特集ワイド:続報真相 橋下氏「イライラ」のわけ

毎日新聞 2013年04月26日 東京夕刊

=大阪市北区で昨年12月16日、後藤由耶撮影
=大阪市北区で昨年12月16日、後藤由耶撮影

 ジャーナリストの鈴木哲夫さんは「自公の圧勝で国政進出のシナリオが狂ったことがイライラの種。橋下さんが頼っているのは実は石原さんだけ。旧太陽の議員らベテラン議員はプライドがあるから橋下さんの指示通りには動かない。そのあつれきが日銀総裁人事案をめぐって民間登用を主張する橋下氏と政府案を支持する国会議員団のゴタゴタとなって表れた」と指摘する。実際、旧太陽のベテラン議員はこう打ち明ける。「橋下さんは俺たちのようなジジイが嫌いなんだろう。だけど国会運営の機微を知り、他党と渡り合っているのは橋下さんではなく、経験を積んだ俺たちなんだよ」。高齢の石原さんの議員引退説がささやかれる中、ある与党議員は「石原さんという重しがなくなった維新は分裂するかもしれない。国会に足場がない橋下さんは党運営を考えると頭が痛いはずだ」と話す。

 衆院選で54人を当選させた選挙の強さは影を潜めた。兵庫県宝塚、伊丹両市長選で公認候補を立て、公務員批判と役所改革を訴えたが惨敗。維新の馬場伸幸衆院議員は敗因を「国政選挙は政党で選ぶ傾向が強いので橋下パワーがさく裂する。でも市長選は地元密着の課題が争点で、維新パワーが及ばなかった」と分析する。

 風の変化を感じているのが橋下さんを取材してきた毎日放送記者の森崎俊雄さんだ。「府知事選、市長選での橋下さんの街頭演説は人が群がり身動きできなかった。それが衆院選の時は橋下さんが演説しても立ち止まらない人が少なくなかったし、人が通れるスペースがあった。有権者の過度な熱気も冷めていた」。橋下さんは「賞味期限切れ」なのか。23日、大阪府庁に登庁した松井一郎幹事長(府知事)に尋ねると「橋下パワーが落ちてきたことはない。ただ有権者から日々注目されてちょっと慣れられてしまったかなというところはありますかね」と答えた。

 お膝元の大阪市政はどうか。

 「自ら『二重行政の象徴』とした府市の水道事業統合は絶望的です」と吉富さんは指摘する。橋下さんは08年に知事就任以降、当時の平松邦夫大阪市長と統合に向けた交渉を開始した。しかし、府内の市町村長らが反発し決裂。橋下さんは大阪市の責任と主張し、「大阪都構想」を公約に市長選に立候補、当選した。

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