国際【四川地震】地震から1週間 愛国演出 被災者冷ややか+(2/2ページ)(2013.4.27 21:50

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【四川地震】
地震から1週間 愛国演出 被災者冷ややか

2013.4.27 21:50 (2/2ページ)地震
大地震から1週間となった27日、中国四川省雅安市で犠牲者を悼み黙とうする生徒ら(共同)

大地震から1週間となった27日、中国四川省雅安市で犠牲者を悼み黙とうする生徒ら(共同)

 5年前に起きた四川大地震で胡錦濤前指導部は国際協調を重視、日本をはじめ多くの外国の救助と医療チームを受け入れた。しかし中国政府は今回、外国からの人的な支援をすべて拒否した。

 「最新の機材と豊富な経験を持つ外国の救助チームが来ていれば、何人かを助けられたかもしれない」との声は被災各地で聞かれた。

信者連携を警戒

 警備も異様といえるほどの厳しさだ。被災地に向かう自動車は数キロごとに止められ、警察官が搭乗者の身分証明書をチェックする。成都市の政府は26日夜、「地震に絡み、抗議デモをあおるものを厳しく処罰する」との内容の通達を出した。

 習指導部が、政府批判の動きに神経をとがらせる背景には、雅安地域の民族的、宗教的事情があると指摘されている。

 雅安市は中華民国時代の西康省の主要都市で、長らくチベット人の勢力範囲だった。共産党政権成立後、四川省の一部としたのは、チベット人地域を分断させる狙いがあったからといわれている。現在は移民してきた漢族が多数となったが、チベット仏教の寺院は今も多くある。

 また、被害が深刻だった宝興県は、19世紀から20世紀前半にかけてキリスト教が浸透した地域。新中国建国後、同省のキリスト教総本山とされる教会の使用が禁じられ、信者らは多くの地下教会を作った。地震後、信者らは横の連携を強めたとの情報もある。

 共産党は自分たちがコントロールし切れない「組織」の影響力が拡大することを警戒しており、それが一連のアピールにつながっているようだ。

このニュースの写真

清朝時代に建てられた建築物と住民=26日、廬山県竜門鎮(矢板明夫撮影)

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