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過去のメッセージ

2005.12.30

「一年が終る」

 2005年が終ろうとしている。昨年12月24日に「めぐみちゃんの骨と称するもの」は偽者であり、他の被害者に関しても北朝鮮情報は信ずることは出来ないという結果に私たちは「怒りの沸点」に達していたのであった。政府も今回は怒りの表明をしてくれると思ったし、細田官房長官(当時)が「迅速で誠意ある対応がなされなければ、厳しい対応をとらざるを得ない」というコメントを出したとき、あと数ヶ月で未帰還者を取り戻す道筋が見えてくると思っていたのだが、今年に入ってからは「郵政民営化」にマスメディアも永田町も振り回され、結局「経済制裁の発動」の論議さえされずに国民の怒りの感情を無視して、吹きすぎるのを待っていたかのような小泉総理の対応であった。皆さん、本当にこれでよいのでしょうか?「拉致問題」は、歴史の中の出来事ではなく、今現在進行形の「大きな人権侵害」であるはずなのに、「被害者救出の声が大きくならない。メディアも新しい事件に追われ、救出のキャンペーンを張ることもしなかった。私たちの闘いは何時まで続けなければならないのか?私たちには、闘いの第一章さえ完結していない。第2章に入るのに何時まで同じことを繰り返さなければならないのか?
先日「羽越本線」の脱線事故があった。国民は乗客の救出に思いを馳せた。JRの職員も消防も警察も乗客の救出に力を尽くしていた。なぜなら、厳寒の中、早く救いださなければ「死亡」の確率が高くなるから。身の危険も顧みず、目に見える形で捜索していた。皆さんはあの時、誰も救出しようとする人がいなかったら如何思うだろう。手抜きをした人々に非難の嵐が起こっただろう。今、北朝鮮に拉致され、北朝鮮で厳寒の冬を耐え忍ばなければならない被害者も同様に、極寒のなかで死亡の確率が増えていくことを思って欲しい。
今、この瞬間も彼らは生存のための闘いを続けている。その彼等を救出することを優先しない政府に、何故マスメディアは沈黙しているのだろう。人として、人権を奪われた同胞を救うことに、今全力を挙げて欲しい。歴史の中の問題ではない。現在進行中の問題であることをもう一度、メディアの方には考えて欲しい。メディアが動けば国民も動く。国民が動けば、小泉総理といえども動かざるを得まい。
12月22日に集まっていただいた人たちには感謝したい。暮れの忙しい中、又寒さ厳しい中、日比谷に来てくれた人々に感謝した。
来年こそはいい年にしたい。
皆さんにとってもよい年になって欲しい。



2005.12.26

「悲惨な事件が続き滅入ってしまった」

 一月、書き込みをしなかった。勿論忙しさもあった。この一月の間の移動距離は今までに経験したことのないものであったのも事実で、多少疲れもあるのだが、それにつけても昨今の悲惨な事件には言葉を失う。「構造偽装問題」・「小学生の殺傷事件」等、私たちには理解できない事件が続き、この国が壊れていることを感じるのは私だけではあるまい。大人は責任を回避し、言い逃ればかり。経済優先で思考してきた弊害が生じているのではないだろうか?人は豊かな生活を追い求め、人に対する思いやりを忘れてしまい、倫理観や責任感をも失ってきたのであろう。
北朝鮮の問題でも同じことが言える。大手ゼネコンは「国交回復後」の「大型経済協力」によるインフラ整備の需給を得たいがために、「平壌詣で」を計画し、実際に動き出しているところもあるようだ。そして、マスメディアの中には「平壌支局開設」を目指し、動き始めているところもある。「北朝鮮による拉致被害者」が未だ帰っていないときに挙って「金正日政権」の許可を得なければ達成しない事象に動くということは、今後「北朝鮮非難」や「金正日の意に沿わないこと」は出来なくなるわけで、その勢力は我々の望む「経済制裁の発動」に対し反対をするであろう。
先の「国民大集会・東京大会」には、師走の寒い中、2000人の方が来てくれた。此処に衆参した方々は「日本が今しなければならないこと」を既に承知し、家族とともに苛立ちと怒りを共有される方々だ。「今、そこにある危機」を肌で感じている方々だろう。
「今、始めなければ手遅れになってしまう。」という危惧を抱いて、何をすべきなのかを改めて決意しつつ、来年の活動を強化しなければならない。
しかし、栃木の犯人はどうなったのであろうか?ご家族の気持ちを考えると身につまされる。あれ以来、報道も少なくなり「世間は忘れたかのような動き」をしている。全ての事象がそうであるが、未解決の事件を早急に解決しなければ、皆が意識し続けなければ・・。



2005.11.28

「西村代議士の逮捕」

 大きな政治の力を感じてしまう、今回の逮捕劇である。西村代議士は早くから「日本人拉致問題」に取り組み、平成9年「国会の予算委員会」においても「横田めぐみさん」という実名を出し、拉致の解決を迫った人であり、それにより「拉致問題」の進展が見られるようになった立役者の一人である。更に昨今は、「拉致議連」の幹事長として議連を纏め上げ、ついに昨年「議連決議」として、平沼会長・江藤晟一元副会長・古屋圭司事務局長等と「金正日政権のレジームチェンジをも視野に入れた『経済制裁の発動』さえ盛り込んだ。
その北朝鮮に対し、毅然と対峙することを唱えている方々があるいは「郵政解散」で、そして或いは、警察権力でその政治力を弱められてしまった。この方向が何を示すのか?大きな不安を感じている。今年春ごろから、官邸と親しい勢力により、議連の幹部つぶしのうわさは現存していた。我々は、確かにそうなった場合の永田町における「拉致問題の解決」が、小泉総理の望む「国交樹立」への道を早める方向にむかうと思われて、危惧を表明していた。11月末になり、愈々それが現実になってしまったことを考えると「我々の家族」の危機を感じてしまう。
 しかし、小泉総理が「国交樹立をなしえた総理」になりたいと思っても、米国が「安易な金正日への援助」を認めるとは思えないし、それ以上に日本国民が許すとは思えない。今、各局のコメンテーターの中には「国交交渉」の中で拉致が話し合われ、解決に向かうと言う人もいるし、「国交正常化すれば解決する」と言う人も現れている。今までの交渉の経緯を見てみて尚、そのようなことをいう方の意図が見え隠れする。
 日本の国民の皆さん、拉致問題をうやむやにするような動きや言動には怒りの声を上げてください。首相官邸へのメールやはがき運動に参加してください。



2005.11.20

「やはり中国は反対した。」

 17日、国連総会第三委員会において「北朝鮮による『外国人拉致』などの人権侵害を非難した決議案を賛成多数で採決した。委員会採決で賛成84、反対22、棄権62であった。反対の中には、中国・ロシアが入っている。「六者協議」に参加している2ヶ国である。その2カ国が反対する意味は、あくまで北朝鮮を擁護する姿勢を示したものであろう。元々中国は自国自身に「人権侵害」の行為が顕著である。ウイグル・チベット問題等、他国への人権侵害のはなはだしい行為を継続中の国家としては、国連での人権問題の追及の前例を作りたくない思惑もあるのかもしれない。しかし、この結果を見ても「国連の安全保障理事会」内で常任理事国として拒否権を有する二国が親北の旗を振ったことを考えると、北朝鮮への経済制裁の採択を望むことは出来ないかもしれない。不思議なのは韓国である。人権委員会での過去3回の採決においても棄権をしてきたのだが、今回も棄権した。日頃、「朝鮮半島統一」を叫び、同胞愛を謳う国が同胞の苦難に関して無関心、或いは無視をしていることは許されるものではない。同胞のために早急の措置を願う。
今後、国連総会での採決を目指すのだが、一ヶ月の間に中国が動く可能性がある。如何動くか?それは影響力のあるアフリカ諸国に働きかけ、反対票の集約を図ることだ。人権意識の薄い中国が自国の国益のために、人権問題を利用する可能性を否定できない。又、アフリカ諸国にはEU連合が提案するものには、とりあえず反対するところもあるため、予断は許されないだろう。日本は同様にアフリカ諸国への影響力を持つ。日本政府・外務省は共同提案している「北朝鮮非難決議」の採択に尽力して欲しい。常任理事国入りにあれだけの労力を投じたのであるから、国民の生命を守るために多大な尽力を惜しむことのないことを祈る。
今、熊本に来ているのであるが、やはり南国である。冬とは思えぬ暖かい日差しが窓の外に広がっている。今回初めて、「九州新幹線」に乗ってみた。喫煙者の私には遺憾であるが、全車両禁煙であった。しかし、たかが30数分間、何等問題なく禁煙できる時間であるから我慢した。それにしても感動したのは、社内の内装であった。木目調の右2列、左2列の椅子。余裕のある空間が癒しの趣を醸し出す。今まで乗ってきた新幹線にはない空間が其処にあった。それに繋がる特急車両もゆったりとした空間を保ち、旅のやすらぎを満たしてくれた。将来、九州全線が新幹線になったとしてもJR九州として車両の継続使用を望みたい。九州もいいぞ!



2005.11.15

「11月15日」

 28年前の今日、北朝鮮は新潟から横田めぐみさんを拉致していった。28年前、めぐみちゃんは「恐ろしく・悲しい思い」をさせられたことを思い出して欲しい。この日、紀宮様の結婚式・ブッシュ大統領の訪日・自民党結党50周年と大きな出来事が重なる日でもあった。おそらく明日の朝刊は、「紀宮様のご結婚」を大々的に報じるのであろうが、お祝い一色の報道の影で「この日を悲しい思い出迎えなければならない家族がいる」ことを忘れないで欲しい。横田ご夫妻は今日、新潟市内でシンポジウムに出ていらっしゃるはずだ。皆さんに「めぐみちゃん」の救出を訴えて、必死で闘っておられることを忘れないで欲しい。ブッシュ大統領は、「11月15日」が何の日か認識されているはずだ。ある報道によると「めぐみちゃん」を意識して訪日日程を決定したと聞く。日本の国会議員、特に小泉総理が「11月15日」を意識しているだろうか?まして今日は「自民党結党50周年」と聞く。北朝鮮は当時も政権党であった「自民党」の記念日にいたいけな13歳の女の子を連れ去ったのである。自民党もなめられたものである。自民党の国会議員は総裁以下、この日を屈辱の日として刻んでいかなければならない。
タイ訪問で、曽我さんが話してくれた「アノチャ」さんが間違いなくチェンマイの女性であることがわかった。名乗り出てきたスカム・パンジョイ氏が示した若き日のアノチャさんの写真を見て、曽我さんは懐かしく、そして会いたいと言っていた。そのことをスカム氏に話してあげたら、長い間消息のわからなかった妹のことがはっきりして喜んでいた。そして、妹が北朝鮮に拉致されたことを認識した。その時、彼が私たちに最初に聞いたことは「妹は生きていると思うか?」・「どんな暮らしをしているのだろうか?」・「どうしたら取り返せるか?」の質問だった。家族というのはどの国でも同じ思いを持つのだろう。まして「タイ」は仏教国であり、人一倍家族を大切にしている国である。当然の気持ちであろう。それにしても・・・・・・・。
タイと北朝鮮は、75年に「国交正常化」して30周年という年であった。アノチャさんが拉致されたのが78年であったから、北朝鮮は「国交のある」タイ人を拉致し、一言も言及することなくやみに葬るつもりであった。
北朝鮮は日本や韓国だけではなく、親交のあったタイからもマカオからも拉致している事実を私たちは深く刻まなければならない。今、「六者協議」や「日朝協議」で対話が進んでいるかのように報じているマスコミやいわゆる有識者の中には、「北朝鮮と国交が正常化されれば、被害者も帰ってくる」などという人もいる。アノチャさんを見よ!国交がある国の国民を平気で拉致して帰していない現状をどうするんだ。北朝鮮はまともな政権ではないことを認識し、誤った報道やミスリードすることは絶対にするな!北朝鮮との対話は現状の方法では成就しないことを強く言うべき時ではないのか?日本政府は「分科会」のような提案をしているが、拉致被害者を帰し、核・ミサイル問題を解決してからしか「国交正常化交渉」に入るべきではないことを強調していかなければならない。
11月15日の今日、制裁の論議を起こす時だと思う。



2005.11.9

「金正日ペースにはまってしまう!」

 以前にも書いたことがあるが、「六者協議」に参加しているのは3軍事大国と、経済大国2である。それが駄々っ子みたいな「北朝鮮政権」のわがままを許すような協議を続けること自体異様に思えるのだが、世界第二位の経済大国が極貧の「金正日政権」をもてあましている状況が理解に苦しむ。それが「日朝協議」の結果でしかない。
 例えば、実社会で課程に合わないものをおねだりしている子供に対し、親がその望みを叶えるだけで、子供の教育が正しく行われるのであろうか?親は家風に合わないものを子供のいうままに与えていては、その子供の行く末によくないことを教えていかなくてはならない。甘やかしは、そのこの将来にとって決してよくないことを知っているはずだ。
 今回、「日朝協議」で日本政府が示した「日朝国交正常化交渉」の提案は、駄々っ子の「金正日政権」に、駄々を捏ねれば何でも言うようになることを感じさせるものだ。先ず、「お前のやったことを謝らなければ、何等欲しいものは手に入らないこと」を教えていくのが大人の役目ではないか。日朝協議でやるべきは「北朝鮮政府の謝罪」があって初めて、次の話し合いになるのである。被害者の帰国がなされて初めて「国交の樹立への道が開けること」を自覚させねばならないのに、先ず飴を与えるような愚はなしてはならない。
 迅速に謝辞を表し、被害者を帰すことこそが「北朝鮮」という国家の生き延びる唯一の方法であることを判らせることが、大人(大国)のなすべきことではないか?真逆の交渉をしているように感じる。米国はこれ以上の飴を与えることはないだろう。それでも北朝鮮政府は米国と向き合いたいと考えている。日本には、飴が先にないと何も進まないという姿勢をとり続けている。これは何が起因するものなのか?「二度の総理訪朝」とその時日本政府・総理が見せた卑屈な笑いや思惑が彼らに余裕を与えているようだ。
 このまま「国交正常化」に進むとは思えないが、「拉致被害者の帰国」が遠のいた感がある日朝協議の内容だった。
 斉木審議官!私たちは時間稼ぎの対話は望んでいないことを承知されているはずです。相手をテーブルに着かせるだけの戦略ではなく、「真摯な姿勢」を引き出す圧力を望んでいます。総理がなんと言おうと「対話の継続」ではなく「対話が途切れようと主張すべきは主張する姿勢」をお願いします。
 明日から、私と西岡さんはタイへ行ってきます。北朝鮮の悪を世界に広げるために。国際社会の連携で圧力をかけて「被害者の早期奪還」を目指します。政府にも同じ気持ちのいることは知っていますが、目に見えない思いや戦略は時として「無策」となります。



2005.11.1

「安倍官房長官に期待」

 11月1日、今日は姉るみ子の52歳の誕生日である。拉致されて27年2ヶ月強、既に熟年の域に達している。その誕生日の前日、小泉内閣の改造が発表され、安倍晋三さんが「官房長官」に任命された。小泉政権下での官房長官であるから多大の期待はできないが、少なくとも「日朝国交の樹立」は避けることができるであろう。今日も内閣府での調整室との面会の間にも予定外の官房長官の出席があった。官邸に近く内閣府は官房長官のお膝元であることから、時間を割いて来てくれたものと思う。昨日の今日であるから、安倍官房長官の気持ちが嬉しかった。
 今、官邸は首相筆頭秘書官の飯島氏が権力を振るっていると聞く。選良でもない一介の首相秘書官が、政治の本丸である首相官邸を動かしている事実を国民はなんと思うのであるか?この権力構造を許してはならない。安倍官房長官の奮闘に期待したい。飯島氏は朝鮮総連の責任副議長・許宗萬とのつながりが深いと聞く。北朝鮮の国会議員の一人と気脈を通じるということが何を意味するのか?わが国の北朝鮮政策がそこで話し合われ、決定されるということである。北朝鮮に対し厳しい姿勢を見せることが出来ないのは当たり前ではないか。しかし、安倍官房長官が官邸に入ることでこの流れを変えていくことができるのではないだろうか?期待しよう。
 米国は今、ブッシュ政権の基盤が揺るぎ始めてはいるが、北朝鮮政策に変化は見られない。あくまで「核の全面放棄」を見据えて交渉をしていくであろう。それが「核の保持」をあきらめない金正日政権にどのような危機意識を植え付けることが出来るかで、「拉致の解決」の行く末が決まっていくのではないか?これから半年のスパンで大きな動きが生じるような気配がした。今日本が能動的な動きをして欲しい。



2005.10.21

「お前もヵ!ブルータス」

 先日の党首会談を見ていたが、前原代表には失望せざるを得ない。「国家安全保障」の専門家ということや「先のネクスト・キャビネットの防衛庁長官」であったはずの前原氏が、党首討論で「拉致問題」に関してなにも発言しなかったようだ。「国家安全保障」の問題で、最重要なことは、「どうやって国家を守る」ということであろう。そして、「国家」とは、「領土・国民・主権」の3要素からなるものである。その安全保障の専門家を自称・他称されている前原氏が、最初に聞くべきは「拉致問題の早期解決」のためにどのような方針・そして展望を持っているのかを総理に聞くべきことではなかっただろうか?それをしなかったということは、前原氏にとって「北朝鮮による拉致」は、安全保障上の最重要課題ではなかったということであろうし、今まさに「拉致されている国民」のことは重要ではなかったということだろう。どうやら多くの国会議員にとって「国民の生命・財産」は二の次ということらしい。危機感の喪失、この一言に尽きるのではなかろうか?北朝鮮が日本の主権を犯し、領土に踏み込み、国内で暮らしていた13歳の少女を拉致していったとしても、国家にとっては何等問題ではないということなのだろう。彼らにとっての国家とは何であろうか?政権の座を維持し、自分の思いのままに動かせると思い込んでいる?はたしてそうなのかな?日本の国民ってそんなに愚鈍なのかな?
 小泉総理は確信犯だからどうしようもないが、前原氏にはもう一度考え直して、「国家の獲っての最重要課題」を問い直して欲しい。このままでは「国民を拉致されても取り戻そうとしない安易な国」のレッテルを国際社会で貼られてしまう。そうなってしまったら手遅れになる。早く気づいて欲しい。
 総理!「日朝国交樹立」をなしえた宰相より、「拉致を前面解決」した宰相のほうがより輝かしい歴史に名を連ねることに気づいて欲しい。



2005.10.19

「米国の偽札取締り」

  米国の本気度が感じられる。
先に報じられた米国の偽ドル札他の北朝鮮への締め付けが始まった。この動きがこれからの拉致問題に与える影響も感じながら眺めている。しかし、日本がなすべき制裁措置を米国が米国の国益に沿ってやっていることが、日本としてできていないことを思うと情けない。参考に2紙の記事を引用したい。

北朝鮮違法活動の締め付け強める米国6者協議に影響も
2005年10月16日21時52分 asa.com
 偽札づくりなど北朝鮮によるとされる非合法活動に対し、米ブッシュ政権が締め付けを強めている。偽ドル札流通にかかわったとされる「大物」が米国の要請で英国・北アイルランドで逮捕され、マカオの銀行は北朝鮮の資金洗浄にかかわった疑いで米国の制裁を受けた。立て続けに表面化したことで、米朝関係正常化の今後に影響するとの見方も出ている。
 米司法省によると、逮捕されたのは、「正統派アイルランド共和軍(OIRA)」の指導者、ショーン・ガーランド容疑者(71)。ベルファスト南部で7日に逮捕された。同容疑者は仲間とともに97年12月から00年7月にかけて、100万ドルにも上る北朝鮮製の偽ドル札を保有、英国などで使用したり販売したりした疑いが持たれている。
 この偽札は89年ごろから出回り始めた「スーパーノート」と呼ばれるきわめて精巧な100ドル札。起訴状は「北朝鮮で政府のもとで製造され、政府職員として活動している北朝鮮人により世界中に運ばれた」と北朝鮮の関与を断定した。
 OIRAは、カトリック系過激派アイルランド共和軍(IRA)とは別組織で、IRAから分派した。事件ではほかにアイルランドや英国、南アフリカなどの6人が共犯として手配された。
 一方、米財務省は9月15日、マカオの銀行バンコ・デルタ・アジアを資金洗浄への関与が濃厚な金融機関に指定、「北朝鮮政府機関や関連企業に対して20年以上にわたり金融サービスを提供し、非合法活動を助けた」と指摘した。偽札の預け入れを受け入れ、流通させた疑いもあるとした。
 同銀行は北朝鮮との関係を「純粋な商業関係」と強調。米側の指摘は「事実ではない」と反論したが、取り付け騒ぎが発生。9月末に銀行の管理を暫定的にマカオ政府に移すと発表した。
 ガーランド容疑者の逮捕について米国務省のエアリー副報道官は12日の記者会見で、「6者協議との関連は承知していない。協議の議題でもない」と説明、さらに米朝関係正常化を進める上で非合法活動、人権、ミサイルなどの武器といった三つの問題を解決する必要があると指摘。事件が関係正常化交渉に影響する可能性があることを示唆した。
 国務省高官はマカオの銀行への制裁についても「6者協議への影響はない」としたが、「米政府内の強硬派が事件を理由に北朝鮮への圧力を強める可能性もある」(関係筋)との見方も出ている。「犯罪国家」のイメージを嫌う北朝鮮が態度を硬化させる可能性も残る。


朝鮮日報
米国が北朝鮮の核開発を阻止するための“資金源”の根絶に本格的に乗り出した。 アジアン・ウォールストリートジャーナル(AWSJ)は8日、米国の司法当局が、北朝鮮の偽札と覚せい剤・武器取引に関連した疑いで、中国最大の銀行バンクオブチャイナ(BOC)とマカオに位置するバンコ・デルタ・アジア銀行、恒興銀工など、3行を調査していると発表した。
 これらの銀行は、米国が麻薬・偽札・偽造品のタバコなどを密輸してきた北朝鮮企業の閉鎖を図る活動を行う過程で、北朝鮮と違法な取引をした事実を摘発された。もし違法資金取引、マネーロンダリング(資金洗浄)などが確認されれば、厳しい制裁措置に直面するだろうと同紙は報じた。今回の捜査は、来週開催される予定の6カ国協議とBOCの来年中のニューヨーク証券市場への上場を前にした時点で米国司法当局がアジア諸国とここ3年間北朝鮮の偽札と闇市場での武器取引の流通網を調べた末、行われるもので、その結果が注目される。
 AWSJは、米国財務省検察局と移民関税執行局などは最近、合同調査を通じて、いわゆるスーパーノートと呼ばれる100ドルの偽札500万ドルを米国や台湾で押収した。米当局は殆どの偽札が北朝鮮で作られたものとして、捜査を進めていると発表した。これと関連し、米国のロバートゼーリック国務副長官は8月初旬、中国を訪問して北朝鮮に偽札と核開発などをとりあげ、北朝鮮を「犯罪国家」と断定したことがある。とりわけ、米国は今回の捜査で、金などを売って北朝鮮の金正日総書記の裏金調達の窓口役を果たしており、核開発の部品獲得にも一部関与してきたマカオに位置する朝光(チョグオン)貿易にも注目していると伝えられている。朝光貿易の銀行口座は、金大中前大統領の北朝鮮への送金口座としても利用された。 朝光貿易の取引先と注目されているマカオの2行は、ともに香港とマカオの大富豪の所有で、大きな波紋が予想される。香港金融界の大物であり、立法銀であるスタンレイ・アウ氏が所有しているバンコ・デルタ・アジア銀行は、1994年北朝鮮の朝光貿易によるドルの偽札持ち出し事件の当時、マネーロンダリングに関連し、現在、米財務省のブラックリストに載せられた。
 また、恒興銀工のオーナーのスタンレイ・ホー氏は、マカオの最大カジノ富豪で、金総書記と密接な関係にあり、93年には平壌にカジノをオープンしている。
 AWSJは、「先月、操作チームの偽装要因が、武器取引組織からの違法な地対空ミサイル取引提案の動きをつかんだことを手がかりに、これを一網打尽にするつもりだ」と明らかにした。


佐藤会長の推測として、「今回の西新井病院の関連施設への捜査介入も、米国の意向を受けたものではないか?米国は本気で核開発にメスを入れるつもりで日本の協力企業の割り出しにも着手するつもりではなかろうか?それにしても日本が主体的にやっている強制捜査でないことが残念だが。」といわれています。
 これを受けあせる北朝鮮が「すべての懸案事項」に関して大きく動く可能性があると思います。「拉致問題に関しても動かざるを得ない状況が生まれる可能性」も否定できませんが、ソン・イルボなどの動きも米国の動きと連動しているように思えてなりません。ここで、日本政府が毅然と誤魔化されることなく追求する姿勢でやって欲しい。

平成17年10月19日
北朝鮮による拉致被害者家族連絡会事務局長  増元照明



2005.10.12

「非教育的な昨今の流れ」

 昨日、「郵政民営化法案」が修正なされないまま衆議院で可決された。今回の総選挙の意味するものとは何だったのであろう?未だにその答えは出ていないのであるが、確実にこれだけはいえるのではなかろうか?この現象は全く「非教育的な現象」であったのではなかろうか?
 今回の「造反組」といわれる方々は、「郵政民営化」には賛成だが法案そのものには、危うさが感じられ不充分であるとして「青票」を投じられた。その信念において政治家として是なるものを感じている。しかし、国益を思い反対した信念の人たちが今、一番不遇な立場に追いやられている。私たちは、教育の中で「君たちは大望をもって、信念に従って人生を歩むことが大切」と教えられてきた。「人が生きる時、信念のない生き方はしてはいけない」と思ってきた。しかし、その信念を通して反対した人々が不遇され、派手さが売り物の方々が脚光を浴びている状況が教えていくことは、「信念よりも派手さ」・「長いものにはまかれろ!」的生き方を具現化してしまったのであるから。今後、小泉自民党は子供たちにどうやって「信念の大切さ」とか「信念を持つ生き方」を教えていくのであろうか?否、教えていく資格があるのだろうか?勿論小泉総理は「信念を持って、郵政改革に取り組んだ」結果というのかもしれないが、狂気な思いによる頑迷さと信念は違う。信念ある政策は一人の狂人の思いつきだけであってはならない。「修正は認めない。反対者は認めない」では、はたしてよりよい法案つくりや政策にとって是なのであろうか?
 もう一つ、「六者協議」の共同声明の採択である。
 北朝鮮は、国際社会の条約違反者であり、武器を持って相手を恫喝してきた政権である。国際社会は、「無法者の言い分」を許してしまうようなことをしてはいけない。このまま、軽水炉やエネルギー支援が安易に行われるとすれば、すべての国々が「北朝鮮のようにわがままを云い、恫喝し、核をもてば何でも言うことを聞かすことができる」という前例を真似、収集のつかないところへ追い込まれる。
 子供たちには、「わがままでもいったもの勝ち」という発想を生むことになる。「脅して駄々を捏ねれば、自分の思う通りにできる。」という誤った心を植えつけてしまう。「核の平和利用は国家の権利」の主張をいまのまま許すことは、国際社会のルールを無視しても権利を主張していくことを許す前例となる。「権利の前に先ず義務があること」を教えていかなければならない子供たちに、「義務など履行しなくても権利を主張すればいい」ということを植えつけてしまう。
 国際社会が、日本がやらなければならないことは、「義務」を遂行しないものには「罰」が待っていることを、身をもって示していくことではないか。その姿勢を示していくことが、子供たちに「権利と義務」の真の意味を教えることではなかろうか?
 国際社会は先ず、条約違反の北朝鮮政府に厳しい対応を示すべきと思う。
 今回の二つの事象を子供たちは如何捉えたのか?心配である。
 


2005.10.5

「誕生日、おめでとう!めぐみさん、そして自分にも・・・」

 めぐみさんが41回目の誕生日を迎えた。13歳で異国の地に暴力的に連れて行かれてから既に28年が過ぎている。そして未だにご両親と会えずにいる環境の中で、苦しみに耐え、恐怖に耐え、ひたすら帰国できる日を待っている最中での誕生日。素直に「おめでとう」ということは憚られるのであるが、どのような逆境にあっても自分の誕生日を祝い、喜ぶことで、生きることへの光を見出せるものと信じているから、敢えて「おめでとう」と言いたい。今日は横田家では、ご両親二人だけで静かに「めぐみさんの誕生日」を祝福されておられることと思う。
 めぐみさんが41回目の誕生日を迎えたこの日、私も50回目の誕生日を迎えた。安明進氏が言っていた。「金正日政治軍事大学で、めぐみさんと一緒にいる女性が増元るみ子さんだった。二人はとても中が良く、るみ子さんはめぐみさんをよくかわいがっていた」姉が、めぐみさんの誕生日を知り、弟の私と同じであることを知った時、どんなにか私に会いたいと思ったか知れない。るみ姉は私のことを愛してくれていたし、可愛がっていてくれた。二つ違いの弟のことを思い浮かべ、自分の境遇に寂しさを感じていたことであろうが、めぐみさんの存在がるみ姉にとっても心の支えになり、弟のことをかわいがったようにめぐみさんを愛しんでいたのではなかろうか?
 今日、私は誕生日の朝を「仙台の大国神社」で迎えた。昨日の仙台での「街頭署名」後、救う会・宮城と救う会新潟の方たちと一緒に泊めていただいた「大国神社の参集館」で打ち上げをやったのだ。朝起きてみると、昨日とはうって変わった「秋晴れの空」が広がり、清々しい朝であった。午前6時からの法要には多少遅れたが、早朝より「教主様」による勤行に参加して、何時もとは違う誕生日を迎えることとなった。すばらしい環境で、清々しい誕生日の朝を迎えられたことに感謝したい。必ずや、この僥倖はるみ姉の救出に力になるものと信ずる。これから激しい変動の時が訪れる予感を感じた。その足で帰京したのであるが、関東地方は雨で「日の光」さえ望めぬ状況だったことを考えると、仙台の地で秋晴れの太陽を拝みながら迎えた「誕生日の朝」が、そう予感させる。
 次の誕生日までには解決できることを祈ってやまない。



2005.9.30

「恥ずかしいとは思わないのか?」

 昨日、杉浦官房副長官との面会時に佐藤(救う会)会長が発した言葉である。「家族会」・「救う会」は、先月提出した「6項目の質問」に対する回答を聞くために、官邸まで出向いた。
質問は以下の通りである。

1. なぜ、8ヶ月経っても「厳しい対応」をとらないのか?
2. 昨年12月24日の政府方針はこの間変更されたのですか?
3. 変更されてないなら、いつまで北朝鮮の対応が変わるのを待つのですか?今年の12月24日になって今のまま何も進展しなくても制裁発動をしないのでしょうか?
4. 北朝鮮が「日本側の主張を本国に伝える」と述べた後、反応がありましたか?
5. 金正日が拉致を認めてまもなく3年になります。具体的な救出の政策をお持ちですか?
6. 安否不明の未帰還者についてこれまでどのような情報収集をされてきましたか?

★ 杉浦副長官の回答
 昨年末、「北朝鮮が迅速かつ誠意ある対応を取らなければ厳しい対応をとらざるを得ない」と北朝鮮に伝えて以来、交渉が途絶えて今日に至っている。今回、6者協議の機会に、日朝政府間交渉に合意するとの回答がようやくあった。但し、中味などどういうスタンスでやるのかはっきりしない。これを受けて、政府としても早期解決に向けて努力したい。
 6者協議の共同声明で、「北朝鮮と日本は日朝平壌宣言に従って不幸な過去を清算し、懸案事項を解決することを基礎として、国交を正常化するための措置を取ることを約束した」とある。拉致問題解決の重要性は6者共通に認識されたのは一歩前進と思う。これは北朝鮮が約束したことなので圧力になると思う。
 もちろん、拉致問題の解決に真摯に取り組むよう政府としては引き続き経済制裁を含む圧力をかけるとの立場に何の変わりもない。細田官房長官が昨年述べた談話は何の変更もない。経済制裁は、どのタイミングや方法で圧力をかけるのが拉致問題解決に資するのか、効果的でないといけないのでよく勘案して交渉する。
 これから開かれる日朝政府間交渉については日取りを調整している段階だ。11月初旬に6者協議があるが、どのレベルでどういうことをやるかも調整中だ。この状況を見て検討したい。
 北朝鮮は佐々江局長に、「国内でしかるべく検討している」と述べたようだが、これを確認しながら検討する必要がある。反応が次の6者協議であるだろう。
 政府は、今まで一貫して、北朝鮮に、@現状の回復、A生存しているすべての拉致被害者を帰国させること、B安否不明の拉致被害者の安否調査を行い、事件の全容解明を日本側が納得できるように行なう、ことを求めている。
 この問題は、国家機関が関与した国際不法行為の疑いが極めて濃厚で証拠もある。まず北朝鮮が全容を説明し、現状回復することが必要だ。日本のスタンスは、拉致問題の解決がない限り国交正常化はないということだ。北朝鮮は経済協力も期待していると思われるが、拉致問題の解決がない限り経済協力もないことは明らかだ。
 北朝鮮側も、声明に一項目入れたということは6者の合意だから、国際社会への意思表明である。拉致問題が6者のプロセスで避けて通れないことを認識していると思う。安否不明の未帰還者については、関係省庁が全力をあげて情報収集に取り組んでいる。今年初め、田中実さんを拉致被害者と認定した。警察にとっては犯罪捜査であり、明らかにできない部分も多いが、関係者の事情聴取や内外関係機関との情報交換につとめている。4月27日の田中さん認定はその一つの結果だ。外務省でも職員を派遣し情報収集した。北朝鮮と国交を有する国から情報収集している。
 拉致問題は国民の生命と安全に関わるきわめて重要なことだ。国際不法行為なので、政府としても全力をあげて情報収集する。現在まで北朝鮮側から、昨年12月の官房長官会見以降何もない。1月に横田めぐみさんの遺骨が偽者と言うなら返せと言ってきた以外特別の反応はない。当方からの疑問点にも回答がない。北朝鮮の態度に変更もない。対話の場で、何十項目もぶつけているので、回答を求める。みなさんの納得がいくよう粘り強く協議をすすめる。(救う会ニュース)

 言葉だけは、きっちりと答弁しているように聞こえるが、当日官邸の部屋でこの回答を聞いたとき、家族の苛立ちはすさまじいものであった。まったく他人事のように淡々と答える副長官の声を聞きながら、心のない人間の寒さを感じた。早紀江さんが、「なぜ、総理は会っていただけないんでしょうか?大事な問題ですから、お互いに話し合いや説明があって、一緒に取り戻して生きたいと思うのです。」にも、「必ず伝えます。総理は皆さんの気持ちはわかっているはずです。」冷たく言い放った心のない対応。
 細田官房長官が昨年「迅速かつ誠意ある対応がなければ、厳しい対応をとらざるを得ない」と言ってから9ヶ月も制裁発動しないのは何故なのか?との問いにも「六者協議開催のためにも緩やかに・・・・・」というすり替えを繰り返すばかり。「北朝鮮は誠意ある対応をしていると思うか?」と問うと、「していないと思う。」「それでは政府方針が変わったのか?」と問うと、「政府方針は変わっていない」という。
 長く心のない回答が繰り返され、佐藤会長の発言に繋がった。
 何度も言うが、レバノンは「拉致」発覚後、一年ですべての被害者を取り戻している。どうやったのか?PFLPやPLOが厳しい姿勢を見せたからである。レバノン政府も北朝鮮政府に対し、厳しい言葉を投げかけている。日本がやっていることは「圧力のない対話」だけではないか?これでは、他国にも「日本は本気で被害者を取り戻そうとしてはいないようだから、適当にあしらっておけば良い。」と思われても仕方がないだろう。
 国民の命を守るべき官邸の住人が、その義務を放棄した国とは?国際社会で生きていけるのだろうか?残念でならないし、心寒い思いがする。



2005.9.27

「田中均さんに物申す」

 今日、某TV局のモーニング番組内にて、元外務官僚の「田中均氏」が登場し発言をしていたが、その全てに保身の言い訳が見えた。「北朝鮮の内部に、いろいろな勢力があり『日本の植民地支配』に対し厳しい見方もある」・『外交は日本一国ではなく、中国・韓国他周辺諸国との関係も考えていかなければならない』等、ご自分の行為の正当性を訴えるものが多かったように見えたが、貴方のしたことの肝心な部分について如何答えられるのか?聞いてみたい。
1. 何故、北朝鮮の死亡情報を検証もせずに断定的に国民に伝えたのか?
2. 北朝鮮サイドから聞かされた「死亡年月日」を国民に伏せたのか?
(勿論、この死亡診断書は既に捏造であったことが北朝鮮も認めている)
3. 帰国した5人を最後まで帰そうとした本意は?
4. 2003年「クロフォード」での日米首脳会談の際、会談内容のうち「対話と圧力」の部分の「圧力」を排除しようとした真意は?
5. 2004年「小泉再訪朝」の前実務者協議があったが、その時の北朝鮮代表団の一人「宋イルボ」が小躍りしていたのは何故なのか?

貴方の中に本当に「被害者の救出」への執念があったようには思えない。貴方は「事務次官レース」の勝利のために「日朝国交樹立」を最優先に考えていたのは間違いないでしょう。それは「官邸」も一緒であるが、米国の信頼を一気に失った貴方が、「外務省の事務次官」にならなかったことは今後の日米関係を考える時、当然の帰結であったと思われる。貴方の中には、ご自分のことで頭がいっぱいで、貴方がなさなければならない「国民の命を守る」ことを第一に考えてはいただけなかった。TVという媒体を通してご自分の立場を一方的に弁明してますが、先ず「家族」に対し直接弁明することはないのか?これ以上の詭弁は許さない。



2005.9.20

「中国の策謀を感じる「六者協議」の共同宣言」

 今回、「六者協議」の共同宣言がまとまったようであるが、中身を見てみると何等進展のないものであることがわかる。先ず、「核廃棄」と「軽水炉提供」が何時、またどちらから開始するのかの合意が得られていない。期日の期限や設定もない。又、同じことの繰り返しではないか?この結果に一番喜んでいるのが中国であろう。中国は今回ホスト国として絶対にまとめる必要があった。それが出来なければ、中国のホスト国としての権威の失墜と国際社会における信頼度の損失があったはずである。しかも、米国に対する貸しも霧散することになる。躍起になってまとめたがるのも肯けた。しかし、北朝鮮が頑迷に軽水炉に拘り、面子に拘ったがために何等意味のない「共同文書」になってしまったが、メディアが報道しているように「前進」と捉え、中国の努力を強調していることから中国は面子を保ち、アジアでの影響力を誇示することができた。又、今回のことで米国の対応をうかがい知ることに繋がり、今後台湾海峡における強攻策をとった場合の現時点での米国の対応に弱さを感じることが出来たであろう。北朝鮮の希望を組み込むことで米国が如何出るかの探りを入れたのではなかろうか?今後の中国の台湾政策を注視することが必要であろう。北朝鮮は、何等拘束力のない「核廃棄」を約束したことで時間稼ぎをできた。少なくとも具体的な動きをしなくても米国の脅威を当分しのげるし、日本の単独経済制裁の動きにも歯止めをかけることができた。米国は今、国内外に問題を抱え、北朝鮮どころではないのが現状であろう。北朝鮮の核は喫緊の脅威ではないのでもう少し、放置していてもよいと考えたろう。とりあえず、「核の拡散」さえ防止しておけばよいという考えではなかろうか?
又、クリストファー・ヒル代表は本国に対し面目は保った形となるため、喜んでいることであろう。しかし、日本は大きな負を残してしまった。「六者協議」での共同宣言への合意は、「拉致問題」の解決のために不可欠な「経済制裁の発動」に手かせをかけられたことになった。「六者協議」が継続する限り、「経済制裁の発動」は安易にできなくなったのではないか?又、何年かかるかわからない「北朝鮮の核廃棄」の協議を待たなければならないのか?そのうちに日本で待つ家族が何人倒れるのであろうか?又、北朝鮮にいる被害者が何人倒れることになるのか?小泉総理の思惑通りに動いているように見える。「経済制裁の発動」をしないで済むし、「対話」に対する国民の理解をうることができるのであろう。しかし、断言しよう!「北朝鮮の核廃棄」は進まずに「エネルギー支援」の話を持ち出し、包括的な解決も根本的な解決も見ない。北朝鮮の思惑通りの「六者協議」の共同宣言である。
 


2005.9.14

「不気味な日朝交渉」

 小泉総理の圧勝を受けて始まった「六者協議」において、早くも北朝鮮サイドから「日朝交渉」を持ちかけてきたということであるが、前にも書いたと思うが7月下旬「総理筆頭秘書官・飯島氏」が平壌入りしたという情報がある。小泉総理は「解散総選挙」を早くから考えており、北朝鮮へのうるさ型の平沼会長・衛藤副会長・古屋事務局長を自民党から排除することを画策していたのではないか?といううわさもある。これが事実であるとすると「飯島氏の訪朝(?)」は何等かの意味を持つものであろうし、今回の北朝鮮の姿勢も意味のあるものであろう。賢明な方には察しがつくことであるが「国交樹立」へ向けた動きと感じる。14日付けの産経新聞にあったが、今回の総選挙において「安倍氏のシンパ」といわれる保守派の方々が「造反組み」として党を追われ、影響力の低下は免れない状況になった。小泉総理の思いのままになる国会議員や新しく入った議員の顔ぶれを見るに「日朝国交樹立」に対し強行に反対する人々が少なくなってしまった。国民は小泉総理に大きな力を与え、国会議員の言動に足かせを嵌めてしまった。総理の考えに反対する国会議員も少ない中、してはいけない「日朝国交樹立」を阻むものは最早、日本国民の賢明な反対意思しかなくなった。日朝国交樹立がもたらすもの、被害者の抹殺、一兆円を越える経済協力、朝鮮人民の苦難の続き、ありとあらゆる国益や人道的なマイナスでしかない。本当にそれでよいのか?国内では景気の高揚を待ち、改革を望む国民がいる中、大きな負担で疲弊する国民生活を強いていくことであろう。
私たちは「拉致被害者の早期救出」のためには、「経済制裁の発動」が必要不可欠と考えている。9年目に入った「救出運動」の中で学んだことである。日本政府が「いつから・何人『拉致』されているか把握していない今、北朝鮮の言うがままの報告を信じていいのか?
特定失踪者といわれる100人を超す被害者の切捨ては許されない。
ところで、「郵政民営化法案」は修正なしで今秋の国会で可決される見通しが出てきたが、総選挙で問われたものは、今秋で達成されるのであるが、その後小泉総理は任期まで何をやろうとするのであろうか?国民は「郵政」に関しては免罪符を与えたがそのほかのことにも白紙委任してしまったのか?そうではないはずだ。特に北朝鮮外交に関しては冷徹に見据える必要があるのではないか?
「六者協議」での会談にはさまざまな話(悪い)が持ち上がっている。この推移を注意深く見ていたいと思う。



2005.9.10

「小泉大統領の目指すもの」

 何かおかしい!選挙戦を通して感じていること。これは意図的になされている国家の破棄ではないか?平沼赳夫氏、古屋圭司氏、衛藤晟一氏、古川禎久氏、城内実氏、全て「人権擁護法案」の急進的反対者である。更に前3者は「拉致議連」の幹部で「北朝鮮」に対し毅然とした姿勢を示している方々である。彼らは今「小泉総理の意図」の下、力を減ぜられつつある。その先に見いえるものは、わが国の「北朝鮮政策」の急激な軟化ではないか?今回の解散総選挙は、「郵政」の影に隠れて「北朝鮮政策」の小泉白紙委任状況を作るための選挙に思えて仕方ない。佐藤会長の下には「北朝鮮サイド」からの情報として、選挙後に小泉総理の電撃訪朝、そして「日ソ共同宣言」方式の国交樹立への道が開かれるという。国民の7割が「北朝鮮への経済制裁発動を望む状況」の中、政府内を抑え、国会を抑えてやるとしたら、選挙による「白紙委任」の中で断行するしかないと、考えたとしても可笑しくない。いくらなんでもそれまではないというかも知れないが、ここまで「北朝鮮政府」に前のめりなっている官邸が我武者羅にやる方法は「白紙委任」しかなかったのではないか?ある候補は言っていた。「小泉総理は、以前から解散を考えていた菱がある。そして、永田町内の小泉批判勢力を一掃して小泉自分党を作り、北朝鮮政策の大転換をはかったように感じる」。実際今回の選挙を指揮しているのは武部幹事長でもなく、飯島筆頭書記官であるという事実。その飯島氏は朝鮮総連責任副議長の許宗萬と以上に近いといわれている人物である。これが北朝鮮サイドにとって都合のいい方向にながれているように思えてならない。非常に危険な流れである。日本の保守層の人は「民主に政権を渡す危険を考えて小泉支持に廻る」のかもしれないが、小泉総理続投の中で、北朝鮮との融和を図る方向に加担している危険を感じるべきだ。「金正日」との握手は、1938年英国チェンバレン首相が「独ヒトラー」と握手したときの過ちを繰り返すことになる。その後何がおきたのか?チェコの国民は「独ヒトラー」の独裁政権下で苦しみ、多くの人々が死んでいった。金正日は、他国ではなく自国民の命を奪い続け、さらに他国の人々の自由を奪っている独裁者だ。この悪魔と握手するという事は、私たちは手を汚すことなく「北朝鮮人民」を苦しめ、同胞を見捨てるということになる。しかも、いずれ北朝鮮の軍門に下ることになる。このシナリオを簡単に否定することができるのか?小泉総理に大勝させていいのだろうか?わが国の崩壊の序章が始まる気がしてならない。懸命な国民の審判を待ちたい。
父の残していった言葉「わしは日本を信じる、だからお前も信じろ」。信じたいと思う。



2005.9.4

「新潮の目的はなんだろう」

 先週発売の「週刊新潮」の記事を読んだ。新潮はいつから「タブロイド誌」と化したのだろうか?しかも、一方的な言い分をそのまま記事にして、あの記事の書き方であれば既に事実として捉えられている。これでは、書かれた方は一方的に悪になる。ましてや「地村さん」は私人であるはずだ。一方的に個人を断罪する手法は許されるのであろうか?「地村さん」は今週会見を開き、回答すると思うがそれにしても負からの会見にならざるを得ないだろう。一私人に会見を開かなければならない状況に追い込むことが、マスコミの手法か?まさに危うさを感じる。マスコミは「小泉改革」の危うさを知っていながら、それに対してはメスを入れることを逡巡し、個人を痛めつけることに汗を流す。これでは「タブロイド誌」としての地位に下りるべきではないか?良心的な週刊誌であったものが変質していくのを見るとき、悲しい思いを持たざるを得ない。
しかし、何故今なのか?「六者協議」の再開や総選挙を控えて、「家族会バッシング」の前兆ではないかと危惧する。今、国会の中で「北朝鮮」に厳しい姿勢を貫く「議連」の幹部を排除し、自民党内部での発言権を剥奪して力を削いだ。某新聞や週刊誌を使い「安倍晋三・中川昭一」氏の誹謗中傷して動きを止めようとしている。これらの全てが、「日朝国交樹立」を目指す「北朝鮮・金正日政権」の望む方向に向いているような気がして仕様がない。
昨年春より、「官邸」と「総連」の密接な関係が噂される仲、「対北朝鮮政策」に厳しく対処しようとする政治家や民間団体の力を削ぐ方向で動いているようにみえる。この先には「小泉総理」の目指す「日朝国交樹立」が見え隠れする。小泉総理は総選挙での勝利という「錦の御旗」をもって強権を発して、国交回復をしていく気配を感じる。まさに「北朝鮮・金正日」の思う方向へ移動している。わが国にとって、国政を左右する「官邸」が、総連の意見を入れるような形を受け入れている状況に危惧を感ずるのである。元官僚が言っていたが「官邸と総連の蜜月は危うい方向へいく」。総選挙では「小泉総理」の本質を良く見極めて投票行動をとって欲しい。
私は今週、「反小泉候補」の応援に出かける。国家を如何するかという理念を持ち、確固たる「国家観」を持つ代議士には国会という場で働いて欲しいから。自民を壊し「自分党」を作り「国を売りかねない」人々との闘いを続けてもらわなければならないから。



2005.8.25

「本当にこれでいいのか?」

 長く書かないとなんとなく書きづらくなる物らしい。10日以降全く手をつけられずにいたら、何時の間にか25日になっていた。
先ず、10日の「新潟一万人集会」について参集いただいた皆さんに感謝申し上げたい。更にこの企画・実行に尽力いただいた皆さんにも感謝したい。実は10日に開催する予定を危ぶまれていたのである。何故なら、前日は「新潟市の花火大会」予定で雨が降ろうものなら順延されるため、多くの人たちの参加が見込めなくなる。また、花火がなくとも10日には「新潟夕涼み野外コンサート」が開催予定で、そちらの参加人員が毎年7,8万人ということであったので此方の集会への参加人数も危ぶまれた。しかし、花火は予定通り打ち上げられ、野外コンサートは雨のため中止となったのである。「救う会」の事務局長が以前言っていた。「拉致問題の集会」には神がかり的な幸運がある。普段ではとても取れそうにない会場もぽっかりと開いていたりするそうなのだ。今回も多くの人たちの思いが通ずる形での状況となった。被害者の強い思いが成せる技なのかもしれない。
12日には、「鹿児島集会」のため帰郷した。昔私が暮らしていた時の南国の夏は日差しの強さはどうしようもないものであったが、日陰に入ると涼しささえ感じられるものであった。ところが昨今の夏は湿気の多い寝苦しい夜をすごさねばならないほど、嫌な暑さであった。17日まで地元の報道の取材をこなし、また、高校時代の親友の新盆、知り合いの新盆とあいさつ回りをこなした。多少ゆっくりしようと思っていたのであるが、なかなかゆっくり出来ない日々であった。
19日には「山口山陽小野田市」での講演、新幹線での帰京とせわしなく動き回った。
8月24日、万景峰が入港したため前日から新潟入りし、24日は抗議集会後直ぐに東京へ戻り、内閣府へ申し入れを行った。
と、書き込みをしていなかった日々の紹介をしてみたが、その間常に抱いていた苛立ちを書かなければならない。今回の衆議院解散にともなう総選挙報道である。「刺客」や「堀エモン」で報道は本来の使命を忘れたかのような騒動である。度台、選挙報道では候補者が特定できるような形での報道は避けねばならないのに、刺客として放り込まれた氏名を連呼し、主張を放映している。アリバイ的に同選挙区のほかの立候補予定者の名前もあげていたが、明らかに報道時間が歴然と違うものが多かった。その報道のおかげで小泉総理の目する「郵政民営化」賛成か反対の選挙を呈してきた。しかし、真実は「民営化法案」の不充分さを批判した改革派ととにかく「民営化」のスローガンで反小泉勢力をあぶりだした姑息な選挙である。これを見誤るとこれからの日本の行く末を間違うことになる。私たちは小泉総理の姑息な手法に対し批判していかなければなるまい。また、今回のいわゆる「造反組」といわれている議員の中に、「制裁発動に積極的な議連の役員が多くいること」を見逃してはならない。私たちには議連の役員には如何あっても「国会に場」に残っていただかなければならない。さもなければ「小泉総理の強引な手法」で「日朝国交樹立」さえやりかねない危うさを感じるから、事実、佐藤会長のもとに「北朝鮮の希望的観測も含まれるが、小泉圧勝後は『日ソ共同宣言』方式で諸懸案事項(拉致も含む)を棚上げし、電撃的な訪朝と国交正常化をぶち上げる」という情報も流れてきたらしい。森政権時代あった噂と同様のものである。「拉致被害者」を見捨てて「日朝国交樹立」を果たし、歴史に名を残そうとするものである。これは断じて許すことは出来ない。来月号の「Voice」(PHP研究所)に寄稿した私の拙稿を読んで欲しい。「小泉総理の拉致問題への意識」を私なりに論じてみた。有権者の国民は今回の総選挙、じっくり候補者を見極め、演説会場や街頭で「郵政だけではなく、拉致はどうする?」という質問を投げかけて欲しい。

下記に私たち「家族会」に特に必要な方々の名前を書いておく。
北海道11区 中川昭一氏(自民)、
東京  3区 松原 仁氏(民主)
岐阜  5区 古屋圭司氏(無所属)
大阪 17区 西村慎吾氏(民主)
岡山  3区 平沼赳夫氏(無所属)
山口  4区 安倍晋三氏(自民)
大分  1区 衛藤晟一氏(無所属)

その他、個人的に応援したいのは  静岡 7区 城内 実氏
                 鹿児島3区 野間 健氏 の2人
この二人は、将来の日本のためにも当選して欲しい人たちである。特に城内さんは「人権擁護法」の反対派として急先鋒であること。人物的に信頼できそうであること等、応援したい方である。野間さんは昨年の選挙の時にお世話になった保守派の論客である。
 


2005.8.10

「佐々江局長との面会」

 「六者協議」の代表団との面会があった。佐々江さんは開会中、再三北朝鮮代表に二国間協議の申し入れを行ったようであるが、金ゲガンはそれに堪えようとはしなかったということである。ついに休会直前に応じたということであるが、結局は以前と変わらぬ対応であった。即ち「日本政府の意見は聞いた。自分は担当ではないので、本国に確実に伝える」というものである。昨年の「実務者協議」の第一回と二回の協議のときもそうであったが、「本国に伝える」という言葉で終わるのである。何も進展はしない。それでも「対話のチャンネルを維持したいから継続して話していくことを続ける」というのである。佐々江局長としては小泉総理の決断なくして圧力を課すことなどできないから、不毛の話し合いを続けることしか出来ないのであろう。面会してよかったことは、報道ではあまり知らされていなかった「米国の協力」が実際には多岐にわたり協力してくれたことがわかったことである。日本と米国は「六者協議」を単なる「核廃棄」を話し合う場ではなく、「北朝鮮の人権問題等」強く求めていたこともわかった。韓国・ロシアは何等動かないこともわかった。中国はホスト国として2国間協議を促したということである。各国の思惑もあろうが、単なる「核廃棄を話し合う場」では意味ないことを理解しなくてはならない。


2005.8.8

「天神でのデモ」

 昨7日、福岡天神において「小泉総理に経済制裁発動を求める」デモが行われた。九州の各地から「救う会」関係者や福岡市民の方々が、炎天下の中800人も参集し、天神周辺をシュプレヒコールを挙げながら行進した。今年、4月24日日比谷における「国民大集会」に2000人収容のところへ6000人が参集した。また、その後各地で行われた「集会」への参加者は、すべて収容人員を満たすか大きく上回る方々が集まった。6月24日からの「官邸周辺での座り込み」に際しては、延べ2500人が私たちとともに闘った。これが何を意味するものかは賢明な方々にはお分かりであろうと思う。日本国民の「拉致問題解決、被害者の救出」への思いは薄れることなく、むしろ強くなっているということであろう。今、国会議員が論じている「郵政民営化」を議題にした集会や講演に果してこれだけの方々が参集するだろうか?私にはそうは思えない。それだけ、日本国民の関心ごとであり急務の問題であるという意識の表れであろう。総理はこの民意を受け止めて欲しい。今は「限りある命」の救出のため何が出来るか?何をなすべきか?を議論して欲しいと思う。
本8日、「六者協議」において奮闘された佐々江アジア大洋州局長との面会時間をいただいた。おそらく、何等進展のなかった中身についての説明であろう。「圧力なき対話」は無意味なことが明らかになった今回の「六者協議」を踏まえ、休会中にも「経済制裁の発動」という圧力をかけていくべきではないか?このまま休会を終え再開したとしても同じことの繰り返しになろう。中国・韓国・ロシアをあてにする前に先ず「日本国政府」が姿勢を示すべきだ。自らが努力していない問題への協力を求めても他国が真剣に動くとは思えない。「天は自ら助くるものを助く」何もしないで協力だけ求めても他国は動かない。日本政府が真剣に国民を救出する強い姿勢を見せてこそ、他国も真剣に動かざるを得ないのである。何回もいってきたことであるが、六者のうち日本を除く五者は「北朝鮮の核」の破棄を促すために「日本の金」を必要としていることは明白なのだから、日本の原則的立場を強く主張すべきである。非は北朝鮮、これはすべての人間にとってうなずけるものであろう。人としての心情にも訴え、世界の賛同を勝ち取るべきと思う。
今日明日は、「郵政民営化法案否決」で「佐々江局長との面会」に関しては報道されないだろうが、後日お知らせしたい。



2005.8.2

「国際会議で決まること」

 7月28日から外に出ていて疲れてしまいました。宮城県登米市の皆さんにはお世話になりました。多くの方に来ていただき、有本さんご夫妻も元気になられたようでよかったと思っています。31日の仙台街頭署名では1000名を超える方に協力いただきありがとうございます。
 8月1日、北朝鮮人民の人権を考える国際集会が開催された。先月ワシントンで開催されたものとは別に民主党主導で開催された国際会議であった。韓国・モンゴル・米国の議員たちが集まり、NGO団体から「北朝鮮の人権侵害」に関する状況を聞き、被害者家族や脱北者から状況を聞いて会議を行った。脱北者や被害者からは金正日に対する怨嗟の声が合ったにもかかわらず、議員から「金正日政権の変換」の声がさほどあがらなかったことは残念だ。皆、今起きている事象「脱北者の保護」とか「女性人身売買に対する非難」に終始し、根本の問題である「金正日政権の存在」について語ろうとしていないように感じてしまった。モンゴルの議員の中には、広大な土地を北朝鮮に貸して人民の労働者を受け入れて「飢餓」を無くしていきたい。といっていたが、問題は「飢餓」ではなく「人民を飢えさせている政権」であろう。その意見は「金正日政権」変わってから建設的意見として取り上げられるだろうが、政権の変換なしで行われた場合、人民が働いて得たものの大半は金正日のために使われるから人民の飢えを根本的に解決することにはならない。かえって「金正日政権」の延命につながり人民の解放が遅れてしまう。これが限界なのだろうか?真に「北朝鮮人民の人権や人道」を考えるならば行き着くところはわかりきっているのだが、言葉に出して言うことをためらわれる地位の人々がいる。怒りを忘れて自分の範疇でしか考えない人が大勢いることが「北朝鮮人民」の不幸なのであろう。しかし、被害者や家族の声を聞いて「人権を考える」人々も「北朝鮮問題」にかかわるのであれば、自分自身が危険の水域に入っていくことが必要なのではなかろうか?高みから「人権」を叫んでみても真の解決につながらない。今こそ、覚悟を持って「金正日政権」を守ろうとする韓国や中国・ロシアに目覚めさせる勇気を持たなくてはならない。世界は「金正日政権」を許さないと声をあげていかなければならない。



2005.7.27

「何故北朝鮮政府のペースなのか?」

 核保有5大国の内3カ国、経済的な大国といえる国々が集まって、何故北朝鮮という小国のペースに乗せられているのだろう?不思議な現象が「六者協議」の中に見える。
最初から、国際法を破っているのは「北朝鮮政府」である。もってはいけない「核」を持とうとして、米国との話し合いにおいて「核廃棄」を約束したのが「ジュネーブ協約」ではなかったか?金正日の真意がつかめず放置してきたつけをいま各国が払わされている。国際的決め事を破棄した国のために「国際連合」という組織があるのではないのか?10年前完全に欺かれた米国は今回妥協することなく北朝鮮に「不可逆的核廃棄、検証可能なもの」を先ず実行させることに躊躇してはならない。約束を破った国にはそれ相応のペナルティーを課して実行させることは当然のことと思える。北朝鮮はたびたび約束を破棄してきた国である。「平壌宣言」しかり、「ジュネーブ協約」しかり、「南北首脳会談」においてなされた「金正日のソウル訪問」すら実行していないではないか。何故「北の独裁者」にそうまで気を使っているのだろう?不可思議な現象である。
中国―オリンピックを控え北東アジアの紛争を望まないし、北朝鮮政府の崩壊を望んでいない。何故なら、中朝国境に難民が押し寄せることを嫌っている。だが、中国の脱北者に対する非人道的行為を知る北朝鮮人民が中国に入るとは思えない。中国は国益として「北朝鮮」を共産陣営のまま残しておきたいから、北の人権侵害を黙認している。そんな国が「オリンピック」のホスト国として的確なのか?
韓国―長年にわたる北の「工作」が実り、殆ど北朝鮮の傀儡政権と化している。以前、韓国安企部により「スパイ」としてマークされていた人物が、国情院(旧安企部)のトップとして君臨している状況を見れば一目瞭然であろう。今「南北会談」は、金正日の意向を聞き、伝えるための会談にしか過ぎないことを知らなければ、韓国の宋次官補の姿勢が理解できないであろう。
ロシアー殆ど関心がない。
米国―優先順位はイラク・イランであるから、出来れば「六者協議」で解決したいと思っている。しかし、今回の会議で具体的な合意に至らなければ「国防省」の出番になる。今現在は「国務省」の手並み拝見というところであろう。
日本―最終的に金の出所であることを自覚すべきだ。中・韓・魯・米は金を出す気持ちはないから、強気で主張すべきである。
外交でしのぎを削ってきた日本以外の各国との交渉は困難なものになろうが、今漸く人材の揃った「外務省官僚」を有益に働いてもらうためにも、「孤立」を恐れず毅然と日本の主張を述べる環境を作って欲しいと思う。「国民を守ろうとしない国」を露呈することこそ「国際的な侮蔑の対象」となることを忘れてはならない。



2005.7.22

「2泊4日の訪米」

 19日に開催された「Freedom House」主催の会議は、多くの韓国系アメリカ人が集い、米国の人権活動家も参集し盛り上がっていた。その中で「日本人拉致問題」を訴える機会を与えられたのである。韓国からも大勢の人たちが集まり、「北朝鮮の人権問題」を訴えていた。脱北者も招かれ「証言」を交えて「金正日政権」への批判が相次いで行われた。北朝鮮人民の真の解放と生存のためには、「金正日政権の崩壊」が不可欠であることを訴え団結を呼びかけていた。その中で興味をもったことは、殆どの方が「北朝鮮の開放」に、今の中国は逆行するような対応しかしていない。中国は人権という問題においてもっと真剣に考えるべきである等、中国批判も相次いだことである。私もそう思っていたが、北朝鮮問題を語る際中国の態度は重要な問題である。中国が北朝鮮政府の存在を助けていること、中朝国境において北朝鮮の女性が売り物となり、性の奴隷化していることを問題視し、中国政府を非難する人々に同調する。中国政府こそが「北朝鮮・金正日政権」を延命させ、北朝鮮国内での「人権侵害」の継続の元凶であろう。中国の姿勢は改められるべきもので、人権を無視する中国が「平和の祭典」たる「オリンピック」を開催する前に、北朝鮮問題を解決するべく動くべきと思う。それが出来ないのであれば、「オリンピック」の開催国としての資格を持っているとは思えない。今、米国の人権活動家の間では中国開催の変更を求めるよう米議会での法案提出も模索中である。中国は「チベット」での侵略行為や、中国国内の少数民族への弾圧や人権侵害を即刻やめるべきであろう。このままでは世界中の人権を考える国からの非難を受けることは必定であろう。六者協議でもそうであるが、中国がホスト国として適切な対応が望まれる。核も重要な問題であるが、いまこの瞬間にも生死の境をさまよう北朝鮮人民のために、そして「拉致被害者」の問題も話し合われなければならないと思う。




2005.7.18

「いざ、訪米!」

 今日18日、米国ワシントンに行く。今回は米国NGO−Freedom house−の招きによりワシントンでの国際会議に参加する。アメリカの人権団体は「北朝鮮の人権弾圧」の方に熱心であるが、日本人拉致にはあまり興味がないのか、それとも情報がないのか?政府と違い殆どかかわってきていない。そこへ、日本から3団体の内に入れていただいた「小川晴久先生」に感謝したい。会議では「サファリメディア」が作成中の日本人拉致を扱った映画「拉致、横田めぐみストーリー」のプロモーションビデオが上映される。その後、私に発言の時間が与えられる。北朝鮮の日本人拉致という「未曾有の国家テロ」を強く訴え、国際社会の協力を得てきたいと思う。英語の実力に難があり、此処に来て自分の不勉強を嘆く。米国に行くといつもそうであるが、語学力の大切さを思い知ることとなる。
 昨日は大変な一日であった。前日にあった「鹿児島玉龍高校」の同窓会で、友人と痛飲し午前様となった朝6時の新幹線に乗り仙台へ、呑みすぎはいかん!と思いつつもついつい呑みすぎる自分にあきれる。夕方には帰ってきたのだが、渡米の準備をしていなかったため、帰り次第「旅支度」をする。2泊4日の旅程であるので、私物は殆どないのであるが、資料が重くて持ち運ぶのに苦労するだろう。疲れた身には堪えるかもしれない。12時間のフライト中禁煙状態が続くのであるから、喫煙者には辛いものがある。それにしても近頃の嫌煙権にはハッキリいって、自虐的な気持ちになる。
帰りは木曜になるが、翌日は第3の故郷「函館」に入る。自分でもタフな旅程であると思う。健康に気をつけたい。



2005.7.11

「北朝鮮六カ国協議復帰」

 北朝鮮の「六者協議」への復帰が現実のものとなってきたが、多大な期待をかけるメディアがいることが危ぶまれる。今までの「六者協議」で話されていたことや中国・韓国の対応を見ていて、「拉致問題」の進展など到底考えられない。今日のTV朝日で取り上げられていたのは、「孤立していたのは実は日本」という論調での報道である。北朝鮮の報道として、「共和国の六者協議への出席に関して、何もしていないのは日本」という言葉を捉え、日本政府の対応を非難しているように聞こえた。他国が「食糧支援」を再開し、北朝鮮の参加させるため、米朝・韓朝・中朝は対話をしてきているのに対し日本は何もしていない。というが、日本が北朝鮮に対し「食糧支援」を再開していいのか?日本の支援米の多くが市場に流れている事実を如何みるのか?また、被害者を帰さない北朝鮮に対し「六者協議」への参加のために「食糧支援」をすることを考えることなど考えられないではないか。日本政府は「六者協議再開」のため北朝鮮への「経済制裁発動」を控えていることを忘れてはならない。朝日の論調で「北への食糧支援再開」のために北への追及の手を緩めることはいいことだろうか?「孤立」という言葉は以前にも聞いてきた。2000年「北朝鮮は多くの国との国交を回復してきた時、河野外相(当時)は国際社会の流れから日本が孤立していくことを恐れるとして、食糧援助を実行した。つまり、よその国々が北朝鮮と次々と国交を回復する中、日本だけが「拉致問題」で北との国交回復が遅延することは、国際社会の流れに反するとしていた。その結果何が変わったか?日本の誠意を見せて北の譲歩・誠意を引き出すと豪語した外相だが、何も変わらなかった。日本国民の血税が被害者の救出がなされないまま、何の効果なしに捨てられた。日本人は「孤立」という言葉を嫌がるが、こと北朝鮮問題では「拉致」という非人道的行為が継続中であることを考えるならば、「核問題優先の国々」とは一線を画し、主張しなければならないのではなかろうか?北朝鮮の巧みな誘導にのって「拉致問題」を解決しないまま北朝鮮のレールに乗ってはならない。何回も繰り返されてきたことではないか。学んで欲しい。毅然と北に対峙することが「国家意志」を中国・韓国・北朝鮮に伝えられる。本気で「被害者を取り戻す」という強いメッセージを突きつけねばならない。「六者協議再開」は私たちにとってもよいことである。何故なら、米国の主張「検証可能な不可逆的核廃棄」を北朝鮮が呑むとはとても思えないから。そうなれば、安保理付託の流れになるだろう。今、日本は「孤立」という言葉で動揺してはいけない。しっかりと北朝鮮の出方を見ていくべきだ。国民の命を守ろうとしている国が、自由主義社会の国々から孤立するはずはないのだから。




2005.7.8

「テロとの闘い」

 昨日ロンドンにおいて「同時多発テロ」が発生した。犠牲になられた方々に心からのお悔やみを申し上げたい。突然の邪悪な力により家族の存在が消えてしまう状況に、激しい憤りを感ずる。何故このような事態がとめられないのか?人間の英知をもってしても激しい「怒り」の情念は拭いきれないものであるのだろう。しかし、怨念の表現のやり方としては最悪のものであり、支持することは出来ない。いかなる理由があろうとも「非戦闘員」である民間人を巻き込む形での「テロ」は許すことは出来ない。その中には「アルカイーダ」に対し同情的な方もいたかもしれない。英国の「イラク介在」に反対していた方もいたかもしれない。そんな方に危害を加えるような「無差別テロ」は、許すことは出来ない。
私たちは今、「北朝鮮」というテロ国家との闘いを続けている。この闘いもまた「テロ」との闘いではあるが、これは無差別に家族の時間を奪い去った「金正日」との闘いであり、金正日に支配され苦しみの中にいる「多くの北朝鮮人民」を救出する闘いであることを理解して欲しい。私たちも北朝鮮人民の平和を心から願っているが、現在の政権下では望めないことは明らかだ。一日に30人前後の人民が「収容所」の中で死んでいるという事実の中では、早急な援助が必要であろう。それがやれるのは「同胞」たる日本に住む「半島人」なのではないか?物質的な援助は「金正日政権」の延命にしかならず、真の意味での援助ではないことを彼らは知っているはずだ。然るに彼らは動こうとしない。何故なのかは理解しがたいが、国際社会はもうほっておくことはしない。近日中に「米国」において「北朝鮮の人権に関する国際会議」も開かれる。早い対応が多くの人民の救出に繋がることを祈る。日本在住の「半島人」にも同胞の解放のために闘いを始めて欲しいと願う。
経済制裁は北朝鮮人民を苦しめるものではなく、限りない平和に向かうための試練であろう。北朝鮮内部では既に「崩壊」の足音が近づきつつある。



2005.7.6

「郵政民営化って?」

 昨日、国会内では大騒ぎの内に「郵政民営化法案」が衆議院において可決された。自民党の混迷ぶりを鮮明にする出来事であろう。小泉総理は「自民党をぶっ潰す!」といって、総裁選に打って出た。あれから四年、確かに「自民党」は自壊して行っているのではなかろうか?それまでの確固たる支援組織が離れていく中、新たな支持者を増やすことなく「公明党」の表頼みの政権維持である。今では「公明党」の政策を受け入れざるを得ない状況になりつつある。その「公明党」は何を言っているのか?天下の悪法になる可能性が高い「人権擁護法案」を支持し、在日の「参政権」を認めようとしている。どちらも国会にとって安全保障上の重要な案件である。それについて「自民党」が借りをつくる形で、無理やり「郵政民営化法案」を通していく必要があったのか?大きな疑問であるし、これからの国会での動きが心配になる。
 それにしても本当に国会議員の方たちには首を傾げたくなることが多い。先ず、それほど緊急課題とは思えない「郵政民営化法案」に多大な時間を費やし、他の事案を先送りしているように見える。前にも言ったが、事案の優先順位を考えながら話し合うべきではないのか?アジア問題、北朝鮮問題と国の根幹にかかわる事案に関して集中審議がなされないのは何故なのだろう?
 今回の採決に際し、「棄権」という暴挙にでた国会議員の心情は理解に苦しむ。100時間を費やした「郵政民営化法案審議」を通して、自分の意見というものを持つべき国会議員が、態度を明確にしない「棄権」という方法をとることは本来許されるものなのか?国民の意見を拾い上げ、更に政治家としての信念において採決に望むべきではなかったか?一番ひどいのは、古賀誠氏ではないか?再び「派閥の長」と行動をともにすることなく「棄権」しながら、堀内氏が辞任した後、派閥の所属議員に賛成を呼びかけるファックスを送る(産経新聞より)行為は理解に苦しむ。政治家にとって重要な「決断する」という資質を疑わざるを得ない。この方たちは、これから山積する重要な案件の時にも、自分の意見を持たずにどちら付かずの行動をとるようで心配をしている。
 来週には「万景峰92」が新潟に入港する。
 また、不愉快な思いで埠頭に立つのであろう。どうにかして欲しい。



2005.6.30

「米国は制裁をかけてきた」

 「ブッシュ大統領は29日、北朝鮮、イランなどの大量破壊兵器開発で主要な役割を果たしているとして8企業の在米資産を差し押さえる行政命令に署名した。朝鮮鉱業開発貿易会社など北朝鮮関係企業3社、イラン原子力エネルギー機構などイラン関係4社、シリア関係の企業1社」(産経新聞30日付け)
 米国は、これまで「六者協議」の開催をにらみ、ブッシュが「ミスター金正日」と呼んでみたり、主権は認めると言ってきたが、先日姜哲煥(カン・チョルファン)にあったり制裁をしてきたりしている。片や日本政府は、「六者協議」への北朝鮮出席の妨げにならないよう「経済制裁」の発動さえしようとしない。こんなことだから北朝鮮政府に「日本が六者協議に参加することを拒否する」等といわれるのだ。「対話と圧力」というなら毅然とした姿勢で臨むべきときではないのか?米国に対しては「圧力」をかけられても我慢をする北朝鮮が日本政府が「圧力」をかけることには文句を言ってくる状況が、日本政府を軽んずる北の意図が見えるのではないか?では、何がそうさせたのか?「小泉総理の2回の訪朝での日本政府の対応」が、北にして「日本組みやすし」の思いを抱かせたのは考えられる。2回の訪朝がすべて「北朝鮮主導」で行われ、小泉総理が毅然と対峙してこなかったことが今の現状を生んでいる。私が昨年5月22日」に言ったこと「プライド」論も此処に帰する。「二回も騙されて笑顔で帰ってくるということは小泉総理が馬鹿にされたことであり、総理が馬鹿にされたということは日本国民が馬鹿にされた。」ということなのだ。しかし、「馬鹿にされたのは日本の政治家」であり、私の父が信じろといったのは「日本の国民」のことだ。日本の国力のことだ。今からでも遅くない、「経済制裁の発動」を求める声を上げて欲しい。「制裁の発動」で北朝鮮が協議への出席を拒否することを許してはいけない。「核問題」と「拉致問題」は違うことを言わなければならない。中国や韓国に不満を言わせてはいけない。米国ですら「制裁」している事実を言うべきだ。「拉致被害者を抱える当事国」として当然の処置をとったまでであることを言うべきだ。「六者協議」出席に言い訳を許してはならないと思う。



2005.6.28

「これだけは言っておきたい」

 座り込みに参加いただいた方、また、わざわざおいでいただき差し入れていただいた方に感謝申し上げます。昨日も書きましたが、「家族会メンバー」は、心に強い力をいただきました。私たちは「行動」することで、北朝鮮にいる家族に「私たちは見捨てていない。もう少しの辛抱だよ!」というメッセージを送り続けなくてはなりません。きっと「拉致被害者」は、このことを知る機会を得ることが出来る部署にいると信じている。結局、総理の決断を促すことは出来なかったが、私たちが行動し続けることで被害者に希望の灯火を消さないようにしていかなくてはならない。一つだけご報告があります。「救う会」関係者の話によりますと、「皆さんが座っておられたところは、事後、一切「「ゴミ」」といわれるものは皆無であった。皆さんの意識の高さと、私たちが願った粛々と座り込む行為の貫徹をしていただいたこと、実に見事な皆さんでした」と聞き、大変嬉しく有難く思った。今後とも「拉致被害者救出」のため、ご理解とご支援をお願いしたいと思う。
 27日、「新潟中央埠頭」に集まった人々は、折からの「土砂降り」にもかかわらず、意気軒昂であり、普段にもまして大きな声で抗議活動を行った。「万景峰92」が接岸し、船窓から覗く「朝鮮学校」の生徒たちが見えた。修学旅行の帰りなのであろう。これは、言いたくなかったが、毎回、毎回、「船窓から見える生徒たち」が、懸命に訴える人々に対し「バ〜カ」と口の動きでわかる言葉を投げかけたり、嘲笑しているところが見えるのである。私たちは、家族の命のかかった問題を訴えているのであり、そして懸命に訴える人々を嘲笑するような人間を作る教育は受けてこなかった。喩え、自分たちの母国に対する抗議であっても「必死で訴える人」を嘲笑するような教育はなされてはならない。朝鮮学校の先生や学校長に言いたい。貴方たちは民族のアイデンティティーを保つために朝鮮学校を作り、子弟の教育を行っているのではなかったのか?「懸命な人々を揶揄」するような行為が半島人のアイデンティティーなのか?貴方々の母国が「日本人を拉致したこと」ことは事実であることを忘れていないか?貴方たちに責任の無いことは充分知っている。私たちは貴方たちと争う気持ちは持っていない。日本で共生していくつもりがあるのなら、「人として」やってはいけないことは教えていただきたい。これは、朝鮮学校の生徒に限ったことではないだろう。日本人の学校でも厳しい教育は行われてないかもしれない。でも「儒教」を尊ぶ半島人だからこそ、これだけは是非お願いしたい。「懸命な人々を揶揄するような人間」を作る教育はしないで欲しい。「武士道」を尊ぶ日本人にもお願いしたいと思っている。


2005.6.27

「皆さんに感謝したい」

 昨年12月、細田官房長官は北朝鮮が出してきた死亡に関する情報に対し「何等死亡を裏付けるものはなく、迅速かつ誠意ある対応がなされなければ日本政府として厳しい対応をとらざるを得ない」としてから、何時までたっても厳しい対応をとろうとしない政府に不信感を持ち始めたのは今年になってからである。「通常国会」が始まり国会で論議されているのは、「郵政民営化」がメインであった。政府は「被害者の生存」を前提に申し入れたはずである。被害者の生存を信じているなら、被害者の救出のため何をなすべきなのかが論議されてしかるべきではないのか?「郵政民営化」と「拉致被害者の命」、どちらが優先順位として重要なのであろうか?昨年「怒り」の声があふれた巷も一向に動かない事態に飽きたのか、メディアも報道をしなくなった。5月18日に5ヶ月ぶりに入港してきた「万景峰92」は、その後一週間に一度入港してきた。「拉致」など終結しているかのように「我知らず」という顔で、自分たちの人道だけを唱えて堂々と入港してくる姿を目の当たりにすると、「厳しい対応をとる」といった政府方針などなかったかのような錯覚さえ覚える。この情勢を静かに分析し、「このままではいけない。被害者が忘れ去られてしまう。自分たちの身を、命を削ってでも訴えていこう」。家族の気持ちは一致した。
 私たちは決断し「座り込み」を断行した。どれくらいの人たちが私たちと同じ思いでいるのかはわからないままでの断行であったが、24日、25日と日を追うごとに衆議院会館前での「座り込み」に参加する人々が増えていった。又、参加しなくとも「家族会」の行動を支持するかのように水や冷シートの差し入れが増えていった。私たちの思いを受け止めて「支持しているぞ!」の声が聞こえる行為であった。ある人は、報道で知り駆けつけてくれた。座り込みする時間はとれないが私たちのためにと名前も名乗らず置いていかれた方もいた。米国大使館からの水もあったようだ。私たちの抗議を支持し、思いを一つにしてくれた人々の行為が、「危機感」をつのらせた家族の心を勇気付け力を与えてくれたことに感謝したい。5年前の「孤独な闘い」とは違う手ごたえを感じさせてくれた。
 総理は座り込みの行為に関し、「対話と圧力」を繰り返し、「経済制裁で解決するという現況ではない」と切り捨てた。では、何時になったら好転するのか?救出できるのか?じっくりお聞きしたい。10分とか20分ではなく、一方的な回答ではない、人として日本国の救出を待つ被害者」をどうやって救うつもりなのか?聞かせて欲しい。私たちは夜中でも明け方でも休日でも、総理の都合の良いときに合わせます。「拉致被害者の救出」はそれだけこの国にとって重い緊急課題だとは思いませんか?国民の生命と財産に責任を持たなければならない総理にとって。



2005.6.23

「小泉政権の保身の姿勢にあきれる」

 一昨日、「RENK」が発表した「支援米の横流し」に関して、杉浦官房副長官が会見の中で、「北朝鮮はご承知のように物不足が慢性化しているため、袋の使い回しが日常的に行われる。北朝鮮国内で生産された穀物を入れていたものと思われる。」WFPからの説明として横流しを否定していた。何のために?考えるところ、「政府は昨年実施した食糧援助が、横流しされている事実を認めることができないから、判っていても認めるわけにはいかない。」のであろう。それはそうさ、「子供たちの帰国と引き換えの食糧援助ではなく、あくまで人道支援」と言ってきたのであるから、「家族会」・「救う会」が指摘してきた「食糧援助をしても本当に困った人の下へは届かない」を無視して行った食糧支援が不条理な売買に使用されていることは認めるわけにはいかないのだろうが、まさしく政権保身のほか何者でもない。小泉総理が鼻高々にいっていた成果の裏返しが、不誠実な対応をつづける金正日政権の延命に使われ、餓死寸前の人民の首を絞めていることを認めることは出来ないのであろう。テレビのコメンテーター然りであるが、未だに「金正日政権」に幻想を抱いているのではなかろうか?独逸の医師「フォラツェン」氏はいっていた。「国連の人間にもろくでもない奴はいる」つまり、「仕事を誠実にこなす人がすべてではない、政権とつながりを持って滞在だけしている人もいる。」ということだ。これがWFPの人かはわからないが、今国連関係で北に入っているのは???
共産党は、「萩原遼氏」を除籍したようだ。相変わらずのばか者ぶりである。「朝鮮総連50周年記念」には、不破氏自らが出席し「祝賀」を述べていたが、前にも書いたが「朝鮮総連」は、日本の破壊活動を目指した本国の意向を受けて活動している組織である。非合法組織をも持つといわれ再び「学習組」を復活させた組織であり、「拉致の実行犯」を抱える組織なのである。そこにメッセージを送るということは「拉致被害者の救出」運動を続ける私たちに「あきらめろ」のメッセージを送ったことと同義語である。これも、友好関係を復帰した「朝鮮総連の不当性」を認めるわけにいかない党事情であるが、党の決定の間違いを認めるわけにはいかないから、「総連は悪くない」を言い続けなければならないのだろう。やがて「国民も審判」を受けることになるだろう。
明日から座り込む。こんな人たちが多すぎるから「被害者救出」が遅々として進まない。早く政界からの引退を考えていただきい。



2005.6.21

「六者協議に参加しない勇気も必要なのでは?」

 北朝鮮政府が朝鮮中央通信の報道として以下の報道を行った。
「日本は6か国協議がうまく行くことを願っておらず、協議を破たんに追い込もうとしている」として、日本の対応を非難しました。さらに北朝鮮は、「日本は6か国協議についてあれこれ言う前に、協議に加わる資格があるのかどうか考えてみるべきだろう」と指摘し、協議が再開されたとしても拉致についての議論には応じないという立場を示しました。
前にも言ったが、六者協議での「拉致問題の解決」は出来ない。しかし、日本は「核・拉致・ミサイル」を包括的に解決していくことを方針として示している。私から言わせれば、ここで日本が「六者協議」への無理な参加を望むことは、中国や韓国・北朝鮮に借りを作ることになる。日本がここで、「拉致被害者の命」がかかる問題を解決できないのなら、「六者協議」に参加する意味が無いから、参加を見合わせる。そのかわり、六者協議においていかなる合意がなされようとわが国は、一切の経済支援をすることは無い。何故なら、参加していない協議の場において決められたことには責任をもてないから。」というスタンスを表明した場合、誰が一番困るのか?ホスト国の中国である。また、支援金が少なくなる北朝鮮である。そうなれば、中国は日本の参加を促してくるし、中国の属国である北朝鮮は批判できなくなる。「北の核問題」はあくまで「検証可能な不可逆的廃止」であることは国際社会の認識である以上、日本が入っていようが入っていなかろうが、「核廃絶」への道を模索するしかないのであるから、中途半端な決着は見ないだろう。もし決着できないならば中国は面子を失うことになるから。また、中国や韓国は「六者協議の成功」のためには、日本の金は必要不可欠と思っているし、日本の不参加では困ることになるから、日本の参加を要請することになる。そうすれば立場は逆転する。借りを作るのではなく優位な立場で「六者協議」に参加することになる。その時、強く「拉致被害者の返還」を条件にすることができる。中国が必死になる可能性が生ずる。中国の無礼や韓国の無礼にも毅然とすることが出来ない日本であるから、北朝鮮が前述の報道をよこしてくるのだ。米国は「六者協議」を開催することを望んでいるのだから、日本への参加を望むだろうが平身低頭して参加することは無い。毅然と日本の立場を言っていくことが必要だ。
机上の空論ということができるのか?
以前「河野洋平元外相」は、2000年のコメ支援の時、私たちに「このコメ支援によって責任を持って北朝鮮の誠意を引き出しますから、私にお任せ下さい。」という机上の空論を持ち出した。承知のように何等誠意を見せることなく拉致を「でっち上げ」といわれて引き下がってしまった。河野洋平氏は責任を取ることなく、今では「衆議院議長」である。あの時支援のために使われた血税は1300億とも言われたが、誰も責任を取ることも無く、血税は霧散した。机上の空論に終わっているのだ。
再び言うが、今の状況は「手詰まり」ではない。「何もしていない」のである。
残念ながらわが国には「サムライ魂」を忘れた議員や官僚が多すぎる。
日本よ真の国家たれ!



2005.6.20

「日韓首脳会談が始まった。総理の決断を求める行動も始まろうとしている」

 小泉総理が、硫黄島〜韓国へと移動している間、私は、東京〜福岡〜山形と移動した。移動だけでも疲れを感じている私だが、私より更にご高齢の総理には大変なことなのであろう。「日韓関係の良化」を望むものであるが、日本国の総理として毅然として対話をして欲しい。韓国は親北朝鮮化しているが、話せば判る相手であることは違いないと思う。対話優先の姿勢をとるべきであろう。しかし、北朝鮮は「対話」で解決できる相手ではない事を理解して欲しい。今年2月10日、北朝鮮は「核保有宣言」をし、「核保有国としての対応」を求めて、「六者協議」への復帰を匂わせている。これを許しては、「六者協議」の場が「核廃棄」を話す場所ではなく、「核軍縮」を話す場になってしまう。何があっても、北朝鮮に核の保有を認めさせるべきではない。これに関しては、日本の国益を考える上でやらなければならないことである。韓国大統領とは先ず、「北朝鮮の保有」を認めないという強い意志の共有をしていかなければならない。
今週、24日からの「経済制裁の発動」を求め、抗議行動を開始する。私たちは「もう我慢の限界だ!」と名うって、昨年9月に「集会」を開いている。それから9ヶ月たった現在、「拉致被害者の救出」が進んでいるか?否である。このままでは、「郵政民営化」に埋もれ「核問題」に埋もれ、再び何年かかるかわからない時を待たねばならない。我慢の限界といっていたのが、嘘になってしまう。私たちは本当に「我慢の限界」を迎えつつあり、停滞した現状には不満を抱いていることを直に伝えたいと思うのだが、面会を拒否された今、私たちが出来ることは「体に鞭打って」、私たちの切実な思いを具現化する術を他に知らない。私たちが、もっと力を持ち知恵を持っていたらこのようなことはしないのだろう。
でも、一市民でしかない「家族」はこのような方法をとらざるを得ない。私たちの気持ちが総理に通ずることを願って、「座り込み」を実施する。私たちの思いが「日本の人たち」に通じることを願いながら実施する。るみ姉のために、めぐみちゃんのために、恵子さんのために。


2005.6.15

「風邪をひいてしまいました」

 不覚だった、あちこちいっているうちに温度差について無頓着であった。もう直りかけてが、やばかった。熱がさほど出ていないので大丈夫とは思うが、体が重いし、だるい。最悪である。来週までには完治させるぞ!
「六者協議」では、拉致問題は解決できない
先日、「米朝秘密会談」が行われ、北朝鮮サイドの「六者協議」への参加が見込まれるとの報道がありました。米国もとりあえず「六者協議」優先の姿勢は、訪米報告でも述べたが、私は「六者協議」に何等期待はしていない。今までの「六者協議」の経過を見ていれば判る。中国、韓国は「六者協議」の場において、「日本人拉致問題」を取り上げることに積極的ではない。いやむしろ取り上げたくないというスタンスである。ロシアは無関心。米国は協力的だが、基本は「核問題」であるから、「六者協議」では、拉致問題の解決に向けての積極的な話し合いはなされない。しかし、日本を除く5者は、「北朝鮮の核問題」の解決のために「日本の金」は不可欠と考えている。だから北の譲歩を獲得するため、既に韓国はテーブルにつかせることに経済援助を示唆し始めたが、合意後の多額の経済支援も匂わせている。しかし、韓国の経済時事情では、多額のお金を出すことはできない。中国は北を生かさず殺さずの政策」を続けているから、多額の経済援助をするつもりは無い。ロシアは無関心。米国はイラクで負担が大きいので北朝鮮までお金を出すことは考えていない。
となると必然的に「日本のお金」を皆が当てにしているということであるから、「六者協議」で何らかの合意がなされたら「日本への経済協力」を強く求めることは必至である。周囲から請われれば、「核問題」を重視する5者の要請に従い、日本はカネを出すであろう。「拉致問題」を解決しないのに多額の経済協力を強いられるのである。まさかそこまでは。と考える向きもあろうが、日本政府は「万景峰92」の入港を「油濁損賠法」をザル法にしてまで認めているし、この状況の中で「北朝鮮の工作員」の入国にビザを与えている。5者から要請されればやるだろう。過去、1994年「米朝合意」により、「拉致問題」が明らかになっていながら、「軽水炉建設資金」として、10億ドルの拠出を決定した。あの二の舞となりことは必至であろう。その時は私たちは「死に物狂い」で抗議することになるのであろう。
その危惧があるから、今日本政府は「経済制裁」の発動をしておかなければならない。5社に対し、「日本政府は、拉致問題の解決なしでお金を出すことは無い」という強いメッセージを送っておかなければならない。「被害者が帰ってこない限り、国民は納得しない」という正しいメッセージを送らなければならないと思う。



2005.6.9

「曽我さん、よかったね!」

 報道によると「曽我さん一家」が訪米し、ジェンキンス氏のお母さんに会われるようだ。先月、曽我さんにお会いした時、6月半ばになるかもしれないとはいっていたが、米軍の除籍が進まずにはっきりとはしていなかったのだが、ようやくいけるようになったのであろう。ともかく、よかったと思う。ジェンキンス氏の母上も高齢であるし、40年という長い間会えずにいた母親にとっては、早いクリスマスプレゼントになることだろう。
以前、曽我さんが一人で家族の帰国を待っていた時、励ましに行ったことがある。その時曽我さんが言っていたこと。「日本に帰ってきて、死んだと思っていたジェンキンス氏の母親が生きていることをしり、私が北朝鮮に帰ったら2度とジェンキンス氏は母親に会うことは出来ない。彼を母親に合わせるためにも、私は日本で家族の帰りを待つ」という決意を語っていたが、それが現実のこととして目の前に来ていることを喜びたい。
 明日は又、「万景峰92」が入港する。当然「抗議行動」に行く予定だ。体力の続く限り、総理への意思表示として新潟の中央埠頭に立って、抗議を続けるつもりだ。しかし、何故日本政府は毅然と「日本人拉致被害者全員を帰すまで、貴国の定期船の入港を禁ずる」と言えないのか?これは経済制裁とか圧力とか言うものでなく、国家としては当たり前のことではないのか?国交も無く、拉致被害者を幽閉している国の「大型工作船」を何等ペナルティを課すことなく、新潟の港に入れる危なさを総理は感じていないのであろうか?国民の命を守るべき総理が、危険な船の入港を制限することは「国際法上も問題は無い」と思われるが。また国内法的の「改正油濁損害賠償法」に照らし合わせ、保障能力のあやふやな「保険会社」との契約で、油濁損賠法をザル法にしてしまった北側国交相は、海洋汚染に対し、責任を持っていただけるのでしょうね。もしもの時は、国民の血税を使わずに個人資産或いは、支援団体の金で保障していく覚悟はしてもらわなくてはならない。
明日(10日)は、新潟の中央埠頭でお会いしましょう。


2005.6.7

「姉の夢をみた」

 今朝、久しぶりにるみ姉の夢をみた。帰ってきた夢である。拉致されてから20年以上も見ていなかった姉の夢を今年に入って二度もみた。前回は、今年初めの頃だったと思う。夢を見ないということは、彼女が安全に暮していることだろうと思い不思議とは思わなかったのであるが、此処に来て立て続けて見るということは不安になることがある。しかし、夢の中の彼女は、昔と変わらぬ若さとやさしいまなざしをしていた。それが嬉しく、懐かしく早く助けたいという思いを募らせる。もしかして、彼女が「早くたすけて!」というメッセージを送っているのではなかろうか?彼女の身の上に危険が迫っているのではないか?悪いことは考えないようにしているが、解決への道筋が見えないことが心を苛立たせる。
昨年末、細田官房長官は「迅速かつ誠実な対応がなされなければ、厳しい対応をとらざるを得ない。」と発してから、4月には「小泉総理の決断を求める集会」を開いた。その時6000人の後押しを受けて官邸に「申し入れ」を行った。5月にも再度申し入れた。今年に入って、国会で話し合われていることは「郵政民営化」問題である。北に対しては「北京を通じて呼びかけを行っているが、相手が反応しない」という言葉で「拉致問題」の解決が出来ないという。首相への面会を請うと「3回もあったのだから、会う必要はない」と拒否された。このような状況で「家族」が出来ることは、「被害者を忘れるな!」という言葉を体を使って訴えるしかない。9.17以前、私たちは2度「座り込み」をやっている。そうやって闘ってきた私たちは、再び,原点に立ち戻り闘っていく方法をとるしかなくなったのではないか?私たちは「我慢を続けてきた」。横田家は28年、増元家は27年、特定失踪者の家族は30年以上も待ち続け、いまだに政府は「我慢しろ」と言っているように見える。いや、「あきらめろ!」といっている。「救出のための方策」を示して「待て」というなら我慢も出来るかも知れない。しかし、何等方策も見えない中で我慢しろということは「あきらめろ!」といっていることと思える。「経済制裁は、周辺諸国と一緒でなければ効果がない」という。なら、周辺諸国への協力要請を政府はおこなっているか。否である。決して「手詰まり」ではない。何もしていないのである。町村外相は、「常任理事国入りのために全世界の大使を招集した」が、「拉致被害者を救出するために全世界の大使を招集したか?」否である。自国の国民を助けられない国が、世界の紛争に関与し、解決のために奔走しなければならない常任理事国になれるのか?意味がない。日本の国会議員にとって何が優先的に考えなければならない問題なのか?国民の命ではないのか?わかっていない人たちにわかってもらうには、私たちは体を使って意思の発動をしていかなければならないと思う。私たちは「被害者家族」であって、運動家ではない。必死の思いで相手を動かすことしか出来ないと思う。しかし、「座り込み」は究極の戦術ではない。山はこれから先になるだろうが、半年という6月24日に家族が何もしなければ、家族も今の現状を納得しているという誤ったメッセージをあたえる。だから、私たちは「座り込み」で、「被害者を忘れるな!」という家族の気持ちを、言葉を送るつもりだ。



2005.6.6

「長い週末だった」

 6月3日 友人との会食後、新幹線で新潟へ。5月18日以降4回目の「万景峰92」の入港に反対抗議行動に参加するためだ。軽く飲んで休むつもりであったが止まらない。夜中の「サッカーW杯予選」を見ていたら、3時を過ぎてしまった。4日朝6時40分起床。朝食を摂り「新潟中央埠頭」へ。終了後、帰京しホテルに入る。14:00から「家族会総会」。
17:00から「救う会勉強会」。その後「懇親会」。5日朝6時30分起床、一旦帰宅後、「合同会議」へ。すべてが終了したのが、16:30ころだった。疲れが残った状況で今週を迎えてしまう。今週末も同様の行程となるだろう。若いつもりだが・・・・・・・。
さて、「座り込み」に関して多方面より反応があるようだ。先週の家族会総会では、出席者全員の意見を聞いてみた。世論として反対意見もあるということを踏まえて、「如何思うか?」という問いかけに、全員が「このままでは閉塞感があり、打開策として私たちの意志の発信としてやる必要があるのではないか」という意見であった。ネット上でみたのだが、「制裁を課すことで打開するという確かなものがあるのか?家族会は説明する必要がある。」というものがあった。「ある」。北朝鮮が2002.9.17に「拉致を認めた事実」を如何捉えるかであるが、私たちは、「ブッシュ米大統領」の言葉「悪の枢軸」が大きな圧力になり、金正日に「拉致を認める」結果を生んだと思っている。決して小泉総理が「平壌」に行ったからではない。金正日が決断を下さなければ、小泉総理は「平壌」に行くことは出来なかった。では、何故金正日は総理に許可を与えたか?「米国の軍事力」が怖かったから、米国が「北の核開発」をパキスタンから入手したことを知った北は、「日本」との交渉を開始し、日米間に楔を打ち、米国の軍事介入を阻止しようとした。その時、日朝間に横たわる「拉致問題」を終結させるべく、小泉総理のやりたかった「日朝国交正常化」を餌に「平壌」入境を許可したのだ。「日朝間で国交が回復されれば、米国に対する牽制をしてくれるし、1兆円以上の経済協力が得られる。」正に一石二丁の計算である。だから、「でっち上げだと言っていた拉致を認めるしかなかった」いろいろな考え方をする方もいるとは思うが、これが私たちの分析である。金正日の願いは「体制維持」であり、「自分の命の保障」である。一番怖いのは「米国の軍事制裁」なのだから。だから、「経済制裁」という圧力が必要なのだ。何故、家族が座り込みをするのか?又、明日書くことにする。


2005.6.2

「シーファー駐日米国大使」

 5月31日、「シーファー駐日米国大使」と面会した。前任者の「ベーカー前大使」もそうであったが、米国大使が民間人の「拉致被害者家族」に直接会い、更に「自分が役に立つのならば、拉致現場に行ってもよい」という言葉を発していただくということは、「北朝鮮・金政権」にとって、米国は「拉致問題」を重要視しているという「メッセージ」につながり、大きな圧力となる。又、「いつでも会う機会を設ける」ということでもそうだが、心を感じることが出来る。一方、わが国の総理は、「お会いしたい」という家族の要請に、「既に3回もあったから、会う必要性を見出しえない。」と拒否していることと、「拉致問題連絡調整室」に問題の対応を任せていることは、小泉総理の「拉致問題」への関心の薄さを表すものではなかろうか?小泉総理は「拉致現場」に言ったことがあるのだろうか?「人への愛」・「国民への愛」について欠如しているように感じるのは、私だけなのだろうか?
先月半ば、久しぶりに故郷に帰り、これまた久しぶりに高校まで住んでいた「鹿児島市大竜町」に行ってみた。此処は、「西郷南洲翁」の墓がある「南州神社」のある町だ。私とるみ姉とは、「幼稚園」「小学校」「中学校」と同じ学び舎に学び、通学していた。
「共立幼稚園」は健在だった。勿論当時とは外観が変わり近代的になってはいるものの、存在していたことが嬉しかった。「大竜小学校」の前を通ったら、「122周年」の看板があり、そこに「校訓」が書いてあり、そこには「敬天愛人」の文字が書かれていた。「天を敬い、人を愛する」−西郷南州翁―の遺訓を校訓として掲げ、毎日黒板の上に掲げられた「校訓」を唱和していたことを思い出す。中学・高校とそれぞれ回ってみたが、非常に懐かしく思われた。兄弟家族が暮らした「官舎」は既になく、大きなマンションになっていたが、周辺の町並みは当時と同じ雰囲気を醸し出し、姉との思い出が色濃く残るものであった。
南洲神社は、毎年7月に「六月灯」を開く。南洲神社に続く長い階段の両脇に「提灯」がぶら下げられ、参道には多くの「露天商」が並ぶ。子供たちはそれぞれに「綿飴」を手にし、神社までの階段を登る。社では「能楽」が奏でられひと時の夕涼みを楽しんだ。今でも開いているのだろうか?故郷の一風景を思い出し、姉と楽しんだことを思い出す。
神社の空き地だったところは、コンクリートの駐車場になっていた。ここでは、昔仲間たちと「ソフトボール」等いろんな遊びを共有していたことを思い出す。
「敬天愛人」−天を敬い、人を愛する−明治の元勲「南洲翁」の言葉。
小泉総理も薩摩の人と聞く。もう一度「敬天愛人」の精神に立ち直すことはできないか?



2005.5.30

「日本はつくづく法治国家なのだろう」

 本日、「田中協子ー有本恵子さんの教育係りだったといわれる」の判決公判があったようだ。「有本さん」に関して、何等明らかに出来ないまま、懲役1年6ヶ月執行猶予4年であった。有本さんは帰っていないのに、田中は執行猶予で出てくる。そして、日本国内で暮せるのだ。このような不条理なことがあっていいのか?法で裁かれなければ、何をやってもいいのか?田中に良心があるのか?以下に「救う会・神奈川」との連名で出した「声明文」を記載する。

よど号テロ犯グループに拉致の真相の全面自白を求める声明

 本日、よど号テロ犯グループの田中協子に対する有罪判決が下った。
よど号グループはハイジャックだけでなく、北朝鮮渡航後に、北朝鮮工作機関の手先となり様々なテロ活動、犯罪活動を展開してきた。彼らが、有本恵子さん、松木薫さん、石岡亨さんをヨーロッパから拉致したのはよく知られている事実だ。それ以外にも、さまざまな東南アジアでの偽札使用、自衛隊へのスパイ工作などさまざまな犯罪行為に彼らが加わっていた疑いは大きい。
日本政府は1988年そのことを察知して、田中協子をはじめとするよど号犯妻らに旅券返還命令を出した。彼女らがヨーロッパで北朝鮮工作員キムユーチョルとともに拉致をはじめとするさまざまな危険な活動をしていると判断したからだ。それに対して、彼女らは旅券を返還せず継続して北朝鮮工作機関の手先としての活動を続けてきた。
本日の有罪判決は、彼女らのそのような活動が日本国の安全と日本人の人権を著しく脅かすものだということを司法当局が認めたことである。田中協子被告をはじめとする全てのよど号グループメンバーは、真摯に反省し、日本人拉致を含むすべての犯罪事実を明らかにすべきである。特に今回、有罪判決が宣告された田中協子被告は有本恵子さんの拉致を自白したよど号妻八尾恵の証言によると北朝鮮入国直後の有本恵子さんの教育係であったそうであり、田中協子被告は有本恵子さんの入国後の状況を知っていると思われる。
よど号グループおよび関係者に言いたい。現在、松木薫さんのお母さんは 病床で拉致された松木薫さんの帰国を待っている。有本恵子さんのご両親も高齢化が進んでいる。拉致された家族には時間が無いのが実情である。人間としての気持ちが少しでもあるなら拉致事件を否定するようなことはせず松木薫さん、石岡亨さん、有本恵子さん、福留貴美子さんをはじめとする自分たちが拉致した全ての日本人のご家族に対して真相を明らかにするように強く求める。合わせて私たちは次のことを政府、国会、捜査当局に強く要求する。

1、日本政府は北朝鮮側に無条件でよど号グループの引き渡しを求めるように強く要求する。

2、国会は拉致問題特別委員会で国内にいるよど号グループ関係者や支援者を積極的に参考人や証人喚問を行いよど号グループが関与した拉致事件の真相究明を行うように強く要求する。

3、捜査当局は今後、帰国が予定されいてるよど号犯妻で1980年にスペインで松木薫さんや石岡享さんの拉致事件に関与した森順子容疑者・黒田佐喜子容疑者等に対して拉致事件の観点で徹底した捜査を行うように強く要求する。また、拉致被害者家族に対して可能な限りの捜査情報の公開を行うように強く要求する。
平成17年5月30日

北朝鮮による拉致被害者家族連絡会代表 横田 滋
北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会会長 佐藤勝巳
北朝鮮に拉致された日本人を救う神奈川の会会長 武山 章
北朝鮮に拉致された日本人を救出する会・兵庫県協議会会長 長瀬 猛
北朝鮮に拉致された日本人を救出する熊本の会会長 加納 よしひろ


              報道用配布資料
報道各位様

何時も取材等などでお世話になっています。今回の田中協子被告に対する判決に対して北朝鮮による拉致被害者家族連絡会と救う会で合同に以下の緊急声明を発表します。
今回の裁判の田中協子被告はよど号ハイジャック犯の田中義三の妻で学生時代から朝鮮文化研究会に在籍しており、訪朝後、田中義三と結婚している。田中協子被告自身は否定しているが、元よど号妻の八尾恵元店主が別のよど号妻の刑事裁判の証人尋問中でロンドンから拉致された有本恵子さんの訪朝後の指導係であったと証言しています。私たち救う会・家族会は田中協子被告に第一回公判から傍聴を続けてい。つきましては以下の声明は今回の公判と今後もよど号拉致事件に望む姿勢です。

北朝鮮に拉致された日本人を救う神奈川の会 川添友幸事務局長 携帯090-9816-2187
以下 参考資料・田中協子被告の出国時のインタビュー
電脳保管録から転載・http://nyt.trycomp.com:8080/modules/news/article.php?storyid=3974

上記写真は北朝鮮出国時の田中協子。下記インタビューも。
Q.北朝鮮に有本恵子さんが連れて行かれた後、“教育係”だったという証言がありますが?
 「それは全く事実無根です」(協子容疑者)
Q.有本恵子さんに会ったことはありますか?
 「ありません」(協子容疑者)
Q.絶対ない?
 「絶対ないです。ありません」(協子容疑者)
Q.絶対ありえない?
 「ありえないです」(協子容疑者)
Q.自分たちの仲間を増やそうとして、北朝鮮に・・・
 「そういうことはないです」(協子容疑者)
Q.あなた自身が誘って(北朝鮮に)連れて行ったことはないんですね?
 「ないです」(協子容疑者)
「人間は一度は必ず死ぬんです。その時に、悔いを残して死なないように、本当にいつまでも嘘は突き通せないんです。自分のしてきたことだけは日本の国民の前で明らかにして下さい。」
有本恵子さんの母・有本嘉世子さんの言葉である。




2005.5.26

「申し入れ」

 政府は昨年(平成16)12月24日、第3回実務者協議で提供された情報・物証を「全く受け入れられない」と結論付け、その上で「迅速かつ誠意ある対応がないときは厳しい対応をとらざるをえない」と発表しました。それからすでに5か月が経過しましたが、北朝鮮は「迅速かつ誠意ある対応」をしていません。それどころか核武装を公言し、核実験の準備さえしています。このままだと、日本が拉致問題を重視していないという誤ったメッセージが伝わりかねず、核問題に焦点が集まり拉致問題が棚上げにされてしまう恐れもあります。

 家族会・救う会は3月9日、4月26日に制裁発動などを求める申し入れを行いましたが、いまだ小泉首相の決断を得るには至っておりません。そこで、本日再度、下記につき申し入れを致しますので早期対応をお願いいたします。

 なお、来月6月24日になると、政府が「厳しい対応」を予告して半年になります。その時点でなお制裁発動がなされていない場合は、家族会・救う会では座り込みなど重大な覚悟を、せざるを得なくなると考えていることをお伝えします。

1.全ての被害者を救い出すという国家意思を示すために、いますぐ制裁を発動していただきたい。

2.私たちは愛する家族が北朝鮮で囚われている苦しい立場でありながら制裁発動を求めています。もう待てないという切実な気持ちを知っていただくために、小泉首相との面会を求めます。

3.田中実さん認定に続き、寺越事件、小住健蔵さん、福留貴美子さんらについて、認定を求めます。

4.国家犯罪である拉致が解決していないのに、北朝鮮国会議員(最高人民会議代議員)である朝鮮総連最高幹部6人は日朝を自由往来しています。許宗万・総連責任副議長ら6人の再入国許可を取り消すことを求めます。また、国会において6人を参考人として招致していただくよう要請します。

5.総連施設への税金減免、納税をめぐる裏合意疑惑、総連系学校・芸術団体等への公金支出など、北朝鮮と総連への公正さを欠く優遇措置の適正化を求めます。
                                                           以上
24日に上記の文章を申し入れた。
横田代表と佐藤会長の連名で申し入れたものだ。その後、渋谷において街宣をしたのだが、町を歩く人たち通り過ぎる姿に、拉致された被害者が如何思うのか?残念でならない。この瞬間も被害者は日本の救出を待っているのに、政府は積極的に動いているようには見えない。国会は空転している。国会の空転といえば、去る23日「参議院・拉致問題特別委員会」において、「横田夫妻・荒木調査会代表」の参考人招致が予定されていたのだが、国会空転を理由に中止になった。延期ではなく中止である。「郵政民営化」と「国民の命」では、郵政の方が大切らしい。このような感覚では、6月24日までに「経済制裁発動」は見込めないだろう。私たちは、ついに「座り込み」の決意をせざるを得ないだろう。今のところ、6月24日〜26日の3日間を当てる用意をしている。朝10時ころより16時まで官邸周辺で座り込み、その後、周辺の会館において「発動を求める集会」を開く。政府が制裁をしなければ、国民が「金正日」に正しくメッセージを送ろう。
 今月30日と来月4日に、「万景峰92」が入港する。これに対し、新潟市民の声を埠頭に結集して欲しい。
前にも言ったが、事前の登録が必要で、下記のところに連絡して欲しい!

会長:馬場吉衛
副会長: 山田洋子
電話:025-265-3123
〒951-8162
住所: 新潟市関屋本村町1-127-1
担当:湧井


2005.5.24

「再び万景峰92が入港した」

21日、「群馬・前橋」において集会が開かれた。1時間の講演後、質問が寄せられたのだが、さまざまな観点からの質問であり、皆さんが真摯に「拉致問題」を考えられていることに感謝したい。その中の一つ。私が、「きん・しょうにち」と言っていても、テレビのテロップは「キム・ジョンイル」と入る。何故なのか?というものがあったが、私は最近敢えて「きん・しょうにち」といい、「ばんけい」ということにしている。何故なら、「半島人」の名前だけ、日本のマスコミは「朝鮮読み」で表わす。「中国人」の名前は、「日本読み」で呼ぶのに、何故?という思いもあったし、犯罪者に敬意を払う必要性を感じていないから。マスコミは読みづらい「マンギョンボン」を多用し、「金正日(総書記)」と明記する。以前、「北朝鮮(朝鮮民主主義人民居和国)」と二度にわたり、国名をいっていたことと通じるのではないだろうか?朝鮮人民2300万人を苦しめる独裁者の敬称が必要なのか?「ヒトラー」を「ヒトラー(総統)」と表記するのか?私は、これからも「きんしょうにち」と言い、「ばんけいほう」と呼ぶつもりである。
23日、その万景峰がまた入ってきた。
5ヶ月入れなかったため、倉庫が空っぽなのだろう。また、6月に開催される「記念日」に必要なものがあるのだろう。そのたびに「新潟県警」は、大勢の警備を敷く。その費用は、新潟県民の血税であることを考えると、新潟市民に「抗議行動」に参加して欲しい。県民の血税がどのように使用されているのかを現場で見て欲しい。前日の22日、「新潟市内・古町」界隈で署名と「抗議行動への参加」を訴えたが、市民の方で「明日、言ってみようと思う」と言う方がいらっしゃったが、「中央埠頭」で行われている「入場制限」や「通行許可を取るために事前に名前を届けなければならないこと」、「人数制限までされること」をご存知無いようであった。市民にも実態のわからないまま、「万景峰の入港」に際し、便宜を図る真意がわからない。安明進は「万景峰は工作機関である三号庁舎の所属であると言う。即ち、拉致被害者をさらっていった「工作船」と同義的位置にある船ということだ。その入港を認めることは、「拉致被害」を容認することに他ならない。何を考えているのか「国交省」は、杜撰な審査で「万景峰」他、18隻の北朝鮮船籍船の保険加入を認め、入港を認めているが、事故になったとき、本当にその保険会社が保障できるのか?16隻の保険を受けた会社は、以前会社倒産させて保障に応じなかった前歴をもつ人物が興した会社といわれている。情報開示を求めたい。


2005.5.19

「万景峰号入港」

 18日、「万景峰92」が新潟中央埠頭に入港してきた。それに先立ち、17日に「ふるまち」において「街頭署名活動」に参加した。私たちとしては、新潟市民に「入港反対抗議行動」に参加して欲しかったから、「万景峰」の危うさを訴え、非人道行為を継続している北朝鮮への抗議姿勢を新潟市民に起こして貰いたかったのであるが、平日の午後5時過ぎということで通行量が少なく、十分ではなかった。しかし、今後も新潟市民に地道な訴えをしていかなければならない。今回参加した「家族会メンバー」は、増元照明・本間勝(田口八重子兄)・平野フミ子(増元るみ子姉)・市川龍子(市川修一義姉)・斎藤文代(松木薫姉)・寺越昭男・内田美津夫(寺越昭二息子)である。
 18日当日、皆は08:00集合であったが、私は民放の取材が入ったため、07:30に埠頭についた。既に、通行許可を貰うよう届けはしていたのであるが、「許可証」を貰っていなかった。それでも現地対応でどうにかなる(日本国内なのだから)と思っていたので、敢えて届けもせずに向かったものである。
 中央埠頭まで、タクシーで向かったが「岸壁」まで数百メートルのところで検問に留められ、車を降りて「救う会関係者」という立看板のある「第一検問所」に立ち寄った。そこで、「家族会の増元」と名乗り、取材の約束があるため岸壁の取材陣のいるところへの通行許可を願い出た。数にいる係りの人の中には私の顔を見知った人もいたのであるが、本部と連絡する人が私を知らないようで、「救う会」の人と間違えていた。そして、「許可証」の提示がないことを理由に最初拒否されたが、直ぐに私のことを知っている人が本部との連絡を取ることを促していた。本部でも「取材」に関しては聞いていないということで、拒否の反応があった。それでも「家族会」のメンバーであること、取材を受けることの意義から考えると引き下がることは出来ないので、取材の約束があることを述べ、中に入れてくれるよう要請した。そのうち、本部から「課長クラス」に人がやってきて、ようやく許可を出してくれた。その間10分強。そこから更に100mほど歩いたところに「第2検問所」があった。そこでも、許可証がないことを理由に足止めを食らった。07:45分に約束していたので焦ったが、何とかクリアーしたつもりで岸壁に向かおうとしたが、そこで「記者会見ではなく、ぶら下がりでお願いします。」といわれた。当たり前ではないか。岸壁で私ひとりが何の記者会見をするというのか?面白い言い方だな、と思い歩いていると一人随行する人がいる。取材陣が陣取る一角に入ろうとすると、また別の職員が私を引きとめた。取材を受けるという許可は出してはいない。というので、私たちは、ここに来て「万景の入港に対し、抗議するために来ていて、それを全国の人に発信する必要もあることをいって、声を荒げてしまった。そこで再び10分強待たされて、放送に間に合うかどうかイラツキながら、上司の来るのを待たされた。結局中に入れたのであるが、「家族会」の人間だから入れてくれたのであろう。これが普通の市民であったら、許可は出来なかったのであろう。しかし、あそこは日本の地であり、新潟の埠頭である。日本国民であり、新潟市民である人が来ても許可証がないと入れない状況は異常としか思えない。「万景峰入港」さえ不快なことであるのに、このような対応を受けて更に不快な朝の始まりであった。
新潟の港湾職員は、忠実に「規則」を守ったのであり、熱心に部外者の排除に尽力をつくしたのであるから、勤勉で真面目な方たちなのである。この調子で「万景」への立ち入り調査も厳密にやっていただけるものと信じている。
 午後にも、岸壁での取材を言われていたので、朝の二の舞をしないよう事前に取材への参加のために「通行許可証」の交付をお願いした。今度は、すんなり通してくれたが、随行者の同行を求められた。私の身の安全のためなのか?私の行動を監視するためなのか?不可解な随行員であった。
 全国の皆さん、新潟市民の皆さん、「万景峰92」は今月23日と30日にも入港予定です。岸壁での「抗議行動」に参加しませんか?粛々と静かに「抗議」の声を上げることは、日本政府がやらない以上、我々がやらなければ「金正日」に日本国民の正しい意思が伝わらないではないですか?「危険な舟」を日本の岸壁に横付けされることの危険性を感じないのでは、いけない。
 


2005.5.17

「政府ははたして動いているのか?」

 昨日の予算委員会の答弁の中で、小泉総理は「日本の単独経済制裁をするべしとの声もあるが、拉致・核・ミサイルを包括的に解決するためには、国際社会と協力してやるべきであろう」といっているが、はたして日本政府は諸国への協力要請をしているのであろうか?何等働きかけをしていない中で、「国際社会との協力しながら」ということは、「やりません!」と公言しているようなものではないか?日本が自ら動き、「経済制裁」に関し協力を求め、国民の命を救出するという本気の動きをしてこそ、国際社会の理解が得られるのではないか?日本が何もしないで、「協力」を求めても他国が日本の意思を痛切に理解することはないだろう。
 「万景峰号の入港」もそうである。人道的配慮といわれるが、「拉致問題」さえ解決すれば、「万景峰号の往来」も許可できるのであるから、先ず「被害者」を帰すことが必要なはずだ。在日の人たちの中には、家族と会えなくなるという方がいるが、私たちは30年近く会っていない。人道的観点から言えば、被害者を帰してから「人道」を話し合うべきではないか?それに李英和氏の話から、「万景峰号」を使うより「航空機」のほうがはるかに安価であるから、在日は帰って喜ぶだろう。ということからも「人道的」意味は半減する。我々は、やはり現時点では「万景峰号入港」に抗議せざるを得ない。在日の皆さんにも本国に対し、「拉致被害者の解放」の声を上げてもらいたい。


2005.5.13

「時計」

 12日、曽我ひとみさんを迎え「東京連続集会・曽我みよしさん物語」が開催された。その中で曽我さんは、お母さんから貰った時計をずっと大事にしてきたことを告白していた。時計を見てお母さんを思い出し、時計が動かなくなることを恐れた日々。時計に母の安全を託して、壊れないようにしてきた。電池式のその時計を帰国後また動かして、母の安全を確信している。時計、それは私にも通ずるものである。私の大学合格を祝い、安月給の中からプレゼントしてくれたもの。それが姉の思い出であり、姉の生存を確信させるにたるものである。電池式のそれがとまることのないように、そのベルトが切れることのないように大切に保管している時計。その動きが途切れない限り、姉は元気でいるはずだ。
そんな思いの中、再び「万景峰号」が新潟にやってくる。我々の思いを嘲笑うかのように。情報によると今月は18日を含め、3回も入港するらしい。何のために?「核実験」も想定できる今、3回もやってくるということは、「核実験」に必要な部品や燃料を確保しに来ることも考えられる。通関は厳密に検査をすべきだろう。ここで、「差別」などとの抗議の声に負けて検査を軽んずるようなことがあれば、国を滅ぼす行為と肝に銘ずることだ。そういえば、再び「PSC」をやってもいい時期ではないか?本来ならば、認めてはならない入港なのだ。家族会は岸壁での抗議行動に参加する。
 今日、「被害者救出」にご尽力いただいたがなくなられたという訃報が届いた。
いったい、何人がすべての救出が叶う前に倒れていくのだろう。急がねば・・・・。


2005.5.11

「万景峰号入港許可」

私が訪米中に日本では未曾有の事故がおきていた。
犠牲者の数、死者107人、負傷者570人を超えていた。これほどの犠牲者は、「地下鉄サリン」以来であろう。又、死亡された犠牲者の方々のすべてにご家族がおられ、その精神的な被害者を含めると3000人を超すのではなかろうか?そして、亡くなられた方々やその御家族の中にも「家族会」を支援してくださった方もおられたであろうことを考えると残念でならない。家族が理不尽な行為により、突然目の前からいなくなるということは、家族にとって耐え難い苦痛や悲痛を生むことを私たちは知っています。亡くなられた方々には安らかな眠りを祈りたいと願うし、ご家族には如何言っていいのか判らないが、心よりお悔やみ申し上げたいと思う。
今日、国土交通省が「万景峰号」の入港許可を与える報道を聞いて、「尼崎脱線事故」を再び考えざるを得ない。今、マスコミで騒がれていること。「事故発生時に職員が不適切な行動をとったこと」に対し多くの非難が寄せられていると聞く。マスコミは挙って「職員のモラルやJR西日本の体質を問う」見解を述べているが、果たしてそのマスコミは「国民の危機」に関して鈍感ではなかったのか?社会の木鐸を標榜する彼らが、「拉致」という未曾有の国家犯罪に対し、これを知りながら報道を控えていたことを考えると、それはマスコミ人のモラルに反する行為ではなかったのだろうか?「平壌」に支局を置きたいという社内事情で、「北朝鮮政府の本質」について遠慮していたことは、会社の報道姿勢を問われるものではないだろうか?100人以上の「拉致被害者」が未だに帰国できない中、「郵政民営化」を優先して論議している国会やそれに追随するマスコミ各社は、「国民の命」をどのように考えているのだろうか?
100人以上の「拉致被害者を救出」するために、先ず国がやるべきは「万景峰号」の入港拒否ではないのか?
李英和さんの言にあるように、在日の方々の往来に関しては「航空機」の使用がはるかに安価で、20数時間も船に揺られ更に列車に乗り換え平壌に向かう行程は、在日の方々にとっても過酷なものであり、財政的圧迫も大きいということを考えるならば、万景峰号の入港は「金政権」のためのものであることは明白だ。「金正日」に正しく日本国民の意思を伝えるため、入港に対し抗議する必要を感じている。
 でも、国家は手を拱いてばかりで行動をおこそうとしない。助けを求め、待ち続ける被害者をほっといている現実は、破壊された電車の中で助けを求めた人々を放置することと何等変わりはないのではないだろうか。
「他人のふりみて我がふり直せ」という格言がある。私自身反省するべきところは多々あるが、今後の行動に責任を持っていきたいと願う。そして、危機に際し「毅然と行動しうる人間たらん」と欲している。



2005.5.9

「訪米報告」

4月25日〜5月2日
North Korea Freedom Week に参加。

26日、ヘンリー・ハイド下院国際関係委員長との面会が実現した。ハイド氏のスタッフであるハルピン氏(今年4月、都内で面会)の配慮により実現したものであるが、2年ほど前ハイド氏とは「アメリカ大使館」内であったことがある。体がすこぶる大きくその巨体を持て余しているようであった。年齢も高齢であるがため、健康に不安を感じているようであったが、彼の権力は相当のものであり、駐米大使もなかなか面会できない人物であるようだ。その議員が家族会・救う会メンバーに会うこと自体、米国政府関係者が「北朝鮮による拉致問題」に関心が高く、また解決しなければならない問題という認識が強いことを示している。私の話を聞き、直ぐに「下院議会」での「北朝鮮による日本人拉致」の解決をせまる議会決議案を上程することを明言された。
27日午前、デトラニ朝鮮半島問題担当大使と、午後にはジョン・ヒル国防省日本部長と面会。「日本の単独制裁発動」に対する理解を求めた。積極的な支持は得ることは出来なかったが、彼らもまた「日本人拉致問題」に関しては熟知しており、また重大な問題であるという認識は変わらなかった。国防省では、当初予定のなかったローレス国防次官補も同席するというほど、日本人拉致に関心があるということである。
29日午後、ヴィクター・チャNSC日本・朝鮮部長と面会。米国のスタンスを認識することが出来た。
今回の訪米において面会した政府関係者はすべからく「日本人拉致問題」について感心を持ち、尚且つ重大な問題であるという認識を持っていることは事実であったが、そこで米国として問題解決に向け、具体的な行動をどうするかの感触は得られなかった。米国は基本的に「六者協議」の再開を強く望んでおり、ためにするべきことを優先する考えのようであった。「六者協議」とは「北の核」が大きな議題であり、「日本人拉致問題」を根本的に解決する協議の場ではないことを考えると、我々にとっては多少不安になるのであるが、デトラニ大使が言うように「六者での合意が得られて、北をテロ支援国リストから除去するための条件として、日本人拉致問題の解決を盛り込む」ということであれば、これからも米国の拉致問題解決のための圧力は続くということであるから、後は日本がどういう圧力をかけていくのかという問題であろう。そして、「六者協議」再開に向けても、わが国は拉致問題の解決なくして如何なる経済協力もすることは、国民感情としてありえないことを宣言していく必要があるのではないだろうか?
一民間人である私が米国政府関係者に面会し、強調するべきことは、今述べた「わが国は日本人拉致問題が解決しない限り、いわゆる経済協力はしないこと」であると思い、お会いした政府関係者には、国民感情を強く訴えたつもりである。即ち「拉致問題解決なくして経済協力は、日本国民が許すことはない。そのようなことを日本政府が強行しようとした際には、その政権への批判が強まる。」ということである。
又、今回の訪米において成果と思われることは、米国の有力紙のジャーナリストであるビル・ガーツ氏(ワシントンポスト)やクラウディア・ロゼット女史(ウォール・ストリートジャーナル)に直接会い話が出来たことではなかろうか?2人とも著名なジャーナリストであり、米国民への理解を深めていくことに繋がると考える。スザンヌ女史等、米国の人権活動家の人々の耳目を集め、北朝鮮や中国に対する圧力が必要であるという認識が、深く浸透していくことを期待している。
韓国系米国人の人々にとって、現ノムヒョン政権の対北政策の生ぬるさや親北のスタンスは、非常に奇異なものであり、容認できないものであることがよく理解できた。彼らにとっては「金正日政権」下での人権侵害は許すことのできないものであり、それを支えるような政権も批判の対象であることが窺えた。どこにも、正しい認識と判断をもつ人々がいるということである。ただ、韓国系米国人の中のマジョリティに成りえているのかは、未だ不透明だ。しかし、世界中の韓国系の人々が「金正日政権の非道・人権抑圧」に対し、自ら声を発し、闘うべきなのではないのだろうか。今回お会いした韓国系の方々のように。
訪米した際、常に感じることであるのだが、日本国政府が同様に「被害者や家族の気持ち」を理解し、救出のために能動的な政策を施行していって欲しいということである。わが国は経済大国といわれて久しいのであるが、実質的な「大国」といえるのであろうか?否、「国」と言い表すことさえ出来ないのではないだろうか?国家の三要素「領土・国民・主権」のすべてにおいて凌辱されているのであるから、国家とはいえないのではないか?残念でならない。

活動報告で渡米中の写真を御覧になれます。こちらから


2005.4.24

「6000人が来てくれた」

 今日の「日比谷公会堂」の「小泉首相の決断を求める国民大集会」に、6000人の人が来てくれた。集会前はどのくらいの人が来てくれるのか?不安だったけど。確かにここ一週間程、NHKその他TVでの告知があり、多くの問い合わせが来ている事を知っていたが、これほど大勢の人が来てくれるとは思っていなかったので、とても感激してしまった。本日参加してくれた人たちに感謝したい。運営に携ったボランティアの方々に感謝したい。
私は、署名活動の時、以前とは違い国民の一人一人が怒っていることを感じていたのだが、昨今の「拉致報道」が下火となっていたため、関心が薄れていっているのではないか?と思っていたのだが。私の考えた以上に国民は「北朝鮮政府」の出した「再調査結果」に怒っているんだ。この様子を「小泉総理」は如何捉えるのか?何も感じない首相では、国民の方を向いているとは思えない。しかし、「金正日」への大きな圧力にはなっただろう。総連関係者への脅威になっただろう。日本人は未だ「納得」していないし、許していないということなのだろう。
 昨日の「家族会総会」で、機構改革を考え「事務局長」を拝命した最初の大集会が、このように大成功に終わったことは、私にとっても感慨深いものがある。その初日の集会で不覚にも「涙」を見せてしまったことは反省せねばなるまい。国民がこんなに応援してくれるのに未だに「解決」しないし、「救出」出来ない悔しさがあふれてきてしまった。泣いていては応援してくれる人々に申しわけない。泣かない「事務局長」になろうと思う。
小泉総理よ!国民の怒りを感じろ!
金正日よ!日本人の怒りを見ろ!被害者をかえせ!


2005.4.5

「人権擁護法案を考える緊急大会」

 とんでもない法案を考えているものだ。私が最初にこの法案のことを聞いて感じたこと、「これはファッショじゃないか!」ということでした。昨(4日)夕刻より始まった「大会」へ参加してみて、やはりこの法案は可笑しいと認識させられました。「自由」・「差別」・「人権」という耳障りのよい言葉を使って、「言論弾圧」に繋がる法案を作成する勢力が存在していることを見逃してはいけない。度台、私は残念ながら「我が国には未だ真の人権活動」は根付いていないということを感じていました。残念ながら、国民は人権を語れるほど成熟していってはいない。長谷川三千子さんも「はたして世界中の誰が、正しく人権を語れるだろう」とおっしゃっているが、正しくその通りだ。わが国の「人権団体」の多くが今まで積極的に「拉致被害者の救出」を叫んでいない状況から、日本の「人権団体」は、「北朝鮮による拉致が最大の人権侵害であり、北の体制化での朝鮮人民が受けている苦痛を人権侵害」と捉えていないのではないか?そのような「人権団体」を抱えている現状で「人権擁護法」が成立してしまったら、政治的意図を持った似非人権者が、法を利用し「言論弾圧」に走ることは明白だ。そうなったら、「北朝鮮の人権侵害を訴えた」だけで、家宅捜索を受けることになり、それ以降自由な発言が出来なくなる。総連系の言論に対する妨害工作はマスコミその他、言論人が被害を受けた経験をお持ちのはずだ。然るに今回、マスメディアがこの法案に対し、明確な反対意思を表していないのは可笑しい。メディアは、この法の適用外になっているということで、何等報道しないのは怠慢ではないか?本当の意味で「人権」を考えるいい機会ではあるが、国民的議論を起こさないまま、「ファッショに繋がる法案」を目して語らないのは、メディアの怠慢ではないか?このようにして、「拉致問題」もメディアは葬ってきたのだと思うと、危惧を感ぜざるを得ない。「人権擁護」は当たり前のことであり、それを当たり前と思う心を養っていく教育に力を注ぐべきで、法規制にて「人権擁護」を押し付けることは危険だ。ある一部の政治家や団体の思惑が見え隠れする危険な法案であることをはっきりとしていかなければならない。教育さえしっかりしていれば、「人権擁護」が当然であることが自覚されるようになれば、このような法案は要らなくなるのは明白だ。
 以前、総連系の商工人から聞いたことがある。「万景峰号」に就学旅行生が乗り込む際、一人づつに多額の現金を持たせ、カバンの中にしまわせる。新潟の税関がカバンの中を調べようとしたら全員で「差別だ!」と騒ぎ立てるように支持しておく。そうすれば、検査しなくなり、多額の現金が何の検査もなく「北」へ送金できた。
 そのお金で、北朝鮮政府はミサイルを作り、核を開発研究し、人民弾圧勢力を維持してきたのだ。そして、「日本人拉致」を許してきたのだ。
 今、我々は「人権擁護法案」に断固反対する声を上げていかなくてはならない。無視は黙認であり、将来に禍根を残すことになる。
 それにしても昨日の大会には多くの若者が参加していた。実際、そこに集まった人々(およそ1300人)がどうやって大会を知ったかの問いに対し、ネットでの告知を知りきた人が9割近かったことを思えば、改めてネットの力を感じた。準備期間が少なく、お金もない事務局が「参加」を呼びかけたのは、ネットでの呼びかけであった。数日の内に問題意識を持って賛同してきた若者を見て、この人たちが4月24日に開催される「小泉首相に決断を求める集会」に来てくれないかと思ったものだ。「人権擁護法」・「拉致問題」の放置、根は同じなのである。同じ問題意識を持って賛同してくれることを願いたい。
4月24日、日比谷公会堂、13:00集結を乞う‘



2005.4.2

「4月になりました」

今年も「国民大集会」の季節を迎えてしまった。何回目になるのだろう?
先の見えなかった最初の頃とは違い、確かに一歩ずつ前進しているのだとは思うのだが、やはり「日本政府」が本気で救出しようとしているとは感じることが出来ない状況の中で、焦りや苛立ちを感じてしまう。姉が拉致されてから27年が過ぎてしまう。今でも元気でいることを信じているのではあるが、あの境遇の中で何を思っているのか?日本国に対してどんな思いを抱いているのだろう?既に帰国した「被害者」のことも噂で聞いているはずなのだが、それ以降自分の救出の手が伸びてこない様子に「あきらめ」や「絶望」を感じているのではないだろうか?あきらめないで欲しい。もう直ぐそこまで貴方の帰国の日がきているのだから。
4月24日(日)、午後1:30から「日比谷公会堂」に集まろう!
小泉総理に決断を迫ろう!横田さんを支えよう!



2005.3.15

「久しぶりに書いてみる」

このページに書き込みしてから何日過ぎてしまったのだろう。書き込みをしなければと思いつつ、つい遠のいてしまった。何故なのか?私にもわからないが、なんとなく書き込みするのが躊躇われた。この間、いろいろなことがおきていたと思う。2月末には、「境港での集会」もあったし、「家族会」とウィティッド氏(国連北朝鮮国内における人権侵害に関する特別報告者)との面会もあった。「国際集会」での発言もあった。それなりに多くの行事をこなして来たのだが、3月6日には、「全国協議会幹事会」もあり「当面の活動」も決まった。政府関係者にもお会いして、「拉致問題」の早期解決を模索したりもした。しかし、結局何も動かない「日本国政府」がそこにある。TVでは、実りのない国会審議をみていたが、拉致について何等進展のなさそうな論戦に飽き飽きしてきた。
「北朝鮮による拉致」は、そんなに軽い問題なのだろうか?「郵政民営化」よりも「被害者の命」は軽く考えられてしまっているのだろうか?なんとなく「北朝鮮問題」は、「核問題」にすりかえられてしまったようだ。姉はどうなるのだろう。このまま、北に幽閉されたままあと、どのくらい待たせなければならないんだろう。
民主党の首藤代議士は、「国際的な包囲網の構築」を叫び、日本の単独制裁に否定的であったが、首藤氏に聞きたい。
平成14年9月17日、金正日が「拉致」を認めてから既に2年半が過ぎているが、その間貴方は、国際的な包囲網を構築することに何かの行動を起こしてきたのですか?
猪瀬氏に聞きたい。
ヒステリックに「北朝鮮報道」をやってきたのは間違いというが、貴方のお子さんが「拉致被害者」の立場であったなら同じことが言えるのでしょうか?
この瞬間も日本の救出を待つ被害者がいることを忘れるな!


2005.2.10

「進撃だ!ジーコ・ジャパン」

 昨夜の「ワールドカップ・北朝鮮戦」を、自宅において応援していたのだが、ジーコ・ジャパンになっても相変わらず、フォワードの育成が進んでいないことを感じてしまった。「決定力不足」。トルシェ時代からいらいらしながら観ていたことを思い出す。確かに「北朝鮮」は予想以上に強かった。しかし、日本代表が本来の力を出していればもっと楽に勝てていた試合だと思う。一つ一つのプレーを評価していけば、言いたいことは多くあるが、とりあえず勝利し勝ち点3を得たことは喜ぶべきなのだろう。代表選手はこの戦いを教訓として、次の闘いに望んで欲しい。「北朝鮮チーム」は良く闘ったと思う。あの試合を観てさすがの「金正日」も選手に重労働を課すことはないと思う。ましてや「ホーム・平壌」での試合が残っているのだから。ただ心配なのは「キーパー」だろう。強制労働に行かないことを祈る。私は、本気で予選突破は「日本・北朝鮮」の2カ国であってほしいと思う。何故なら、「北朝鮮チーム」の無事を思うとき、「ワールドカップ本戦」へ進むことが出来れば、選手の地位は確保され安定した生活をおくることが出来ると思うから。
「ジーコ・ジャパン」には、これからの予選の試合をすべて勝ち取って欲しい。すべての試合で勝ち点3をとっていけば、6月8日の「アウェー」である平壌に応援に行く必要がなくなるであろうから、「平壌の試合」が消化試合になれば、大挙してサポーターが行くことも必要なかろうからだ。だから、「ジーコ・ジャパン」の全試合勝利を望む。それが、「日本代表」の実力を世界に示す方法であると思うし、本線での予選リーグ突破を期待できると思うからだ。次の「イラン」も「バーレーン」も撃破し、完全勝利を目指して欲しい。アジア王者として。
サポーターの皆さんにも感謝したい。「熱く、冷静に」応援していただいたお蔭で、「金正日」との戦いに「負い目」を追うことなく、まい進していけるし、日本国民の民度の高さを誇りにして闘えるからだ。ただ、わたしは報道が心配するほどには心配していなかった。何故なら、「北朝鮮サポーター」も日本育ちの朝鮮系の人々だからだ。同じ国に住み、日本の事情を知っている人たちとの応援合戦で、トラブルが発生することはないだろうと思っていたからだ。「北朝鮮チーム」を応援した方々に「拉致問題」の全面解決にも協力してもらえたらと思う。私たちは、「試合の結果」に本当の意味での嬉しさを味わえないのです。どのような好試合であっても、どのような勝利であっても心から「笑える」状況にないことも、また事実である。本当の喜びを味わいたいものだ。「がんばれ!ジーコ・ジャパン」



2005.2.8

「愈々、決戦!勝て、日本代表」

 愈々「ワールド・カップアジア最終予選」の「北朝鮮戦」が、日本で開催される。私は、個人的に好きな種目でもあるが、是非「拉致問題」に関係なく日本代表には勝って欲しい。2006年の「ドイツ」での「ワールド・カップ」に出場してもらいたいと思う。ドイツで予選リーグを勝ち抜き、決勝トーナメントに進み、紛れもない日本代表の実力を世界に誇示して欲しいからだ。2002年の「アジア」での開催は、FIFA史上最悪の様相を呈したと思う。今度は、サッカーの本場「ヨーロッパ」でその実力を見せ付けて欲しいからだ。それがなされた時、「ワールド・カップ日本開催」時の力が本物であったのだということが出来ると思う。だから、こんなところで負けていては本大会に行っても結局悲しい結果しかもたらされないだろう。「日本代表」には、「アジア王者」として完膚なきまでに「北朝鮮戦」に勝利しなければならない。実力的には「日本代表」が上であることは明白であるが、油断は禁物。北朝鮮選手には「命がけ」のメンタリティの上で日本を圧倒しているところを持つ。「北朝鮮戦」だけではなく予選すべてに「アジア王者」として完勝し、ドイツへ言って欲しい。また、サポーターには「応援は熱く、行動は冷静に」観戦して欲しい。ここで、何らかの問題が生じると「金正日」に付け込まれる可能性が生じてしまうからだ。今、日本は一部の隙も「金正日」に見せてはいけない。サポーターの皆さんも「金正日」との闘いを意識しながら、静かに熱く「応援」して欲しい。「ガンバレ・日本代表」


2005.2.7

「お悔やみ申し上げます」

本日早朝、曽我さんのご尊父・茂さんがご逝去されました。昨年からお体の具合が良くないと伺っておりましたが、奥様のみよしさんが未だ帰国されないままの逝去は、非常に残念でなりません。私の父・正一もそうでしたが、最愛の家族と邪悪な謀略により切り離され、長年に亘り苦難の道を歩まなければならなかった人生を未だ静かに終えることが出来ない状況を残したまま、逝かなければならなかった無念さはいかばかりかと推察いたします。ただその中にあって、娘である「ひとみさん」と再会し、更に二人のお孫さんに会えて逝けることだけが救いなのだろうと思います。これより先は安らかに眠りにつかれんことをお祈りいたします。
今、「拉致被害者」や「特定失踪者」の家族の高齢化が進み、その多くが既に他界し、今病床の中にいる方も少なくありません。そのような中、昨日某TV局に出演していた政治家の多くが、「拉致問題」を人事のように分析し、政府の対応を評価していたのを見るにつけ、腹立たしい気持ちが沸々と沸いてきます。
「経済制裁の発動」には慎重であるべきという政治家は、さてどうやって「被害者を早期に救出」しようとしているのでしょうか?私たちは、同じ言葉を何年も聞いてきました。平成9年、「家族会結成」以降、総理や外相は常に「被害者を救出するために慎重に対応して、話し合いをしていかなければならない」といい、一向に適切な手をうとうとせず、被害者の生存情報さえ入手する努力を怠ってきたのです。それを大きく変えたのが、「ブッシュ大統領の一般教書演説」であったことは紛れもないことです。小泉総理はご自分が北に行かれたことが解決につながったと思われているようですが、「日朝首脳会談」は単なるセレモニーでした。「金正日」が、「拉致を認めるから国交を回復しよう」という言葉を言わなければならなくなったのは、アメリカの圧力があったからです。あの「悪の枢軸」発言が、金正日をして「拉致を認めざるを得なく」したのです。つまり、今まで日本政府は積極的に自らの力で「拉致問題」を動かしたことはないということです。これから先、何人の家族が倒れれば解決するんでしょうか?何人の被害者が倒れれば本気で救出の気持ちになるのでしょ?暗澹たる気持ちのまま、今日1日を過ごしていくのでしょう。



2005.1.31

「国民の関心の高さ」

1月29日、30日「仙台」に行ってきました。29日は、「街頭署名」を。30日は「集会」に参加してきました。署名では1700名の署名が集まり、集会へは1300名の皆さんが着ていただけました。
「横田めぐみさんたちは生きている。未帰還者全員救出のために、今こそ経済制裁を!」のスローガンで署名していく人たちの顔に「北朝鮮」に対する「怒り」と、未だに解決できない「日本政府」への「怒り」の表情が見えていました。ある方は、署名を待つ間に既に、涙を流され「救出できない人々」への悲哀を語られました。さらに、「何も出来ないけど、かげながら応援しています。」とおっしゃいました。その気持ちを持っていただけるだけでも大きな力になると思います。一つだけ「出来ること」があります。私たちは、「ブルーリボン運動」を展開していますが、何も言わなくても「ブルーリボンバッジ」や「ブルーリボン」をいつも着けていただくことにより、北への大きな「無言の圧力」となります。「拉致被害者の救出」を望むシンボルをつけることにより、北朝鮮政府の言っている「拉致は舞い決済み」という言葉に否を示し、解決するまで忘れない意思を示すことになります。是非つけてください。服につけることに抵抗あるのであれば、バッグの表面につけるとか、青い何かを身につけることにより、国民の意思を北へ、日本政府へ突きつけることになります。日本中の人々が、青を基調にしたものを身に着けることにより、圧力をかけていけると信じます。
今年に入って既に「救う会」主催のすべての集会に、平均100名を超える市民の皆さんが参集してくれました。会場に入りきれない皆さんには、申し訳ない思いですが、溢れんばかりの人々の熱気が伝わり、国民の怒りが聞こえてきました。はたして「小泉総理」にこの声が聞こえているのでしょうか?昨日、今日と「国会審議」を見ていて、小泉総理の答弁に「誠意のなさ」を感じてしまうのは私だけでしょうか?
日本よ、真の国家たれ!桜井よしこさんがおっしゃっている言葉です。
もう一度、「日本よ!真の国家たれ」



2005.1.28

「今こそ、怒りを表すべきときではないのか?」

 今月26日、「北朝鮮北京大使館」を通して、日本の精査結果に対する正式な回答が寄せられた。それに対し、「家族会」・「救う会」は即座に緊急声明を発表した。
それは以下の通りである。

■経済制裁の即時発動を求める緊急声明

本日午後、北朝鮮が、北京の大使館ルートを通して、拉致被害者の再調査結果への日本の抗議に対する回答を伝えてきたことが、外務報道官談話で判明しました。それは、北朝鮮が1月24日に、「日本の遺骨鑑定結果は徹底した捏造」、「責任ある者を厳重に処罰すべき」等と「備忘録」なるものを公表していましたが、その文書を伝達するとともに、改めて遺骨の返還要求があったとのことです。北朝鮮は、うそにうそを重ねたあげく、強弁で開き直ってきたのです。
 この不誠実な北朝鮮側の対応は、拉致問題解決を含め、「日・朝間に存在する諸般の問題に誠意を持って臨む」ことを約束した日朝平壌宣言に違反するだけでなく、日本と日本人を侮辱し、金正日政権に「対話」で問題を解決する意思がないことを、自ら明らかにしたものです。
  事ここに至っては、私たちは、拉致問題を解決するため、また日本の怒りを北朝鮮の最高権力者に伝えるために、直ちに制裁に踏み切ることを強く求めるものです。
平成17年1月26日
北朝鮮による拉致被害者家族連絡会代表 横田 滋
北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会会長 佐藤勝巳

その「備忘録」なるものに記されている内容は、主

○ 北が誠意を持って提出した「遺骨」を偽者と捏造したこと
○ 藪中局長(当時)が公表しないと約束したことと反する
○ 捏造事件の責任者の処罰を求める
○ 遺骨を原状のまま変換することを要求
である。さらに、こうも言っている「死んだ人を生きているとし、父女(ママ)間の肉親関係を否定し、にせ遺骨まで作り出す日本こそ、信じようとしても信じられず、親しく過ごそうとしても過ごすことが出来ない国」と。
私たちは「人民を抑圧して、生命の尊厳さえ無視する金正日政権」と親しくしようとは当初から思っていない。とにかく、「生存している被害者」を帰さず、今までもこれからも「被害者」を傷つけたことが判明したら、「経済支援や協力」などあり得ないことを知らしめるべきである。
政府はいったい何を躊躇しているのか?
今、怒りを表明せず何時怒りを表明するのか?
わが国は「和」を重視するあまり、国の基本を忘れているのではないか?国会議員の最も重要な仕事は「国民の生命・財産」を守り、安全な国つくりをすることではないのか?30数年前ころから「国家主権を侵され」、「国民を拉致された国」が、未だにその怒りを表さず放置している。
本来、04‘9.17「金正日が拉致を認めた」日に、厳重に抗議すべきだった。直ちに生存する被害者の返還を求めるべきであった。それがない場合は、「平壤宣言」へのサインなどすべきではなかった。あれから、2年半が過ぎようとしても未だ「怒り」を公表しないのは、何か政府関係者に弱みがあるのか?と疑ってしまう。今こそ、怒りを表明し「経済制裁の発動」に踏み切るべきだ。今怒らないで、日本は何時起こるのだろう?被害者の両親が倒れてから怒るのか?被害者が倒れてから怒るのか?
もし、この2年半の間に被害者が不幸なことになっていたとしたら、私は「小泉総理」を許すことはないだろう。
日本よ、真の国家たれ!



2005.1.1

「新たな年が訪れた」

 この新年を「拉致被害者」は彼の地で如何に過ごしているのだろうか?彼らは平成という年号を知っているのだろうか?知らないかもしれない。しかし、「曽我さん一家」の離朝で確実に自分たちの帰国の日が近づいていることを意識していることであろう。数十年もあきらめかけていた母国への帰参。母の父のそして友の待つ故郷への帰郷を厳しい冬に耐えながら、希望の二文字を抱きながら待っていることであろう。
 日本よ!真の国家たれ!!

北朝鮮政府は、昨年暮れ以下のような声明を出してきた。

拉致精査結果「認めず」

 北朝鮮の外務省スポークスマンは30日、日本政府が先に伝達した拉致問題再調査の精査結果を「ねつ造」と批判、「認めることも受け入れることもできず、断固排撃する」とし、「日朝政府間接触に、これ以上の意義を付与する必要がなくなった」と述べ、今後の日朝実務者協議には応じられないとの姿勢を強く示唆した。朝鮮中央通信が31日伝えた。
 日本が精査結果を示し抗議と真相究明要求を行ったことへの初の公式反応。北朝鮮が精査結果を全面否定し、協議打ち切りにまで言及したことは、日本で高まっている経済制裁発動論議をさらに刺激するのは必至で、日朝関係は緊迫した局面を迎える恐れもあ。
 スポークスマンは「対話相手に真摯(しんし)に誠意をもって対すれば対するほど、むしろ日本の反共和国(反北朝鮮)政治謀略と敵視政策に悪用されるのみだ」と指摘。「日本政府が極右勢力とともに反共和国策動に露骨に乗り出していることが明白になった」とした。
 さらに拉致被害者、横田めぐみさんの「遺骨」を別人のものとした鑑定結果について「ねつ造」とあらためて主張し、「遺骨」返還とともに「ねつ造の真相究明と謝罪」を日本政府に要求。経済制裁などの「厳しい対応」は「危険な挑発」とした上で、「物理的に対処する万端の準備ができている」と警告した。(共同)

 余程焦っているのであろう。金正日に対する言い訳のために日本の精査結果や遺骨の鑑定結果を否定しなければならない事情があるようだ。
小泉首相のいう「対話」を拒否してきている声明を受け、わが国はこれからどうするのであろう。「対話のテーブル」に着かせるために再び「食糧支援」を持ち出すのであろうか?これまで何年もの間、「テーブルに着かせる為に」コメ支援をして、結果何もなかったことを知っているはずだ。「対話」を拒否してきたら、政府は「対話」せざるを得ない状況にしていかなければならない。被害者の切なる思いを無視してはならない。
 日本よ!国家たれ!!



2004.12.20

「妙に納得のいく記事」

「週刊文春」(12月23日号)の記事で妙に納得したものがありました。

2002年9月17日「日朝首脳会談」前に、日本政府と北朝鮮政府の間には、会談後半年で「国交の樹立」を行い、「多額の経済協力」を実施する約束があった

というものです。私は、昨年正月過ぎから「北朝鮮政府」が言っていた「約束が違う」という言葉。皆、「帰国した5人を戻さない」ことを捉えて解釈していた方が大半だったろうと思う。しかしあまりに北朝鮮がしつこく「約束がちがう。約束が違う。」といっていたので何か釈然としないものを感じていたのであるが、やはり北朝鮮は「5人」のことではなく、9.17「日朝首脳会談」開催の見返りに日本政府が約束していた「国交正常化」の履行を言っていたのである。だから、あんなにもしつこく「約束がちがう。」と言っていたのである。確かに「北朝鮮政府」は、「約束が違う」の前に「5人を戻さないということは」というフレーズを言っていなかった。ただ、「約束が違う。」といっていた。あれは、暗に「小泉首相よ、約束通り正常化交渉の再開と国交の樹立を成し遂げろ」という言葉を投げかけ、田中均や小泉首相に「約束の履行」を迫っていたものではなかったか?あの時感じていた違和感が文春の記事で納得できるものとなった。やはりというか、日本政府が「金正日」との会談を設定して貰う時、必ずといって良いほど約束させられた「食糧支援」や「経済支援」があったのだと思う。2002.9017では、それが「日朝国交樹立」であり、「多額の経済協力」だったのではないか?北にとっては「5人の帰国」などそう大きなことではなく、経済協力こそ重要な案件だったがために、しつこく「約束不履行」を声高に言っていたのではないだろうか?私は、「首脳会談」の見返りは直後におこなわれた「朝鮮銀行」への公的資金導入であろうと考えていたのであるが、それだけではなく「国交樹立」まで約束させられていたのであれば、何をかいわんやである。
 今年の「小泉総理再訪朝」は、2年前の約束の確認のために「金正日が日本の総理をよびつけた」に過ぎないのではないか?とも思えてしまう。それ以降の小泉総理の発言「任期中に国交の樹立をやる」が、合点のいくものとなる。「拉致問題の全面解決」ない時点で、総理が強く「任期中の国交樹立」を唱え、「拉致問題の解決」を言わなくなったことが証であろう。即ち、5.22は「拉致被害者を見捨て、利に走った総理」の思惑の産物だったのではなかろうか?そう解釈することにより、一連の官邸の言動がより納得のいくものとなった。
 しかし、総理!拉致被害者を見捨て、北朝鮮との国交樹立に走った場合、貴方の名が泥にまみれ、「日本史上最悪の宰相」となることを覚悟しておいてください。国民はさほど愚鈍ではないし、北朝鮮の現状をよくわかっている。現体制との国交の樹立が、国益にかなわないものであることを知っている。

吉田康彦に哀れを感ずる
 吉田康彦なる人物のHPに「拉致問題」について記されてある。

今回の鑑定結果で、めぐみさんのご家族は、めぐみさんが生存している確信をますます深めたようですが、私は必ずしもそうは思いません。要するに、遺骨など保存していないのです。これは他の拉致被害者にもあてはまります。ほとんどは何らかの理由で殺害され、北朝鮮側はすでに日本政府に通告ずみといわれています。しかし北朝鮮側は拉致の事実を隠し通すつもりでいたので、証拠となるものはすべて抹殺してしまったのだと思います。

 2002.9.17以前「拉致は捏造」と我々の主張と正反対の事を言ってきた人物であるから、最早誰も相手にしないだろうが、今また「家族会」・「救う会」の主張―「めぐみさんは生きている」−を否定してきた。まァ、北朝鮮政府関係者と通じてきた工作員的存在からすると、「めぐみさんの生存」は不都合であるのであろうが、よくここまで活字にしていってきたものである。先ず、「証拠となるものはすべて抹殺」というのなら、何故、写真やラケットのカバーや、そして「めぐみさんの子供」まで登場させたのか?抹殺しているのなら、「ヘギョンちゃん」は、いないことにしておいたほうがいいではないか。出してしまったがために「血液検査」「DNA鑑定」と要求され、チョルジュンなる人物の詮索がされるのである。「抹殺」なら「証拠」となる物証を全て焼き尽くしているはずではないか。それが、出てきていることで、吉田某の仮説が破綻する。なんにしても、日本人として「めぐみさん生存」を信じて北に追及することが、貴方が犯した過ち―拉致を否定―を是正するチャンスであろうと思うのであるが、それすらしようとしない人に、若者を教える資格はないであろう。
 さらに、言わせていただくが、「家族会」・「救う会」は報復のために経済制裁の発動を望んでいるのではないことを肝に銘じなさい。私たちは、「北朝鮮政府」の今までのあり方から、「圧力のない対話」は無駄であることを学んでいます。だから「経済制裁」という圧力をかけて「対話」をするしか「被害者救出の方法」がないと思っているのです。報復処置とは世論をミス・リードするものであります。
 貴方はこうも言っている。
繰り返しますが、私は、拉致問題で満足できる回答が得られなくても日朝国交正常化を不可欠と考えています。北東アジアの平和と安定、民族共生のために、両国は対立と対決から和解と協力に向かうべきなのです。金正日体制が未来永劫に続くわけではありません。私たちは、朝鮮半島の北半分に住んでいる2200万の朝鮮人民との共生して行かねばならないのです。

金正日体制について言及していないが、すべての問題の全面的解決には、何が必要なのか?貴方の言葉として、言ってください。総連の意向ではなく、貴方の言葉で。さもなくばやはり、北のスポークスマンとしての言葉ではなく、貴方の罪を拭い去るものではないことを誤魔化してはいけない。吉田某教授!貴方に同胞を救いたい心があるのなら・・・。



2004 12.9

馬鹿にするな!

「めぐみさんの遺骨と称された骨」の鑑定結果がでました。これには、北朝鮮政府・金正日政権も予想外であったのではないか?おそらく「北朝鮮の科学の常識では、高温で焼かれた骨のDNA鑑定は出来ない。」だったのであろうが、わが国の水準はその常識をはるかに上回るものであった。私たちが、最も危惧していたのは「めぐみさんの遺骨とは鑑定できなかったが、否定も出来ない」即ち鑑定不可能の結果がもたらされるものでありました。何故なら、「横田家」を狙い打ちにした今回の「遺骨と称されるものの提示」で、「めぐみさんの生存」を否定し続け、玉虫色にしながら「国交への道」を策動してくるであろうと思われたからだ。しかし、私たちにも予想外であった「DNA鑑定結果」がもたらされたことは、改めて「我が国の科学水準」の高さを証明してくれた。
 この結果を受け、早紀江さんは「北の酷さを浮き彫りにした。」といい、拓也君は「国民は今怒るときではないのか?」と云っていました。横田家に対する揺さぶりに皆さんうんざりされていたし、心も揺れざるを得ない状況でしたから、結果に対し怒りが増幅されたものでしょう。しかし、皆さん事実として今、怒るときではありませんか?5.22の時私は総理に対し「プライドはおありなのですか?二度も騙されて、日本国のトップである貴方が馬鹿にされたと言うことは、日本国民が馬鹿にされたと言うことです」と申し上げたわけだが、偽の骨を提示したことをもってしても、日本国民が馬鹿にされたことであろう。このまま、何も云わずにすごすことは「馬鹿にされていることを認めながら、我慢して従うこと」を意味することではないか?これで「まともな独立国家」といえるのか?
「桜井よしこさん」が寄せてくれた言葉をもう一度言っておきたい。
「日本よ!真の国家たれ!」

集会案内
12月 9日 「増元るみ子さんを救うぞ!東京集会」
       平野フミ子、増元照明、西岡力
平成16年12月11日(土) 13:00開場 14:00〜16:30
参加:有本ご夫妻、横田ご夫妻、西村真悟さん(拉致議連幹事長)、荒木和博さん(特定失踪者問題調査会代表)
場所:八尾プリズムホール(八尾市文化会館)

'04年12月12日(日)1:00〜5:00
場 所:【ラポール日教済】ご案内図
     東京都新宿区山吹町10-1 TEL(03)5228-2675(直通)
資料代:\500(高校生以下無料)

〈家族の思い〉

  横田哲也さん(めぐみさんの弟さん)
  増元照明さん(るみ子さんの弟さん)
  高野美幸さん(特定失踪者清文さんの妹さん)
  ※他の家族とも交渉中

〈在日コリアン・日本人の一人としての思い・メッセージ〉
発言・歌・詩の朗読など。
〈意見交流〉

12月12日(日)14:30から16:30まで
(12時から天神ソラリアステージ前にて情宣、その後 天神ビルにて集会)
場所:福岡市中央区 天神ビル11階 大会議室
ゲスト:有本恵子さんご両親

2004年12月19日(日)

  
    ☆☆街頭署名活動☆☆

  当日、12:30〜14:00

 場所:JR加古川駅南側 (★青いノボリが目印です)

 内容:1演説(関係者のみ)

    2署名(駅付近をご通行中の皆様に署名申請)

    3寄付金箱設置

 
    ☆☆拉致問題を考える ビデオ上映会☆☆

  当日、15:00〜 (開場:14:30)

 場所:加古川市立勤労会館 301会議室
     
   (兵庫県加古川市野口町良野1739番地、
       TEL:0794−23−1535)



2004 11.19

「週刊現代」の記事に不快感

 11月20日発売の週刊誌の記事を読んだ。非常に不愉快な気持ちにさせられた。表題は過激なものであったが、読んでみると内容のない、確証もない伝聞を記事にしたものであり、「売れればそれだけで良い」というもののように感じられる。今、「家族会」・「救う会」は先の実務者協議で内容のない報告をしてきた「北朝鮮」との情報戦を闘っている。その中で、一部の政府関係者が言っている「死亡説」を流布するような記事に対して、北を利するものと捉える。この記事は被害者家族の心を傷つけるものであり、強い不快感を表明します



2004.11.18

「情けない
小泉総理」

可笑しいじゃない小泉総理
15日「実務者協議」の結果が家族会に示されました。その内容は報道において、ご存知の方もおられると思いますが、又、「横田めぐみさん」の情報ばかりが突出して提示され、そのほかの人のことは殆ど無視されています。何かの意図があるとしか思えない北朝鮮政府の調査結果に、小泉総理は「北朝鮮の努力の跡が見える」と評価しています。え〜ほんとかよー!という思いです。土葬の習慣を持つ北朝鮮で火葬された骨を「めぐみちゃんの遺骨」(火葬の場合、DNA鑑定は困難)と提示し、夫とされる本人確認のための「血液採取」・「毛髪の提出」を拒否され、前回出した「死亡確認書」や「49号予防院」の提出した死亡台帳は捏造でしたと言われて、今回は死亡に関して全く物証を提出せずに何の信頼性を感じられない北朝鮮の人間の証言しか提示しない。これが誠意ある調査結果ですか?努力の跡ですか?小泉さんは何も知らないのか?知っていて誤魔化しているのか?「拉致被害者」は四六時中監視されていたことは、「曽我さん」の米軍事法廷での証言で明らかではないですか?彼らが本気で「拉致被害者の問題」を解決しようとしているのならば、実行機関である「三号庁舎」にある資料をだせば云いだけのことなのです。まして、めぐみさんはかなり高待遇だったようです。そのような人を「自殺」させたら監視していた人は責任をとらされて「収容所」送りになることはわかりきっているのに、監視を緩めてしまったことなど道理に合わないとは思わないのですかね。あきれてものが言えなくなりそうですが、云わなくちゃならない立場ですから言いますが、「田口さん」は日本の警察が膨大な行方不明者のなかから、「李恩恵=田口八重子」という結論を出したのです。今回も北は「李恩恵は存在しない」と言っているのです。これひとつとっても誠意の感じられない「嘘の上塗り」ではないでしょうか?このような調査結果を受けて「努力がうかがえる」という言葉を発しては、北に対し誤ったメッセージを送ってしまう。「日本は今回の調査を評価している」などと思われてははなはだ遺憾なのです。小泉さん何回だまされて笑っているのですか?それとも貴方も本気で「拉致被害者を取り戻そうとしていない」のでしょうか?国民は貴方の子供も同然です。その子供を救おうとしない人に国民は安心して家長の地位を与えるわけにはいかないのです。もしかして、このまま何も動かず「横田夫妻や高齢の家族が倒れれば問題は霧消するとでも思っているのでしょうか?怒れ!総理。北に馬鹿にされていることを怒れ!それが国民の生命を守るべき総理の姿勢でしょう。
ここまでで「経済制裁の発動」の時期に来ているのではないですか?
誰が総理の首に鈴をつけてくれるのでしょう?残念です。



2004.11.13

陳日宝(チンイルボ)とは何者?

 実務者協議が9日から始まってようやく出てきた 陳日宝(チンイルボ)とは?いったい何者なのだろう?人を見かけで判断してはいけないことは重々承知の上で言わせてもらうならば、画面で最初に見た陳日宝の印象は「これが調査委員会の委員長というポストを任された人物の顔か?」というものでした。少なくとも鋭敏な感じは全くなく、席に着いたしぐさについても嫌々出席しているようで、上からの命令で肩書きを名乗っていると感じてしまったのは私だけなのでしょうか 
 11日の午前「特定失踪者問題調査会」の事務所にいく用事があったので、荒木代表に尋ねてみました。荒木さんは「増元さん、あのですね。あちらの体制の中で上から命じられればその日から{調査委員会}の委員長になるのです。つまり私が、天下のNHKの会長です。といってしまえばそれが通る世界ですから、その人物が何者かは関係ないということです」という回答がありました。私は「調査委員会」の存在自体が怪しいものだと思っていましたので、妙に納得しました。今回「日本サイド」が「調査委」のトップへの面会を強く求めたため、誰かを「委員長」として登場させなければならなかった。藪中局長たちもこんな茶番に付き合わなければならないのだから「ご苦労様」としかいえません。しかし、5月22日の「小泉総理際再訪朝」後、政府及びTVのコメンテーターの中には、「総理が行って金正日に{白紙に戻して再調査する}と約束させたのは大きな成果であった」と言っていた人がいたが、これが「大きな成果」の結果なのでしょうか?「北朝鮮による拉致」という未曾有の国家犯罪を認め、国の首領が謝罪した後の調査を

・ 北朝鮮の警察機構の中では一番格下
・内閣の中に鉄道省などと並んである組織だが労働党より下
・拉致実行組織は労働党の三号庁舎。内閣内の人民保安省が調査や資料請求をしても
 党から「必要ない」と言われればそれで終わり
・チン・イルボという名前はおそらく偽名(人前に出る名前は全部偽名とか)
・ほとんど権限のない者を責任者にしている
・座り方がおとなしい。おそらくソンイルホ氏よりも格下


と称する人物に任せること自体、北朝鮮政府の真面目に調査しようとする姿勢がみえない。
「拉致」を実行したのが労働党の三号庁舎であることが明白であることからすると、労働党の幹部もしくはNO.2といわれる金永南を「調査委員会の委員長」に任命するのが、「小泉総理再訪朝」の際約束したことへの誠意ではないでしょうか?もともと誠意を感じられる相手ではないが、「日本の総理が2度も行って約束させてきた」というのであれば、その犯罪の重要性からやるべきことをやらなければ容認できない。陳日宝(チンイルボ)なる人物を委員長として登場させることが、日本国の総理への舐めきった態度ではないでしょうか?「小泉総理、今こそ怒りを表明すべきです。再訪朝のときしっかり調査すると約束したじゃない。これでは約束不履行です。到底納得できるものではない」これ以上の時間稼ぎに付き合っていたら、生存している被害者も病気で亡くなる可能性だってあります。もし、「2002年9月17日以降の被害者の絶命」が確認されれば、それは即、日本国政府の無策・怠慢から発生した死であり、国が国民を死に至らしめたということを認識していただきたい。曽我ひとみさんも日本に変えられて日本の高度な医療施設があったから、「早期の癌発見」があり手術を受けられたことを考えたとき、被害者の高齢化を思えば一時たりとも無駄には出来ません。皆さん、怒りましょう!


2004.11.7

「緊急集会」開催

 愈々「小泉総理再訪朝」後、3回目の実務者協議が来週にせまりました。家族会は、北朝鮮政府への示威行動の一貫として、救う会・議連とともに「星陵会館」において「緊急集会」を開催します。全国より殆どの家族が集い訴えます。実務者協議はレベルが上がったとは言え3回目。「4回目はないんだぞ!」という気持ちを持ちながら交渉に当たって欲しい。否、そうしなければならないんじゃないか?家族会メンバーも高齢化し市川修一さんのご両親は90歳になる。あとどのくらい待てというのでしょう?
 以下に、先日外務省に提出した「家族会」の要請文を記します、皆さんも一緒に声をあげてください。


内閣総理大臣  小泉純一郎 様
外務大臣    町村 信孝 様

              
第三回日朝実務者協議開催前の日本政府への要望

 北朝鮮による日本人拉致問題に対しまして常日頃よりご尽力頂いておりますことお礼申し上げます。
 2002年9月17日の日朝首脳会談の席で北朝鮮政府は初めて日本人拉致について金正日自身の口からその実行を認め、そして日本政府と日本国民の皆様のお力添えにより5人の被害者とそのご家族を帰国させることが出来ました。重ねてお礼申し上げます。
 しかしながら、残念なことに横田めぐみさんをはじめとする未帰還者は未だに生まれ育った日本の地を踏むことを許されていません。小泉首相は二度も北朝鮮を訪問され、金正日から未帰者の調査について白紙の状態に戻して進めるという言質を取り付けて下さいました。2004年5月22日の再訪朝から既に半年近くが経過しようとしています。それから日朝実務者協議が二度も開催されましたが、北朝鮮政府からは未帰還者に関する具体的な消息や無条件の帰国をさせるための誠実な態度は一切見られません。
 今月9日から12日に掛けて第三回目の日朝実務者協議が開催されようとしています。私達拉致被害者家族はこれ以上待つことは出来ません。これ以上北朝鮮政府の時間稼ぎのための欺瞞工作に付き合うことは出来ません。日本は国会の場で国民の意思をもって北朝鮮政府に対しての経済制裁法案を二つも成立させました。これは日本国家そして国民世論の形を表わすものであります。経済制裁発動に関する国民の意思は実に7割以上の方々が賛同されているものであり、日本政府が北朝鮮政府に対して毅然とした態度で臨むことを、私達拉致被害者同様の意志で要望しているのです。
 私達は第三回日朝実務者協議を前に、横田めぐみさんをはじめとする未帰還者を一刻も早く救出させるために下記につきまして日本政府に要望致します。

                              記

一、横田めぐみさんをはじめとする未帰還者全員の救出と帰国が実現されるままで、日朝国交正常化交渉を進めないで下さい。
二、横田めぐみさんをはじめとする未帰還者全員の救出と帰国が実現される前に、北朝鮮に対する残り12.5万トンの経済支援を実施しないで下さい。
三、日朝合同調査委員会の設置を日本政府側から提案しないで下さい。また北朝鮮政府から提案がある場合には、毅然とした態度でそれを拒否して下さい。
四、第三回日朝実務者協議の中で横田めぐみさんをはじめとする未帰還者全員の救出と帰国の道筋が実現されない場合には、日本国民の意思として北朝鮮政府への経済制裁発動を要望致します。
 日朝国交正常化交渉が拉致問題解決の前に進められてしまえば、北朝鮮政府は日本からの経済制裁の発動を憂慮することなく日本からの経済協力を享受するだけでなく、拉致被害者を抹殺することで拉致問題自体を闇に葬るに違いありません。
 また人道支援と称する経済支援も、結果的には安全保障の危機を作り出している張本人に延命措置を提供することになります。北朝鮮への人道を言うのであれば、拉致された日本国民の人道が先に尊重されるべきです。
 拉致を実行した加害者は北朝鮮であることは彼ら自身も認めたことであり、日本人拉致被害者を秘匿しているのも北朝鮮政府自身です。合同調査委員会を立ち上げて、一から調査するというのは彼らの欺瞞であり時間稼ぎの常套手段です。彼らが隠匿している事実全部を速やかに日本政府に対して開示することこそが先決であり、日本政府は全ての情報を速やかに出させるよう、毅然とした態度で北朝鮮政府に臨んで頂きたいと思います。また北朝鮮政府の目論見としては、合同調査委員会を立ち上げることで、日本からの経済制裁発動を制止させたいという構図を狙っていることは火を見るより明らかです。北朝鮮政府の欺瞞工作に乗じることが無いよう正攻法で協議頂けますよう宜しくお願い致します。
 横田めぐみさんは13歳で拉致され、本年10月には40歳の誕生日を迎えました。実に人生の3分の2以上を自由も食料も無い北朝鮮の地で生活を強いられています。日本政府が日本国民を救出することは最低限の責任であると思います。横田めぐみさん他全員の未帰還者が一日も早く日本に帰国出来るよう、そして私達家族のもとに帰ってくることが出来るよう、今一度日本政府に対して強い態度で北朝鮮政府に臨むよう心よりお願い申し上げます。

                                             北朝鮮による拉致被害者家族連絡会
                                                     代表  横田 滋


私たちはこれからも北朝鮮政府に対し、常に要求し続けていきます。
「拉致被害者を全員返せ!」「問題解決まで一切の妥協はしない!」


2004.10.26

万景峰号今年最後の入港

 先ず、ここ1週間の間に「大型台風」・「新潟地震」と立て続けに来た災害により被災された皆様に心よりお見舞いもうしあげます。人間の無力さを痛感する出来事の連続でいたたまれない気持ちになっております。
 私は、「台風23号」の接近する20日、新潟西港中央埠頭において行われた「万景峰号入港反対抗議行動」に参加してきました。幸いにも雨はさほど強くなく、抗議行動に支障をきたすものではありませんでしたが、小雨降る中大勢の市民がともに抗議行動に参加してくださいました。朝早い時間にもかかわらず、「誠意のない国からの定期船」の入港に抗議をしていただいたことに感謝申し上げます。「万景峰号」は相変わらず、我々を威嚇するかのような音響で歌を流しゆっくりと入港してきました。昨年の抗議行動のときは、接岸するはるか遠くの方から流しながらやってきたものが、今回は接岸時のみ、我々の抗議の声を掻き消すように音楽を流していました。前回にも感じたことなのですが、何故彼らは自由に日本の港へ入港して来られるのでしょうか?100人以上の拉致被害者は未だ北朝鮮に幽閉されたままなのに、実務者協議においても何等誠意ある回答を寄せることなく、「人道」という名の下に遠慮会釈なくわが領土を侵すさまに悲しさを感じてしまいます。
 岸壁での抗議行動の後、集会を開きましたが、その時聞いた話によりますと、政府は先の実務者協議の際、「合同調査委」の設置を提案する模様だとのことです。何故、それは姑息な政府が「拉致問題」の棚上げを謀るため、「合同調査委」の設置を日本国から提案するというのです。
 合同調査委―全く意味のない代物です。昨今、何人かの有識者といわれる人々が提唱していますが、よく考えればわかることですが、例えば友好国のアメリカが日本国内に於いて、捜査権を有し詳細な調査が出来うるか?少ない人数で調査するということは、結局北朝鮮のいう「死亡説」を検証しに行くことではないでしょか?数万人体制で北朝鮮内部を捜索するようなものでなければ、何等意味のないものになってしまうでしょう。そのようなことを金政権が許可するはずはありません。許可するというのであれば、「人道支援」の食料支援を大勢のボランティアを動因して、「炊き出し方式」で人民に食べさせる方法を許可しなさい。北朝鮮内部にまで入り込んで、北朝鮮の指定するところではなく、こちらの指定する場所の捜索をかねて「食糧支援」をする方法を許可すべきです。
「合同調査委」の何が問題か?
 日本政府がこの案を持ち出した意味は、「調査委」が存在する間「経済制裁の発動」を阻止できると考えられるからです。調査が長引いても「調査中」という名目で「経済制裁の発動」をしないですむ。国民世論が「発動」を望んでも「調査中だからできない」というエキスキューズを与えられるからです。又、「拉致問題」は「合同調査委」で話し合われるから「日朝の国交交渉」を始めましょうということになるものです。
 これは事実上の「拉致」の棚上げです。私はこのような策動に断固反対していかなければなりません。先のゼネコンの動きといい、日本の政財界は「日朝国交樹立」を既成事実化していこうとしているとしか思えません。
 全くばかげた国です。「拉致被害者」を救出できないまま「日朝国交樹立」には賛同できません。そのときは数十万の国民の抗議行動が沸き起こることを願いやみません。


2004 10.20

父の3年忌を終えて

 2002年、「拉致被害者」5人が帰国し24年ぶりに帰郷した10月17日、父は無念の思いを抱きながら逝ってしまいました。あれからはや2年の歳月が過ぎ、3年忌を迎えた今年10月17日、相変わらず「政府認定拉致被害者」の内、未帰還社10人に関しては何等新しい情報はもたらされていません。
先の13日「町村外務大臣」に面会することが出来、外相の「宝刀は抜かなければ宝刀とはいえない」「11月の実務者協議にきちんとした回答を得られるべく努力する」等、家族会にとって心強い発言を聞くことが出来嬉しく思いましたが、果たして「小泉総理」のもと、どこまで確信に近い回答を引き出すことが出来るのか?なおも不安はぬぐえません。是非外相には、踏ん張っていただきたい。
「宝刀は抜かないから宝刀」などは詭弁でしかありません。
 今年2つの「経済制裁法案」が相次いで可決されました。今まで日本国独自の判断では出来なかった「経済制裁」が、日本の安全保障を確保するために日本独自でも出来るようになった画期的なものなのです。また、「改正外為法」を駆使すれば何回でも「相手国」に対し新たな圧力をかけていけるのです。一度抜いたら「宝刀」でなくなる論は誤りです。
 家族会・救う会が先ず求めていることは、「高級食材の輸出禁止」・「北朝鮮軍部の使用する日本製軍備の部品の輸出規制」です。しかも「拉致問題の全面解決」を求めてこの制裁法を発動することが、国として「被害者」を取り返すんだという強いメッセージになることを望んでいます。「効果」とか「有効」等はやってみなければわからないことであるし、国家として国民を救う姿勢を示してもらいたいのです。効果がなければ、徐々にハードルを上げ実効性を伴うようにしていくことで、金正日政権に日本の国民の意思を突きつけていくことを望みます。
 父も「姉の帰国」まで静かに休むことも出来ないでしょう。今でも北の地にいる娘を守っていると信じています。
 多くの「拉致被害者」の家族が高齢化している中、父のように子供に会えないで他界してしまう親を作ってしまうことは許されないと思います。
 小泉政権は「世論」に敏感であることは言うまでもありません。皆さん一緒に声を上げてください。


2004 10.8

町村新外務大臣に期待する

 来週、10月13日に「家族会」のメンバーとの面会を快諾していただいた「町村外務大臣」との面談が実現します。町村大臣は
日本人拉致問題の進展がない中、北朝鮮政策を巡って、路線対立再燃の兆しが出てきた。町村信孝外相が就任早々、経済制裁の検討もちらつかせ「圧力」をかける姿勢を前面に出しているのに対し、首相官邸側は「対話」を重視し制裁論が高まることに慎重な構えを崩していない。官邸主導外交に歩調を合わせてきた外務省内には、外相発言に戸惑いの声も上がっている。

 「経済制裁という選択肢を捨てるのは個人的にはどうかと思っている」。27日夜、就任したばかりの外相は幹部との初顔合わせとなった臨時省議で言い切った。29日のNHK番組でも、日朝実務者協議が進展なく終わったことに「我々も伝家の宝刀を抜くかもしれないという、はっきりとした意思が伝わるようなアプローチをすべきだ」と述べ、北朝鮮が対応を改めなければ経済制裁も辞さない考えを強調した。

の記事にあるように、「拉致問題」の解決に向け積極的な意見をお持ちのようですので、我々としても期待したいと考えます。面談時には、今の姿勢を貫いていただき早期の解決を図るために、「経済制裁」という宝刀を抜く時期について閣内において提案していただきたいと思います。閣内には「中川家財産業大臣」もおられるし、必ずや協力していただけると信じています。
 最早、「話し合い」を継続するだけでは解決など出来ないことを日本政府は知るべきではないでしょうか?金正日が「拉致」を認めてから2年の月日が過ぎているにもかかわらず、未帰還者10人に関しては、何等納得しうる情報を出してこない北朝鮮政府の不誠実な対応を看過することは出来ません。これは「02.9.17」の平壌宣言にサインする事前の協議での北の約束違反であり、すなわち平壌宣言違反であると考えます。食料を送っても「拉致」を否定してきた国が、どうして「拉致」を認めざるを得なかったのか?学ぶべきです。
 町村新外務大臣には、このことを認識していただき早期解決にご尽力していただきたいと考えます。
 

2004 10.4

いよいよ、「日朝国交樹立」への道を歩み始めるつもりか?

先週「家族会」にとって衝撃的な報道がなされました。
「内閣官房参与・中山恭子さん辞任の意向」
 私は、札幌にて集会参加中でしたが、午後7:30ころ報道関係から突然この知らせを受けました。「寝耳に水」の知らせに驚愕し、しかし半ば信じられない思いに駆られ、集会終了後、横田家へ電話確認してみました。何故なら、中山参与の人柄からこのような重大な決意を公にする前に必ず、横田代表の処へ知らせるはずだと思ったからです。電話口に出られたのは早紀江夫人でした。お聞きしたところ、参与から辞任について何の話も聞いていないということで、一先ず「誤報道」であろう感触を受けていました。更に救う会・副会長西岡氏に問い合わせたところ、参与は「辞めるつもりはない。」と、おっしゃっているということでしたので安心しておりましたが、報道からの連絡はそれ以降もひっきりなしでかかり、私たちを不安にするものでした。参与に真意を確かめるべく電話しましたが繋がらず、不安を助長するものとなっていきました。
西岡副会長より、「参与の気持ちと裏腹に、辞任の方向へ絡められていくことが考えられるため、この時点で家族会として{慰留}の声明を出しておいたほうがいい。」とのことで、異例とも言える「家族会は、中山参与に全幅の信頼をおいています」という緊急アピールを発表しました。この時点でも「辞任」に関しては半信半疑の状況でしたが、結果皆さんご存知のように、翌日「辞任」が確定してしまいました。
何かおかしい!
確かに27日の深夜までは「辞任なし」の方向だったはずが、夜半過ぎから「辞任意向」確定の方向になってしまったのです。何があったか、今でも明らかになっていません。恐らく、これからも明らかになることはないでしょう。
しかし、「中山参与の辞任」で誰が喜ぶのか?これは、明らかです。
「金正日政権」と「国内の親北朝鮮勢力」に他なりません。
「北京での再開(曽我さん親子)」を主張した北朝鮮と、それに順ずる姿勢を見せた「日本政府」の思惑を打破したのは、ほかならぬ中山参与であり、ジェンキンス氏を意外な早さで日本に招聘したのも中山参与であったから、その後発覚した「曽我さんの北朝鮮への再拉致計画」も実現することが出来なかったのです。これからも参与をあのままにしていては、都合が悪いと思ったのも頷けますし、「国交樹立」のためには、家族会の代弁者たる参与の存在が邪魔に思えていたことは確かでしょう。
 又、「斉木審議官」の移動も然りです。
「日朝の実務者協議」の中で、斉木さんが頑として譲らない姿勢を示したため、「日朝国交樹立」のためには、斉木さんをはずす必要性を感じたのでしょう。異例の時期に「斉木審議官移動」の方向になっています。これらのことが何を意味するのか?
懸命な皆さんはお判りかと思いますが、「北朝鮮の意向」を「日本政府」が承諾し実行したということです。私が懸念してきた「官邸に北朝鮮の意向が直接反映」されたということです。つまり、日本の国の政策が北朝鮮政府の意向に沿う形で実行されたものです。
何故そのようなことが起こったのか?「小泉総理再訪朝」以来、小泉総理が言っている「就任期間内」での「日朝国交樹立」を目指すためとしか、考えられません。
いよいよ、その目的のため強健力を行使し始めています。しかし、本当にそれでいいのでしょうか?「核やミサイル」も未だ解決していない時期に、アメリカの姿勢に反して「北朝鮮」との国交樹立をして、金正日政権を援助して「北朝鮮人民の苦しみ」を長くすることが、はたして「日本の国益」に沿うものでしょうか?
今、財界からも「日朝国交樹立」を望む声が聞こえてきます。重村教授に対し、「日朝友好」に都合の悪い話はするな!」という言葉を投げかけてきています。「経済協力」からみの好況を目論んでいるのでしょうが、それが本当に良いことでしょうか?北朝鮮という国はそんなに善意の国ではないことを知っているはずです。その前に、「日本国民の命」を見捨てるような、又将来的に「日本国」に対し脅威をもたらす可能性を含む「北朝鮮」への援助を経済優先主義の下に行っていく事が是なのか?今まで、日本は自分のお金で北朝鮮にミサイルを作らせ、核を開発させてきました。我々の税金を使って我々の命を危うくするような国家を援助してきました。何故、日本は目覚めないのでしょうか?何故、同じ轍を踏もうとしているのでしょうか?
我々は許しません。今、日朝双方とも「不正常」な段階で「国交正常化」という言葉は不適切です。又、日本を「テロ支援国」としてしまう援助を看過することは出来ません。
皆さん声をあげてください。未だ「国交の樹立」は出来ないという声を。


2004 9.21

皆さん、選挙以来長らくこのHPの更新をしませんでしたことをお詫び申し上げます。
「選挙」というのは非情に難しく、言葉を発するだけで「違反」になるものだそうで、HPでの「選挙における支援への感謝」の言葉を不特定多数の皆さんに発することが躊躇される状況で、素人の私はお礼を申し上げることが遅れてしまいました。
 今後はこのページ上で「家族会」のメンバーとしての発信をしていきたいと考えております。
早速ですが、先の集会参加者へのメッセージをお送りしたいと思います。

2004.9.17「緊急集会」の盛会に感謝!
去る9月17日「経済制裁を求める緊急集会」にご参集いただいた皆様に感謝を申し上げたいと思います。今回の集会企画にあたり、現在の国民的関心事に「拉致問題」がどれほどの大きさかが不透明でした。昨今の報道や渋谷での「街頭アピール」を敢行した際にも以前ほどの熱気が不足しているように感じていましたので、「九段会館」が多くの来場者であふれるかどうか?大いに不安でありました。が、それが杞憂に終わったことが「家族会」としても嬉しく喜ばしいことと感謝申し上げます。
 私たちは、「拉致被害者救出運動」が太い幹をもった大きな流れになっていることを実感し、日本の国そのものの力強さを感じております。これは「家族会メンバー」にとって何者にも変えがたい財産であるとともに、被害者を取り戻す上で大きなエネルギーとなることを信じて止みません。皆さんのあの日の行動が、あの日の熱意が、そのまま「北朝鮮・金正日政権」への強大なプレッシャーになったものと確信しています。全国から参集してきた「被害者家族」の皆さんも「九段会館の熱気」を浴びていっそうの力を得たものと思います。本当に有難うございました。
 今後は「家族会」としても北朝鮮の不誠実な対応に対し「怒りの声」を挙げ続け、家族を取り戻す大きな力としていきたいと思います。皆様には、「拉致被害者を取り戻すため」又、「国を取り戻す」ために一緒に闘っていただきたいと考えます。
 日本が「真の国家」となるために!





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