山形大工学部システム創成工学科2年の矢野裕子さん(19)が発明した「壊れない糸通し器」が、特許庁などが主催する「パテントコンテスト」で特許出願支援対象に選ばれ、このほど特許出願が完了した。飯塚博工学部長は「山形大では初めて。大学も支援していきたい」と話している。
矢野さんは昨年、愛知県の高校から山形大に入学した。知的財産権制度の理解促進を目的にした「パテントコンテスト」の集中講義で、「壊れない糸通し器」の発明を思いついた。ひし形をしている普通の糸通し器は、針の穴を通るときに角がぶつかって壊れやすい。この角を無くしてやま形にするとスムーズに穴を通り、長寿命化が可能になると考えた。
コンテストでは428件の応募があり、大学部門8件、高専部門5件、高校部門6件が支援対象に選ばれた。独創性や実用性、美しさなどが重視された。山形大から18件の応募があったが、「壊れない糸通し器」だけが選ばれた。矢野さんは「小学生の高学年ごろから裁縫が趣味で洋服作りなどをしてきた。糸通し器は相当に壊れたので、すぐにアイデアを思いついた」と話した。(内藤文晴)
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朝日新聞社会部