放射能汚染を恐れて避難費用300万円超、安住の地が見つからない

アングラ, 東日本大震災, 犯罪, 被災地 歌手のUAをはじめ、原発事故直後、放射能汚染を恐れ、東京から沖縄・九州地方などに避難する人がいた。専業主婦の朝田雪子さん(仮名・34歳)もその1人だ。

「娘が生まれてすぐだったので、福島第一原発事故のニュースを見て、すぐに実家のある名古屋に避難。2か月後にはツイッターで仲良くなったママ友を頼って沖縄に移住することにしました」

 沖縄に移住した当初は、県北部の移住者コミュニティに参加。だが、自給自足の生活スタイルに耐えられず、すぐにホテル暮らしに移ったという。

「でも、沖縄に来てから知ったんですけど、台湾にも原発があるんですよね。台湾は核燃料廃棄物の扱いがかなり杜撰だと聞いて、台風のたびに放射能が漏れるんじゃないかって怖くなって……。もう沖縄にも居られないって思い、福岡にマンションを借りました」

 しかし、この新天地も安住の地にはならなかった。次に彼女を襲ったのは、中国から飛来する黄砂とPM2.5だ。

「洗濯物は外に干せないし、窓も開けられない。2歳になる娘はじんましんになって、私も子供の頃、喘息持ちだったから健康被害が心配でした。何のために福岡まで逃げてきたのかわからなくなっていたとき、東京に一人残してきた夫から『東京で気密性の高いマンションに住もう』と言われ、3月頭に戻ってきました」

 流浪の旅にかかった費用は、総額300万円超。都内の高級マンションは彼女の安住の地になるか。

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