカップメンしかないのは事実だった。
「裕美姉さん……幸せに暮らしているかなあ……」
そう呟きつつ、修司の両手が麻衣のくびれたウエストを抱いた。
「えっ!」
少しいやらしい手つきでウエストをつかまれ、麻衣の心臓がドキッと大きく高鳴った。
その拍子に、ジャガ芋を握った手もとをすべらせてしまった。
「あっ!痛っ!」
包丁の先端が左手人差し指の先に触れ、じわりと赤い血が浮かんできた。
「大丈夫?」
麻衣の背後に密着したまま、修司が心配そうに尋ねた。
「絆創膏を持ってくるよ」
「大丈夫。こんなキズ、舐めてれば治るから」
麻衣が指を口もとへ持っていくと、修司がそれを横から握った。
「僕が動いてケガしたんだから、僕が舐めてあげるよ」
「えっ?う、うん。いいわよ……」
弟の申し出に少しドギマギしつつ、麻衣は白魚のように細い指を引き離そうとした。
だが修司は強引にそれを自分の口に含んでしまう。
少し血のにじんだ指の腹をペロリと舐め、そのままパックリと義姉の人差し指を第二関節まで咥えてしまった。
(やだっ、これってちょっと……)
二十一歳の女子大生は、頬をほんのりとピンクに染めた。
2
「麻衣ちゃんの味がする……」
麻衣の指を咥えたまま、口をもごもごさせながら修司が笑った。
(もうっ……馬鹿なんだからっ……あっ……)
修司の舌がネットリと指先に絡みつき、そして次に鈍い痛みが麻衣を襲った。
「あっ!噛んじゃだめっ……」
傷口に歯をたてられ、麻衣の美貌が苦痛に歪む。
「い、痛いわ、修くんっ……」
「痛いの好きじゃないの?」
とらえていた麻衣の指を離すと、修司は冷たい口調で言った。
「…………」
その質問に麻衣は答えなかった。
そういう意地悪な質問を修司は時々する。
麻衣は義弟の唾液で濡れた人差し指を、自らの唇にそっと含んだ。
後ろから抱きつくように密着した修司は沈黙したままだった。
二人の間に沈黙の時間が流れていく。
(黙りこんで……どうしたのかしら?……)
二人は流し台の前で重なるように密着していた。
修司が動いたような気配は感じられないのに、麻衣のヒップの上のあたりが変に圧迫されるような感じだった。
(えっ!……)
その腰の部分に押しあてられた膨らみがなんなのか、麻衣は気づいてしまった。
男のシンボルである男性器が、ズボンのなかで窮屈そうに勃起し、彼女の腰に押しつけられているのだ。
義弟の欲情が突然自分に向けられた事実に、麻衣の動悸は急に速くなった。
(修くんが……私に欲情してる?)
顔だけでなく、首筋からうなじ、腕……露出したすべての肌が興奮で赤く染まった。
「……麻衣ちゃん、僕と二人きりで不安になったりしないの?」
修司が呟くように問いかけた。麻衣は小首を傾げた。
「裕美姉さんがいないこと?修くんがいるから寂しくなんてないわよ」
「いや、そうじゃなくて……男の僕と二人で危険を感じないの?」
ぷっと麻衣は吹きだした。
修司が自分のことを「男」と言うなど今までなかった。
「なに言ってるの。弟のくせに生意気よ」
姉弟とはいえ血のつながりはない。
三つ年下の弟を男としてまったく意識していないといえば嘘になるが、現実的には、仲のよい姉弟としてすごした時間が長すぎた。
姉弟のほうが自然でいられるのだけは確かだろう。
「ねえ、麻衣ちゃんは処女?」
「な、なにを急に……今日の修くん、変よ」
突然の脈絡のない質問に、麻衣の小さな顔が真っ赤に染まった。
腰に押しつけられた義弟の勃起は、さらに硬度と熱を増しているように感じられた。
家のなかに狼がいた。義弟という名の狼が。
その事実は麻衣を少なからず戦慄させた。
「お腹すいちゃったな」
話題を変えるように明るい声で言ったのは修司だった。
「あっ、もう少し待ってね。すぐ用意するから……」
麻衣は義弟をふりほどくようにすると、あわてて料理に集中する仕草を見せた。
修司はすべてをわかっているかのように、その様子を見つめている。
(からかっているのかしら?……)
二十一歳の義姉は、まるで年下の少女のように戸惑い、夕食の準備をいそいそとつづけるのであった。
3
(男の子って、時々わかんなくなるのよね……)
自分の部屋に戻った麻衣はベッドで天井を見上げながら溜め息まじりに呟いた。
麻衣にとって、男とは義弟の修司そのものであった。
女には理解できない突拍子もない行動を弟はたまにするので、彼女はそのたび驚かされてきた。
修司が突然質問してきたように、麻衣はまぎれもなく処女だった。
なるべく男の興味を惹きつけない地味な格好をしても、持って生まれた美しさは隠しようがなかった。
大学生になり、さまざまな男からの誘いがあったが、そのすべてを断っていた。
恋愛に奥手という以前に、麻衣には人間不信という側面があった。
実の父母さえまったく信用できなかった彼女には、見知らぬ男女が愛し合うということが不思議でならなかったのである。
さらに追い打ちをかけたのは、母親の影響であった。
娘二人を捨てて、男と逃げた母、そんな人間になりたくないという気持ちが心の奥底にあった。
修司を異性として感じていなかったわけではない。
弟を異性として強く感じたのは、麻衣が中学三年の時だった。
ある日、彼女が脱衣場へ入ると、裕美が洗面台で洗い物をしていた。
それがショーツであると気づいた麻衣は、その時、姉は生理なんだろうと漠然と思った。
だがそれから数日して、姉の入浴中に修司が脱衣場へそっと忍びこむ姿を目撃した麻衣は、なにか言い知れぬ不安にかられた。
弟の行動と裕美がパンティを洗っていた意味を、麻衣が完全に理解したのは一カ月ほど経ってからのことだった。
中学一年生の修司は、姉のショーツで自慰をしていた。
そして、その精液で汚れたパンティを、裕美はこっそり手洗いしていたのである。
女には理解できない男の子の行動を、それまでも修司はたびたび見せてきた。
だが、姉のショーツを使った自慰という行為には、さすがに驚き、戸惑った。
(でもちょっとだけ、裕美姉さんに嫉妬したのよね……)
なぜ姉の下着だけなのか。
試しにわざと脱衣籠に自分の下着も入れておいたが、こちらは見向きもされなかった。
ぽんやりと天井を見つめる麻衣の脳裏に、高校入学式当日の記憶がよみがえった。
その日の夜、初めて修司が麻衣のショーツを使って自慰をしていたのだ。
風呂からあがって洗濯機を覗き、その事実に気づいた十五歳の女子高校生は、初めて自分が女として認められたような気がして、心をときめかせながら、義弟の精液に汚されたパンティを手洗いしたのである。
(ふふ、あの子、最近どうしてるんだろう?ベッドの下に隠してるエッチな本を見て、自分でしてるのかな?)
あれからしばらくの間、修司は義姉二人のショーツを毎日使って自慰をしつづけた。
麻衣のショーツが毎日汚されていたし、裕美の下着も同じように使っていただろうということは、容易に想像できた。
姉妹はそのことで弟を責めるでもなく、知らないふりを通していたのだが、彼が高校二年になった頃、突然その習慣は終わりを告げた。
恐らく、下着では満足できなくなったのだろう。
世話好きの義姉二人に育てられた修司は、部屋を片付けるという能力が皆無といっていい男に育ってしまった。
今では、修司の部屋のどこになにがあるかは、本人よりも麻衣のほうが詳しいほどである。
そして、当然ながらベッドのクッションの下に隠している、あの淫らで恥ずかしい本の存在も、麻衣はよく知っていた。
異性に対してうぶな麻衣から見ると、それらの本の淫らさは、あまりにも不道徳で背徳極まりない物であった。
そのほとんどが、いわゆるSMと言われる世界の雑誌であり、全裸の女性が縛られてセックスをしている、そんな写真ばかりが載っていた。
愛らしい弟のなかに、そんな恐ろしい性欲があるのだと気づき、麻衣は当然ながら驚いたのだが、またその反面、彼の邪悪とも言える部位を覗き見たことで、修司のことがより理解できたような気がした。
(修くんは……あんなふうに女の子を扱うのかな?……)
麻衣の脳裏に焼きついた数枚の写真があった。
一枚は男の前にひざまずいた女が、男件器を口で愛撫するシーン。
二枚目は両手を縛られ天井から吊られた女が、あぐらをかいた男に下から貫かれている場面。
三枚目は床で犬のように四つん這いになって尻から犯される女の写真だった。
その写真を見て、女とは惨めなものだと思った。
だが、そのモデルの顔を見ていると、その顔には悦びがあふれていることに気づかされた。
これらの写真は、麻衣が初めて修司の隠していた本を見つけ、目にしたものであったので、その衝撃は表現できないほど大きく、彼女の記憶に鮮明に刻まれてしまったのである。
(さっきの修くんの目……ちょっと怖かった……)
男の視線を向けた修司から逃げたことを、麻衣は少し後悔していた。
彼がなにを求めどこまで本気なのかはわからなかったが、姉として受けとめてやるべきだったとも思った。
だが、やはり処女の彼女には荷が貴かった。
(修くんは、麻衣にあの写真みたいなことをしたいと思ってるのかな?……)
こういった思いを巡らせると、いつも麻衣の心は切なくなってしまう。
彼女の心臓はドクドクと早鐘のように脈打ち、美貌は羞じらいに灼かれ桜色に染まった。
麻衣は、俗にマゾと呼ばれる女性たちの気持ちが、少しわかるような気がしていた。
幼い頃から、両親の離婚、母親の出奔など、繊細な麻衣には耐えられない出来事が襲ってきた。
女子高生の頃、時に自分の身体を傷つけることで、精神の平衡を保てることに気づいた。
自分で自分を傷つける愉悦を知った彼女は、他者に傷つけられるM女性たちが少しだけ羨ましくもあった。
少なくとも彼女たちは、一人ではない。
彼女たちを傷つけ支配する男たちがいるのだから……。
SMという世界を知ってから、麻衣はその心の奥底に新たな願望を抱くようになった。
それは義弟に犯されたいという、決して許されない禁断の思いであった。
4
「修くんっ……」
義弟の名を囁き、ベッドに横たわった麻衣は右手をそっと左の乳房に添えた。
(私って、いやらしい……)
細い指がパジャマ越しに乳首に触れると、痺れるような甘い刺激が乳房全体にひろがっていった。
その時、部屋のドアが軽くノックされ、麻衣の心臓は弾けるように大きく震えた。
時計は夜中の十二時を過ぎている。
ドアが開き、修司が顔をのぞかせた。
「もう寝てた?」
明かりの消えた薄暗い室内、麻衣はベッドから半身を起こした。
「ううん、ちょっとウトウ卜してただけよ。どうしたの?」
廊下の明かりを背にした修司の表情を、ハッキリ見ることはできなかった。
「さっきは変なこと言って、ごめんね」
修司はそう言いながら麻衣の部屋へ入り、そのままベッドの縁に腰をおろした。
上はランニング、下はパジャマズボンという修司の出で立ちは、別段これといって驚きに値するものではなかった。
だが、廊下から差しこむ明かりに照らされた義弟の股間は、露骨に大きく膨らんでいた。
「別に……気にしてなんかないわ……」
麻衣は、怪しい雰囲気を放つ修司に警戒しながら言った。
「ちゃんと勉強……してる?」
「勉強なんて手につかないよ。麻衣ちゃんの、あのエッチな胸を想像するだけで、すごく興奮しちゃって」
ベッドの縁に座った修司が振りかえり、その視線を麻衣の胸もとへと向けた。
「そんなにジロジロ見ないで……」
無遠慮な視線に身をよじらせ、麻衣は哀しげに表情を曇らせた。
「どうして?僕が男で麻衣ちゃんは女。若い男と女ならば自然なことじゃないかな」
「だって私たち、姉弟なのよ……そんなことを考えるなんて……」
「姉さんだからヤリたいんだよ」
修司の力強い言葉に麻衣の身体がビクッと震えた。
セックスをしたいと言われたのにもショックを受けたが、麻衣は初めて、修司から「姉さん」と呼ばれたことに驚いていた。
彼が「姉さん」と呼ぶのは、今まで決まって長女、裕美に対してだけだった。
弟から「麻衣ちゃん」と呼ばれることが、いやだというわけではなかった。
しかし、裕美が「姉さん」と呼ばれることを、麻衣はずっと羨ましく思っていたのだ。
「ねぇ、いいでしょう。麻衣ちゃん」
まるで自分の女に手を出すように、修司は気軽に手を伸ばしてきた。
「ふっ、ふざけないでっ!修くんっ」
麻衣の太腿にのり、いやらしく撫でまわしていた手を振り払う。
(今日の修くん、どうかしてるわっ……)
暴走する義弟に対し、麻衣はどう対処してよいかわからなかった。
これが、修司以外の男ならば、大声を出して抵抗すればいいだけだ。
しかし、相手が義弟となると、対応次第では彼の将来を傷つけてしまいかねない。
「ふざける?確かに半分ふざけてるけど、半分は真剣だよ。それに今さら冗談じゃ、すまないだろう?」
再び太腿を這いはじめた修司の手が、麻衣のパジャマズボンをおろしにかかる。
5
「なっ、なにをするのっ!」
麻衣はあわてて両手でパジャマを押さえた。
だが、高校生の力に抗しきれるはずもなく、弟の手によってズボンは脱がされてしまった。
「だめっ……ゆるしてっ……」
スラリと伸びた真っ白な太腿を少しでも隠そうと、麻衣は身をよじった。
「やだ……そんな目で見ないで!……ああっ、ひどいっ、修くんっ……」
ギラギラと欲情した邪悪な弟の視線が、麻衣の真っ白な下半身を舐めまわす。
三つ年下の義弟を、手のかかる子供だと思っていただけに、露骨な牡の顔を見せられたショックは大きかった。
この時、麻衣は初めて修司を怖いと感じ、男と女がまったく別の生き物だと思えた。
男とは、女を捕らえて犯す肉食獣なのだと。
「今は………今はだめっ……」
弟の手が直接素足に触れ太腿を這いあがってくると、麻衣は羞恥に美貌を染め、懸命に懇願した。
「今はだめって……じゃあ、いつならいいの?なにを子供みたいなことを言ってんの、麻衣ちゃん。一発やって抜かないと、男はおさまりがつかないんだよ」
ベッドから立ちあがった修司は、ズボンとトランクスを同時に引きさげた。
押さえつけられていたペニスが、跳ねるように飛びだした。
弟の突然の行動に、麻衣はあわてて両手で顔をおおった。
「僕のチ×ポなんて、見馴れてるだろう?」
修司は姉のすぐ前に、狂暴に勃起したペニスを突きだした。
麻衣は指の隙間から弟の肉棒を見て、その凶悪な姿に心を震わせた。
赤黒く野太い肉棒は、子供の頃の可愛かったペニスとはまったく別の物であった。
男性器が大きく勃起するということは、修司の朝勃ちという生理現象で理解はしていたが、生の勃起したペニスを見たのは初めてだった。
こんなにも凶悪になった一物を、言葉で諭すことは不可能だろうと、麻衣も観念せざるをえなかった。
(修くん、私、どうすればいいの?……)
実の両親に愛された記憶のない麻衣にとって、義弟である修司は大切な家族だった。
ずっと姉として一緒にいたいと思う反面、血のつながらない姉弟という不完全なつながりを、麻衣はいつも不安に感じていた。
この時、麻衣のなかに眠っていた禁断の想いが、彼女のなかで目覚めはじめていた。
彼女は女で、弟は男なのだ。
もっと強い絆で結ばれたいのなら、男と女の関係になってしまえばいい。
この現実では許されない想いも、修司に押しきられる形で受け入れてしまえば簡単なのだと、麻衣のなかの女の部分が囁きかける。
弟の暴走を抑えられないと悟った麻衣の身体から、スッと緊張感が抜け落ちていった。
そして彼女のなかに、姉としての義務感に似たなにかが湧きあがってきた。
(私が……麻衣が修くんを男にしてあげる……)
両手をおろして顔をあげ、麻衣は弟の顔をじっと見つめた。
「素直にヤラれる気になったんだね」
真剣な眼差しの麻衣を、仁王立ちの修司が邪な笑みを浮かべて見つめている。
「修くんは受験生なんだから、セックスに気をとられてはいけないわ」
麻衣はベッドからおりると、修司の足もとにひざまずいた。
ちょうど目の高さの少し上に鎌首をもたげた肉棒があった。
「どうしても我慢できないのなら、麻衣が……お口で楽にしてあげる…」
麻衣は処女ではあったが、フェラチオという性行為のことは、女友だちとの話などで知っていた。
それに修司が隠していたエロ本には、口腔性交する写真がたくさんあったので、ある程度の知識を持ち合わせていた。
もっともその知識の多くは、SM雑誌に登場するマゾ女性が、男に奉仕する写真ばかりであったというところに、少し問題があったかもしれないが……。
6
「僕のチ×ポをしゃぶりたいの?」
「うん……麻衣が……してあげる……」
勃起した肉棒の前で、麻衣は羞じらいに美貌を染めながらコクリとうなずいた。
「してあげるっていう言い方はどうかな。いやいやチ×ポしゃぶられても、お互い楽しくないよ」
仁王立ちで赤黒い凶悪な一物を手でしごきながら、修司は言った。
「いやいやなんかじゃないわ。だって修くんは麻衣の……弟だもの……」
「そういう言い方、好きだよ」
修司が一歩前へ踏みだした。
股間をおおう黒々とした剛毛とグロテスクな肉棒が、すぐ目の前に迫り、そこから放たれる男の性臭が、麻衣を戸惑わせた。
「じゃあ、これからは僕がしたくなったら、麻衣ちゃんが口で楽しませてくれるんだね。でも、麻衣ちゃんにできるかな?」
「で、できるわ……男の子のことだって……ちゃんとわかってるわ」
少し震えた声で麻衣は言いきった。
実のところ、麻衣は自分が処女だということもあり、修司が童貞だろうと思いこんでいた。
実際、弟が女友だちを家に連れてきたことなどなかったし、彼女がいるような雰囲気もなかった。
そのため、麻衣は口唇奉仕さえすれば、修司の性欲を簡単に抑えられるだろうと考えていたふしがある。
「我慢できなくなったら麻衣がしてあげる。その代わりちゃんと勉強するのよ」
「うん、約束するよ」
仁王立ちの修司は満足げにうなずいた。
「さあ」とうながされ、麻衣は意を決して奉仕にとりかかることになった。
膝立ちとなって弟の股間に可憐な美貌を寄せ、白く綺麗な手が赤黒い肉棒を握った。
(ああっ……こんなに大きいなんてっ……)
ドクンドクンと大きく脈打つ熱い肉棒に、麻衣はあらためて驚き、戸惑った。
「あっ……」
思わず麻衣は声をあげた。
手のなかでグロテスクな肉の凶器がさらにムクムクと太く、大きくなってきたのだ。
(やだ、オチン×ンが、また大きくなっていく……)
まるで別の生き物のように動くペニスを前に、麻衣はためらいを覚えていた。
(私っ……こんなに大きなものに……うまくできるかしら?……)
肉棒を握りしめたまま逡巡する義姉に向かって、修司が言った。
「いつもお姉さんぶってるくせに、チ×ポも上手にしゃぶれないの?」
修司は麻衣の頭を両手でつかむと、肉棒の先端を唇にこすりつけた。
「しゅ、修くんっ……んむっ」
柔らかな唇をめくるように亀頭が侵入すると、生臭い香りが口のなかにひろがった。
(修くんのオチン×ンが……)
男のシンボルに口づけした瞬間、麻衣のなかでなにかが弾けた。
美貌はもちろん、全身が熱く火照り、おんなの芯がキュンと切なく疼いた。
(ちゃんとやらないと……修くんを喜ばせてあげたいから……)
可憐な二枚の唇に触れた亀頭を、麻衣は優しく受け入れた。
そっと迎え入れるように口を開いていく。
「うんっ……ううんっ……」
麻衣の唇が開くと、野太い一物が無遠慮に口のなかへ押し入ってきた。
「いいかい、吸いながらチ×ポに舌を絡ませるんだ。歯を立てちゃだめだよ」
姉の頭を両手で固定したまま、修司は麻衣の小さな口を性器に見立て、ゆっくりと腰を動かして、その柔らかな唇を使って楽しみはじめた。
「どうだい?僕のチ×ポ」
義姉の唾液に濡れた肉棒を一度引き抜き、修司が訊いた。
ハアハアと息を荒くし、麻衣は上目遣いに弟を見上げた。
その白い頬を、ペニスが嬲るようにこすってくる。
7
「麻衣っ……よくわからないけど……とっても大きく感じるわっ……」
ペニスの大小の区別はつかなくても、自分の処女膜と較べてみれば、その大きさは尋常なものとは思えなかった。
こんな太いものが、本当に自分のなかに入るのかと、麻衣は勝手に先のことを考えて震えていた。
「さあ、咥えていいよ、姉さん」
再び亀頭を突きつけられると、麻衣は瞳をそっと閉じ、熱い吐息を吐きかけながら肉棒を呑みこんでいった。
トロリと甘い唾液を染み渡らせ、自分からゆっくりと唇を動かして奥へ迎え入れていく。
「ううっ……麻衣っ……」
温かな義姉の粘膜にネットリと包まれ、修司が腰を震わせた。
「ううんっ……ふんっ……むふっ……」
小鼻を膨らませて麻衣がフェラチオ奉仕をつづける。
口腔全体にダイレクトに伝わってくる修司の反応が、麻衣を積極的にさせていた。
熱くたぎった亀頭を優しく舐めると、肉棒がビクビクと動き、麻衣の口のなかで躍った。
(もっと……もっと気持ちよくしてあげる……)
弟が悦んでいる。その事実が、女としての本能と姉としての母性を強く刺激していた。
麻衣は上目遣いに修司の満足げな顔を見た。
男の足もとにひざまずいて奉仕するということが、これほど心地よいとは思わなかった。
「そうだ、麻衣、もっと舌を胴に絡めて。ううっ!……」
修司は姉に対して、事細かに口唇奉仕の指導をした。
麻衣は言われるまま、舌と唇を使って従った。
弟を悦ばせること、それが彼女の唯一の願いであった。
「すごく気持ちいいよ。姉さんにチ×ポを咥えてもらってるっていうだけで、僕、イッちゃいそうだ」
修司の息が徐々に荒くなっていく。
ゴツゴツと亀頭が喉奥を突き、そのたびにむせかえりそうになるが必死にこらえた。
どれだけ大きくなろうと、乱暴にされようと、弟のすべてを受け入れることが、姉である麻衣の使命だと思った。
急に麻衣の頭を押さえていた修司が手を離し、腰を引いた。
「うんっ……あんっ……どうしたのっ?」
「もう出そうなんだ」
「あんっ、だったら……」
(麻衣の口に出していいわっ……麻衣っ、呑みたいのっ……)
このまま義弟の熱い欲望を口で受けとめ、呑み干すことこそが、姉弟の絆をいっそう強固にするのだと思った。
「あっ……うんっ……ううんっ……」
麻衣は自ら弟の肉棒を咥えこみ、熱心に亀頭を吸いあげた。
「ふふ、麻衣も素直に振る舞えるようになってきたようだね……」
黒々とした股間に、姉の真っ白な顔が埋まっている。
その光景を見下ろしながら、修司は感心したようなセリフを呟いた。
(いじわるっ……)
男性ホルモンの塊りである肉棒を長く咥えていたためか、麻衣の意識は霞がかかったようになっていた。
弟からどれだけ揶揄されようとも、怒る気になれないどころか変に切なくなってしまう。
「僕の精液を……呑ませてあげるよっ」
修司は麻衣の頭を両手で挟むと、猛烈な勢いで腰を前後に動かした。
肉棒を姉の柔らかな喉に容赦なく突きたてた。
激しいイラマチオだった。
「うぐっ……ううっ……んぐっ……」
必死になって麻衣は義弟の肉棒を咥えつづけた。
「ちゃんと奥まで呑みこむんだ。そう、上手だよ」
まるで道具かなにかを使うように、修司は激しく腰を振りたて、肉棒を喉の奥まで遠慮もなしに突き入れてくる。
亀頭が喉の奥にあたるたび、麻衣の眉間が苦痛に歪んだ。
唇の端からは白い泡が垂れ落ちた。
「イクよっ、姉さんっ!弟の精液を呑ませてやるっ!」
姉の無垢な唇を蹂躙した肉棒が、さらにググッと一回り膨張した。
「うぐうっ……」
喉に達するほど深く突き刺さった肉棒に圧迫され、麻衣は窒息しそうになった。
膝立ちの状態が崩れそうになり、麻衣は必死に両手を弟の尻にまわし、しがみついた。
8
「出るっ!」
唇に埋めこまれた肉棒がブルルッと震えた。
血管の浮きでた肉竿の根元から、精液がすさまじい勢いで麻衣の喉奥へと注ぎこまれた。
「うぐっ……ううんっ……うんっ……」
ドクドクとおびただしい量の熱い精液が放出され、麻衣の口、喉を制圧した。
修司の射精は長く、若いスペルマは濃く粘ついていた。
次々と放出されてくる弟の子種を、麻衣は無我夢中で呑み干していった。
汚らしいなどという気持ちは微塵も感じられなかった。
なにか尊いものを口にしているように感じられ、こぼすことが許されないような気がしてならなかった。
麻衣の唇から修司が腰を引いたのは、射精を終えて五分も経過してからだった。
姉の口腔を犯した余韻を楽しむように、彼は射精後の後始末をじっくり時間をかけて、麻衣にさせたのである。
「最高のフェラだったよ。僕の精液、ちゃんと呑んでくれたんだね。どうだった?僕のチ×ポと精液の味は」
「おっ、美味しかったです……」
麻衣はハアハアと肩で息をしながら答えた。
圧倒的な肉の棒で唇を支配されたのだ。
麻衣と修司の間には、姉弟という関係以上のなにかが生まれはじめていた。
足もとにべタンと座りこんだ麻衣を、修司が優しく抱いた。
「姉さん、ありがとう。すごく気持ちよかったよ」
頬と頬が触れただけで、麻衣のおんなは切なく痺れた。
「そうだ。明日から、お風呂一緒に入ろうよ。昔みたいにさ」
「え、ええ……」
突然の提案に、麻衣はわけもわからず承諾した。
「じゃあ、決まりだね。風呂場なら、顔にかけても大丈夫だよね」
修司は無邪気に笑っていた。
麻衣はその言葉に、仕方なくうなずいた。
弟とはいえ、一度ひざまずいてしまったことで、逆らえない雰囲気が生まれつつあった。
狙われた女子大生姉
- 義姉・裕美と高校生
- 修司はズボンだけでなくトランクスも一緒に、一気に引きおろした。グロテスクに勃起した肉棒が飛びだすようにして、裕美の前に突きだされた。
- 新妻に穿たれた肉の楔
- 艶やかな長い髪をかきあげ、裕美はグロテスクな亀頭に唇を寄せた。挨拶代わりにそっとキスをすると、先ほど呑まされた精液と同じ香りが口のなかにひろがった。次に小さなピンクの舌を出して、ペロペロと肉棒を舐めはじめた。
- 義弟に奪われる貞操
- くちゃん、くちゃんという音が合体した部分からもれはじめた。処女特有の強烈な締めつけは相変わらずであったが、破瓜の鮮血が肉棒を濡らし、男と女の性器をとけ合わせるように馴染ませていた。
- 口腔を埋めつくす肉茎
- 口腔性交で射精させられなかった負い目からか、裕美はとても従順な態度で弟の言葉を受け入れた。姉の従順さに応えるように、少年は前かがみになって、唾液に濡れた唇にキスした。軽く重なり一度離れて再び重なり合った時には、二つの唇は互いに貪るような熱いディープキスに変わっていた。
- 雪臀を揺らす二十七歳
- 極太の肉棒で下から串刺しにされ、上の唇ではお互いの唾液で息ができないほど激しく口をしゃぶり合う。そのうえ、裕美の二つの乳房にはしっかりと弟の指十本が食いこみ、さんざんに揉みしだかれているのだ。女という性に生まれ、裕美はこれほど濃密な時間をすごしたことはなかった。
- 奉仕を競い合う夜
- 裕美は無毛になった自分の股間を思い浮かべ、裸身を震わせた。童女のようになった性器を義弟に荒々しく責められる姿を想像するだけで、奥の秘穴から生々しい愛液が湧きだしてしまう。
- 二人の美牝・愛獣の絆
- そして、舐めるスペルマがなくなると、二人は見つめ合った視線を、弟の逞しいペニスへと再び向けた。物欲しそうな視線を向けられ、修司は勃起したままのペニスをしごいた。