横浜M―甲府 前半、FKで先制ゴールを決め、駆けだす横浜M・中村(左)=日産スタジアムで
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◇J1 第8節第2日 横浜M1−1甲府
表示されたロスタイムの4分を超え、時計の針は50分になろうとしていた。ラストワンプレーでロングスローからDF青山に決められ、横浜Mイレブンはぼうぜんと試合終了のホイッスルを聞いた。これで開幕から守り続けていた首位から陥落。まさに負けに等しい引き分けだった。
前半4分、中村俊輔の直接FKがゴールに突き刺さった。前日から練習していた低いブレ球が相手GKを完全に惑わせた。これがJ1で実に16本目の直接FKのゴール。G大阪の遠藤に並ぶJ1のタイ記録だ。
試合前日に俊輔が「面白くないかもしれないけど」と宣言した通り、前節の新潟戦の反省からあえて前掛かりにせず、ショートカウンターを狙う戦い方に徹した。FKで1点をもぎ取り、そのまま1−0で逃げ切れば、今後の戦いにも大きく影響するゲームになるはずだった。
「強いチームは1−0で勝ってて、したたかに2点目を取りにいける。でもウチは2点目が取れなかった」とDF中沢はガックリ。またDF栗原は「負けに等しい。ラストワンプレーだけだったのに。1−0で勝ってれば、また新たな気持ちでいけた。もう勢いは止まっちゃったのかもしれない」と肩を落とした。
連勝ストップの次は負けに等しいドローで首位陥落。後半44分にはエースのマルキーニョスが右膝を痛めて交代。スタートダッシュに成功した横浜Mについに陰りが見え始めた。 (荒川敬則)
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