全日本柔道連盟(全柔連)は27日、東京都文京区の講道館で臨時理事会を開き、26日に公表された全柔連の第三者委員会の中間報告のほか、主要国際大会の選手選考法を中心に約2時間半話し合った。しかし、26日の記者会見で進退を示唆した上村春樹会長(62)はその件に触れず、「理事会出席者から進退に関する質問は一切出なかった」(宇野博昌理事=広報委員長)という。上村会長が引き続き出席した全国理事長会議も同様。進退を問われずにすんだ3月18日の理事会と変わらぬ“異常”な穏やかさだった。
進退問題に触れなかったことについて、上村会長は「別に理由はない。いろんなことを考えたうえで報告させていただく。私は代表理事なので、6月の定例理事会まではやらなければならない」と語った。
連盟執行部の危機意識は、むしろ後退している。執行部の一人、藤田弘明副会長は「まだやると思いますよ」と続投支持とも受け取れる発言。3月の理事会直前の執行部会で執行部総辞職を迫った佐藤宣践副会長も「私は一度言ったから。あとは会長自身の判断」と言葉を濁し、1カ月前の勇ましさはどこへやら、だった。(武藤康弘)
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