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【グラニュース】


ダニルソン、魂のアシスト

2013年4月28日 紙面から

 名古屋グランパスは広島を相手に1−1の引き分けに終わった。後半3分にMFダニルソン(26)からのクロスをMF小川佳純(28)が押し込んで先制したが、同22分に同点に追いつかれた。磐田は湘南戦に4−0で大勝し開幕8戦目でようやく今季初白星を挙げた。開幕から首位を守っていた横浜Mが甲府と引き分け、大宮が実質的にチーム初となる首位に躍り出た。

◆名古屋1−1広島

 魂を込めた会心のアシストに誇らしく両腕を突き上げた。後半3分、MFダニルソンが中央からゴール前へ、猛然とドリブルで切り込む。驚異的な身体能力で外に流れながら折り返すと、これに小川が詰めてグランパスの先制点が生まれた。

 するとチームメートは次々とダニルソンに駆け寄り祝福。このゲームの主役が誰なのか、誰もが分かっていた。

 伏線はカシマスタジアムのロッカールームにあった。ナビスコ杯決勝トーナメント進出が絶望的となった24日の鹿島戦後のことだ。ダニルソンは胸に秘めていた思いを爆発させた。

 「前線の動き出しが悪い! パスの出しどころがないじゃないか! オレたちの力はこんなもんじゃないはずだ!! もっと内容を良くしないとダメだ!!」。普段はもの静かな助っ人の強いけんまくに、選手たちは驚きを隠せなかったという。

 「初めてああいうふうに話をした。正直、提言したりするのは好きじゃないんだ。でも、時には気持ちを伝えなければとは思っていたし、あの日は本当にみんなに感じてほしかったんだ」。それは一世一代の咆哮(ほうこう)だった。

 自分で言ったからには率先しなければならない。この日は何度も相手に激しく削られ、後半6分には両脚を打撲。それでも「我慢できない痛みじゃなかった」と歯を食いしばった。後半43分にもスピードで一気に3人を抜くドリブルで、あと一歩で決勝点というシーンを演出。「スペースがあればどんどん仕掛けようと思っていた」と、広島のボールを奪い続けた守備に加え、攻撃での積極性も群を抜いていた。

 ホームで追いつかれてのドローは確かに痛い。ただ、内容は連敗したここ2試合から劇的に向上した。何より、プロ魂が詰まったダニルソンの超人的プレーは、快晴の黄金週間初戦に集まった1万3千人の胸に響いたはずだ。 (宮崎厚志)

 

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